秘境ロケ地の魅力とは?山形「スタジオセディック庄内オープンセット」が正直お知らせ→「秘境です」「だがそれがいい」

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2023年08月21日 12:01  おたくま経済新聞

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秘境ロケ地の魅力とは?山形「スタジオセディック庄内オープンセット」が正直お知らせ→「秘境です」「だがそれがいい」

 「秘境です」「だがそれがいい」。こんな訴えを「正直おしらせ」と題して、SNSに投稿したのは山形県にある「スタジオセディック庄内オープンセット」です。ここには映画やドラマなどの撮影で使用する農村や宿場町、山間集落などのセットが建設されています。


 今回は「秘境」にオープンセットを建設した経緯や苦労などについて話をうかがいました。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 日本百名山のひとつ、山形県の月山。その山麓にあるのが「スタジオセディック庄内オープンセット」です。26万4000坪という広大な敷地に建設されたオープンセットでは、これまで数々の名作映画やドラマが撮影されてきました。


 そのせいか、「あれ?どこかで見たような……」と感じる風景も多いです。記者の頭の中には、ターバンを巻いた勇者が浮かんできました。



■ 元々は採石場

 元々、この場所は採石場でした。2005年、そこに三池崇史監督の映画「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」のオープンセットを建設。翌年、撮影をおこなったのが始まりです。


 ちなみにこの時は大規模な爆破シーンの撮影があったそう。その許可を得るために行政や地元の人たちに協力してもらい、ロケ地に決めることができたといいます。


 その後も地元への映画誘致やセットの建設をおこない、2009年には前身の観光施設として本格的に一般公開が開始。2014年に運営会社の変更にともない、施設名も現在の「スタジオセディック庄内オープンセット」に変更されました。


■ まさに日本の原風景

 「秘境です」というコメントと共に投稿された4枚の写真は、まさに「日本の原風景」といった感じの写真ばかり。見渡す限り緑が広がっていて、もちろん舗装された道路などどこにもありません。


 「本当に、ここは日本か?」と思ってしまいます。昔の日本にタイムスリップしたようで、「秘境」という言葉がよく似合います。


 今回は「スタジオセディック庄内オープンセット」の担当者に、この場所に建設した経緯や苦労などについてもインタビューを行っています。取材はメールで質問一覧を送り、それに返答をもらう方式で行っております。


■ 行政や地元民の協力もあり、この場所へ

――どのような経緯で、この場所にオープンセットを建設されたのでしょうか?


 2005年にロケハン・セットの建設を行い、2006年に最初の作品を撮影。その後も地元への映画誘致・セットの建設を行い、2009年に前身の観光施設として本格的に一般公開を開始しています。


 2014年に運営会社の変更にともない、施設名を現在の「スタジオセディック庄内オープンセット」へ。現在も映画やドラマなど映像作品の撮影、一般公開を行っております。


――そもそも、この広大な敷地はどのようにして見つけたのでしょうか?


 2006年、この場所で最初に撮影した「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(三池崇史監督)で大規模な爆破シーンの撮影があり、それが可能な場所として行政・地元の方にご協力いただき、ロケ地として決定しました。


■ 毎年、冬はセットを守るため必死に除雪作業

――施設が完成するまでに大変だったことを教えてください。


 電気設備や水道など、インフラ整備が全くない状態からのスタートでした。時代劇の撮影を行うため、電線など現代的なものが映りこまないよう、また可能な限り周囲の自然環境に配慮した施設になっています。


――今でも苦労していることなどはありますでしょうか?


 冬季は3mほど雪が積もるため営業できず、毎年セットを守るための除雪作業に苦労しています。


* * * * *


 良い作品を作りたいというスタッフたちの熱い思いがヒシヒシと伝わってきますね。今後この場所から、いくつの名作映画が誕生するのか楽しみです。



<記事化協力>
スタジオセディック庄内オープンセット公式SNS(@shonai_os)
場所:山形県鶴岡市羽黒町川代字東増川山 102


(佐藤圭亮)


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