【漫画】異世界ファンタジーを読み飽きたあなたに……仲間になりたいゴブリンがグイグイくる短編SNS漫画が面白い

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2023年08月14日 10:40  リアルサウンド

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『変なゴブリンが仲間になりたそうにこっちを見ているどころかグイグイくる』より

 ライトノベルや漫画作品において、人気が定着して久しい異世界ファンタジー。「スライム」や「ゴブリン」というザコキャラ扱いされやすい魔物も重要なモチーフとなっており、主人公に設定されることも少なくない。そんななか、8月7日にX(Twitter)上で公開された短編『変なゴブリンが仲間になりたそうにこっちを見ているどころかグイグイくる』は、ザコキャラながらポジティブ思考で押しが強いゴブリンに愛嬌を感じる、楽しい作品に仕上がっている。


(参考:漫画『変なゴブリンが仲間になりたそうにこっちを見ているどころかグイグイくる』を読む


 本作を手掛けたのは、趣味としてSNSに漫画を投稿するようになり、現在では商業連載も持つ漫画家として活躍する比内ハツさん(@s_n_c_yha)。気軽に読めて笑顔になれる本作がどのようにして描かれたのか、話を聞いた。(望月悠木)


「馴れ馴れしいゴブリンが頭から離れなかった」


――『変なゴブリンが仲間になりたそうにこっちを見ているどころかグイグイくる』はどのようにして誕生したのですか?


比内:商業連載作『エルフ王とオーク王がマブダチ』を中心に、執筆している作品上“人外”を描く機会が結構あります。「まだ描いていないものはなんだろう?」と考え、「まだゴブリンを描いていない」と思い付いたことが最初です。


――そこから“RPGでは敵キャラのゴブリンが積極的に仲間になろうとする“という設定はどのように生まれたのですか?


比内:まず思いつきでストーリーを作り、その後は登場キャラに頭の中で動いてもらい、漫画として読みやすいように組み立てる、という作業をしています。本作ではゴブリンを描こうと思った時から、なぜか馴れ馴れしいゴブリンが頭から離れなかったため、グイグイくるタイプのゴブリンができました。「仲間になりたい」というのはグイグイくるための理由として後付けで決めました。


――ラミ・ペスカやゴブリンなど登場人物はどのように決めましたか?


比内:「メインにゴブリン、サブにラミ(人間)を置こう」ということは着想段階から考えていました。ストーリーを考えていたところ、頭の中でずっとゴブリンが関西弁で喋っていたのでそのまま採用しました。また、今後続編を描きたくなった場合、このゴブリンが魔法を使うイメージが持てなかったため、パーティーバランスを考えてラミを魔法使いという後衛職にしました。


「笑いのツボはどこにでもある」


――2人の掛け合いが面白く、会話だけでも笑わせられる内容でした。


比内:笑いのツボは案外どこにでもあり、中でも日常会話は意識していないだけで笑える要素がかなり多いと思っています。会話内容の補足や説得力のためにも作画は気を付けていますが、「“なんか目の前で面白い会話をしている”くらいの感覚で読んでもらえるようにできればいいな」と思ってもらえるよう描いています。


――セリフ自体はどのように決めているのですか?


比内:まずは言わせたいセリフを書き出して、それを簡略化したり言い回しを変えて短文にしたりなど、サクッと読めるセリフ量にできるよう工夫しています。流行の言葉にもアンテナを張り、読み手に負担なく入りやすい言葉選びを意識しています。


――ラミ・ペスカやゴブリンのキャラがとても立っていましたが、作品自体はとても短かったです。登場人物のクオリティと作品の長さにギャップを感じましたが、最初から数ページでまとめる予定だったのですか?


比内:仕事の都合もあるため、本作含めて息抜きで描く作品は短くまとめています。本作も同様で長いページ数を描く予定ではありませんでした。コメディ、そして会話劇を見てもらう上でキャラの人柄はとても大事だと考えているため、私はキャラの種族・口調・行動に全振りしていることが多いです。そのことが“キャラが立っている”と思ってもらった要因なのかもしれませんね。


――最後に今後の目標など教えてください。


比内:現在は『アルファポリス』で商業作品『エルフ王とオーク王がマブダチ』を連載中です。この作品をさらに多くの人に読んでもらうため、技術の向上など頑張っていきたいと思っています!また、私にとって漫画は読むのも描くのも楽しいものなので、これからも楽しみながら活動を続けていきたいです。


(取材・文=望月悠木)


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