佐藤大樹『アラクオ』共演の“戦友”美山加恋は「尊敬できる部分がたくさんある」

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2023年08月20日 11:01  TVerプラス

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佐藤大樹さん(FANTASTICS)が主演を務めるドラマL 『around 1/4(アラウンドクォーター)』(テレビ朝日、毎週土曜26:30〜/ABCテレビ、毎週日曜23:55〜)の第5話が、ABCテレビにて8月20日(テレビ朝日では8月19日)に放送されます。

緒之さんの同名漫画をドラマ化した本作。かつてのバイト仲間だった新田康祐(佐藤)、平田早苗(美山加恋)、橋本明日美(工藤遥)、横山直己(松岡広大)、宮下一真(曽田陵介)の5人が、25歳前後(アラウンドクォーター/通称:アラクオ)を迎えて直面した“25歳の壁”や“恋の分岐点”などに焦点を当て、それぞれが、悩み、傷つきながらも答えを見つけていく様を描いた恋愛群像ストーリー。

ドラマも中盤戦を迎え、ストーリーも加速する中、気になるのが、康祐と早苗の関係性です。

今回、佐藤さんにインタビューを行い、早苗とホテルに行った康祐がその後、どんな気持ちだったのか……佐藤さんなりの考えや、25歳への思い、恋愛観など、たっぷりと語っていただきました。

※以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。

早苗とのホテルのシーンを振り返る

――佐藤さんは、康祐を演じながらも、5人の関係性についてどんなことを感じていましたか?

すごく人間味のある5人だなと思いました。もともとバイト先が一緒で、青春時代を共に過ごした仲間だけど、お互いの距離感を測って、探り合いながらも仲良くやっている。心を許しているように見えるけど、じつは違う……みたいな。今の子たちがリアルに抱えている悩みに近いのかなと思います。

オンエアを見た会社の人から「ものすごく刺さります」と言ってくれることも多くて、じつは、こんな経験をしてきた人って、たくさんいるんじゃないかなと思いました。

――佐藤さんは、「25歳」という年齢について、どんなことを思いますか?

特に男性は、まだ子供だなと思います。よく、HIROさんが「男は35歳から」「自分が大人だと思っているのは本人だけだ」とおっしゃっていて。それはご自身の経験や、HIROさんから見た世界からでもそう感じるみたいなんですけど、僕もそう思います。30歳になるまでは、いろいろなことを経験して、いろいろな世界を見て、たくさん失敗できるし、なんでも挑戦できる年齢なんじゃないかなと思います。

――すでにクランクアップされたそうですね。現在28歳の佐藤さんは、アラクオ体験をしてみていかがでしたか?

自分が経験した25歳とは真逆の25歳を演じていたので、改めて“自分ではない誰か”を演じるのはすごく楽しいなと思いました。でも、共感できない部分もたくさんあったので、監督と何度も話しあいました。

この経験を28歳になった今できたのが、自分の芝居の経験としても、人生経験としても、将来の糧になるだろうなと思いましたし、体を張ったシーンもたくさんあったので、終わったあとに充実感・達成感がありました。

――「理解できない」とおっしゃいましたが、康祐と違うなと思った点は?

康祐は、自分のコンプレックスや悩みを隠すために、仮面をかぶりながら生活しているんですが、自分の場合、人前に立つときは、そこまで演じている意識はなくて、あくまでフラットにいたいなと思っているので、そこは康祐と違うなと思いました。

あと、第1話で「六本木でワンナイト」みたいな台詞があったんですが、そんなことは全くないし(笑)。自分は、EXILE TRIBEにいて男の集団で育ってきたので、飲み会も男勝り。シャンパンを開けるというより、レモンサワーで、タンクトップで……みたいな(笑)、そこは全然違うなと思いましたね。

――早苗役の美山さんの印象を教えてください。

とにかくタイトな撮影スケジュールの中、(美山は)舞台に出演されて、アニメの声優も同時にされていたんです。朝に撮影して、舞台の本番をやって、夜中の2時まで撮影、次の日も舞台の昼公演があって……みたいなスケジュールを聞いた時に、とんでもない“体力お化け”だなと思いました。

自分より年下ですが、俳優さんとして尊敬できる部分がたくさんありましたし、現場でも弱音一つ吐かずにすごいなと。楽とは言えないシーン、美山さんとだから一緒に乗り越えられたなと思うシーンもあったので、信頼関係が生まれたと思います。美山さんは自分のことを「戦友」と言ってくださったんですが、自分もまさにそんな感覚になりました。俳優さんとして、すごく素敵な方だなと思います。

――そんな美山さん演じる早苗と賭けをしてホテルに行くシーンがありました。佐藤さん自身は、彼らの関係性について、どんなことを思いましたか?

(康祐は)根が優しい人間だと思うので、早苗が大きな失恋をしたのを知って、ほっとけないし、自分なりに尽くそうとするけど、自分のコンプレックスは知られたくない。だから、そういう関係にはならないようにしていくんだけど、気づいたらそういう雰囲気になってしまった……みたいな。

特に会話はないんだけど、探り合って、気まずさもあったホテルのエレベーターに乗るシーンや廊下を歩くシーンは、2人の絶妙な距離感が面白いなと思いました。見てる人は、早苗になりきって“この後、康祐とどうなるんだろう?”とドキドキ感を楽しみながら見てもらえたシーンかなと思いますね。

――実際に、佐藤さんも演じながらドキドキしていたんですか?

しましたね。“もう絶対そういうことになるだろう”という覚悟は、お互いにあったと思うんです。康祐は「手を出さない」、早苗は「試してみよう」という賭けでホテルに行くシーンだったので、すごくドキドキしました。

――ホテル以降、早苗の表情を見ていると、康祐に対しての印象が変わったような気がします。一方で、康祐は早苗のことをどのように思っていると思いますか?

きっと、早苗のことを“好きだ”と自覚しているとは思うんですけど、隠したいコンプレックスもあるから、それを言えないし……。“どうやって2人の距離を縮めよう”と考えていると思います。でも、縮めたらまだ先に“知られたくない部分”もあるっていう。この時点では、絶妙な距離感かなと思いますね。

演技を通して「役者」の楽しさを肌で感じる

――これまで放送された中で、印象に残ったシーンを教えてください。

それこそ、早苗と賭けをしてドキドキしたあとに、元のバイト先「NONKI」でバッタリ会っちゃうシーンは、探り合う空気感を作るのが難しかったですね。一番、会いたくないタイミングで会っちゃったみたいな。

そこのお芝居は、独り言のように台詞を言うのか、それとも相手にその台詞を届けるのか、監督と何度も話し合いながら作り、棲み分けを意識した場面でした。

――康祐はもちろん、ほかの4人の悩みにも焦点を当てるのが、このドラマの特徴です。この作品を通して、何か気づきや感じたことはありましたか?

「(25歳は)子供ではないけど、大人にもなりきれない」という言葉が、ぴったりなフレーズだなと思っていて。大人になりたいんだけど、心は子供だし、でもそれをバレないように生きるみたいな。それって、現代のリアルな悩みで、みんなが抱えているコンプレックスだと思うので、それをまっすぐに届けたいと思いました。

あと、シンプルに男女って難しいなと思いました。これが男だけの話だったら、また変わってくるんでしょうけど、女の子が2人いて、彼女たちもとてつもない悩みを抱えていて……。いつまでたっても男女の関係って簡単にはいかないよな、と気づかされましたね。

――それぞれの恋愛観も描かれています。5人の恋愛シーンを見て、佐藤さんは、ご自身の恋愛でどんなことを大切にしたいと思いましたか?

(1話で)明日美と正(平岡祐太)が、(リモートで)画面を通してでも一緒にいるシーンがありましたが、僕は(リアルに)一緒にいたい派なんで、一緒にいる時間をすごく大切にすると思います。1週間のうちに、例えば3日間会わなくても平気みたいなカップルもいると思うんですけど、僕はなるべく一緒にいたい。お互いを理解できるように努力すること、一緒にいる時間を長くすることは大事にしたいなと思いました。

でも「一緒にいすぎると相手の嫌いな部分も見えてくる」と聞くと、“確かにな”と思うので、程よい塩梅で会うのがいいのかなと思いますね(笑)。

――EXILEやFANTASTICSのパフォーマンス時とは違う「演技の表現」について、どんな魅力を感じていますか?

「こういう役作りをしましょう」「この人は、こういう人物だよね」と監督とセッションしたり、衣装合わせをしたりするのが好きなんですけど、そうやって、衣装、ヘアスタイル、小道具、喋り方などを作って、自分ではない人を演じるわけじゃないですか。その人の人生を(ドラマだと)3か月間だけ味わえるのが、すっごく楽しいです。

――これから、早苗と康祐の関係性がどうなるのか気になるところです。2人のシーンで注目してほしいところはありますか?

お互いが意識せずとも引っ張りあって成長し合うところや、2人がどこまで距離を縮めて、最後、どんな展開になるのか。もともと「苦手」と言っていた康祐を、早苗が受け入れるのか、ぜひ見てほしいところです。

1話で、2人がお酒を飲みながら歩くシーンがあったと思うんですが、じつは最終話にまた同じようなシーンがあります。1話と最終話で、2人の距離感、会話の間(ま)、話すときのテンションが、まったく違って見えるのが、このドラマの面白いところかなと思うので、そういった部分を楽しみにしてほしいなと思います。

取材・文:浜瀬将樹
写真:フジタヒデ
スタイリスト:平松正啓(Y's C)
ヘアメイク:中山伸二(CONTINUE)
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