「ステュディオス」がオリジナルブランドを再始動 “半歩先のベーシック”を提案

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2023年08月18日 14:02  Fashionsnap.com

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ディレクターの北内由梨恵氏

Image by: FASHIONSNAP
 TOKYO BASEのセレクトショップ「ステュディオス(STUDIOUS)」が、オリジナル商品を復活させた。ディレクターは、日本のブランドで11年間デザイナーを務めた経験を持つ北内由梨恵氏。「EDGY DAYWEAR」をテーマにエッジの効いたベーシックなアイテムを提案している。7月から順次立ち上がっており、完売アイテムも出るなど滑り出しは好調だという。

 ステュディオスでは、2021年春からステュディオスのネームタグを使った商品を廃止。いわゆる“セレオリ(セレクトショップのオリジナル商品)”に対する業界内の否定的な見方もあり、オリジナルを廃止することでセレクトショップとしての感度をより高める方向にシフトしていた。再始動の背景にはウィメンズの不調があり、今年3月に実施した2023年1月期の決算説明会で谷正人代表はメイドインジャパンの強みを活かした高品質な商品開発を進めていく方針を明かしていた。
 北内氏は今年1月にTOKYO BASEに入社。谷代表からは「ステュディオスのオリジナル商品を変えていきたい」というオーダーがあったという。かねてより自身のブランドを立ち上げたいという思いがあった北内氏は、セレクトブランドのアイテムを引き立てる“脇役”のオリジナル商品ではなく、主役になれるオリジナル商品を構想。ステュディオスのオリジナル商品という位置付けではあるが、ひとつのブランドを立ち上げる意気込みで、デビューシーズンとなった2023年秋冬コレクションは小物を含めて110品番をラインナップしている。
「これまでのステュディオスのオリジナル商品はシンプルなデザインが割と多かったが、消費者の皆さんが欲しい服は、本当の意味での使いやすさだと思っている。それは日常的に着回せたり、どんな体型にも似合ったり、手の届くところで工夫が取り入れられる服だと解釈している。デザインもただシンプルにするのではなく、前衛的な要素を取り入れることで長く着られる“半歩先のベーシック”を提案した」(北内氏)。
 同社は、デザインにこだわったエッジな「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)」と、ベーシックなアイテムが揃う「パブリック トウキョウ(PUBLIC TOKYO)」というオリジナルブランドを展開している。これらの差異化として、アイテム単体のデザインに凝るのではなく、ベーシックなデザインの中にシルエットをアレンジできるなどの機能性を取り入れたという。

 たとえば、「Half Sleeve Tailored Jacket」(3万6300円)はフロントボタンがメンズ仕様になっているほか、ユニセックスで着用できるようにオーバーサイズに仕上げている。センターバックベンツのボタンを外せばインナー見せができたり、前後をシェイプさせればミニドレスのようなスタイルが楽しめるなど、3通りのシルエットに変化させることができる。北内氏自身がメンズのウェアを好んでいることから、ステュディオスのオリジナルでは「メンズウェアをDIYしたイメージ」でコレクションを製作。「メンズウェアを女性が着ることで、女性らしさが引き立つ」という自身のアイデアを落とし込んだといい、同アイテムもメンズが着用できるようにデザインした。社販では男女問わず好評で、同社広報担当者も「社員総会でも着用率が高かったが、アレンジが効くので被っているように感じさせなかった」とコメントしている。
 このほか、テーラードジャケットラペルのようなデザインの「Open Collar Shirt」(1万9800円)や、レイヤードしやすいメッシュ素材の「Oversized Mesh Pullover」(1万9800円)、2ヶ所にスリットをあしらった「Perfection Pencil Metallic Skirt」(2万4200円)などが動いている。「ブランドとして価値のあるものにしたい」(北内氏)という考えから、価格帯は低価格にせず1万円台後半〜5万円台に設定しているが、シアー素材のトップス「Rib Paneled Skin Top」(7700円/いずれも税込)といった1万円以下のアイテムも用意している。

 また、オリジナルブランドの再始動に伴い、ロゴを新たに制作。セレクトショップとしてのステュディオスのロゴは飾りのついたセリフ体を採用しているが、オリジナルブランドでは中性的なイメージを発信するためにゴシック体を使用している。

 以前のステュディオスでは「スタッフはあまり着ていなかったようで、自分たちが買わない物をお客さんに提供するのはどうなのか、という思いがあった」と谷代表は語っていたが、オリジナルブランドとしての新生ステュディオスでは“忖度なし”に社員の購入も相次ぎ、在庫がすでに少なくなっているアイテムも出ているという。北内氏も「自信を持ってお届けできる。ファッションが生活の一部になっている方に着ていただきたい」と自信を示している。コレクションはステュディオスの国内13店舗と公式オンラインストアのほか、ゾゾタウンで販売。中国にあるステュディオス3店舗でも取り扱う。
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