今季無双の王者キスが早くも年間13勝到達も、地元ラッコが意地のホームレース制覇/ETRC第5戦

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2023年09月01日 17:30  AUTOSPORT web

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2017年王者アダム・ラッコ(Buggyra ZM Racing/Freightliner)が、R2でホームレース復帰戦を制覇
 チェコ共和国のアウトドローモ・モストで8月26〜27日に争われた2023年ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第5戦は、依然として選手権独走を続ける王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が、開幕からの連続ポールポジション獲得記録を更新し、不安定な天候のなか週末4戦で3勝を挙げる“無双”ぶりを披露。

 その一方で、今季は年間エントリーでなく散発的な“レース・バイ・レース”の出場に留まる地元出身の2017年王者アダム・ラッコ(バギラーZMレーシング/フレートライナー)が、レース2でホーム復帰戦を制覇し、現役王者に一矢報いる結果を手にした。

 7月初旬のドイツ・ニュルブルクリンク戦以来の再開となったシリーズは、おなじみ『Czech Truck Prix』の週末を迎えると、今にも雨が降り出しそうな条件のなか土曜予選がスタートした。

 全15台のトラックがコース上に集結するなか、やはり直近のライバルである選手権6冠の“帝王”ことヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)を退けた王者キスが、盤石の走りでスーパーポールセッションまで席巻。今季9度目の“定位置”をさらった。

 その背後2列目にはアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)とシュティフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)が並ぶ一方、地元の声援に応えた選手権復帰のラッコはスーパーポール入りを果たし、土曜レース1をサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)の隣、8番手からスタートすることとなった。

 迎えた現地11時半過ぎの週末オープニングヒートでは、やはり“絶対王者”が優位な立場を活かしてレースを支配。今季の定番パターンを繰り返し、後続集団に4秒強の差をつけてのポール・トゥ・ウインを飾った。

■「これほど見事にうまくハマるとは信じていなかった」と苦笑いの元王者

 一方、このヒートで7位のハルムに次ぐ8位でフィニッシュしたラッコは、続くレース2に向けリバースポールを手にすることとなった。

「今朝のウォームアップには多くの希望があったが、残念なことに最後は太陽が顔を出してしまった。8位は予定どおりだったが、いずれにしてもこれ以上の結果はありえなかったよ」と語ったラッコは、隣から激しいプレッシャーを掛けてくるハルムのイベコをケアしつつ、車列後方のクラッシュによる20分間の赤旗中断後も集中力を維持。リスタート以降、一時はハーン親子に飲み込まれながら、ふたたび背後まで迫ったハルムを抑え、地元観衆の前で完璧なカムバック劇を飾ってみせた。

「僕らがが計画していたとおりの結果になったが、正直、これほど見事にうまくハマるとは信じていなかった」と苦笑いを見せたラッコ。

「非常に良いスタートを切れたが、決して簡単なレースではなかった。スタート後に赤旗が掲示されたとき、僕はわずかながらリードを築こうとしていたからね」

「幸運なことに、上手く2回目のスタートを切ることができたが、背中にシュテフィ(・ハルム)の気配を感じた。彼女の重圧を感じながら、ミスをしないように、トラックが過熱しないように集中したよ」

「観客も楽しんでくれたと心から願っているし、グランドスタンド前を通りかかったとき、彼らの熱狂が聞こえて鳥肌が立った。それこそ僕らがレースをしている理由そのものだからね!」

 一転、ヘビーウエットと化した日曜は王者キスが連続ポール記録を“10”まで伸ばすと、レース3ではラッコやハーンを、最終ヒートのレース4ではハルムらも退け、年間勝利数を“12”、さらに“13”と積み重ねる圧巻の強さを披露している。

 続くETRC第7戦は間隔を空けず9月9〜10日の週末に、ベルギーのゾルダーで争われる。

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