前年はアクロポリスで苦戦のトヨタ、伝統のラフ・グラベルラリーでWRC今季8勝目を目指す

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2023年09月01日 20:50  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racing WRTのトヨタGRヤリス・ラリー1 2022年WRC第10戦ギリシャ
 トヨタGRヤリス・ラリー1でWRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、9月7日(木)から10日(日)にかけて、ギリシャで開催される2023年シーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』に4台体制で出場し、伝統のグラベルラリーで今季8度目の優勝を目指す。

 このアクロポリス・ラリーにトヨタから参戦するのは、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組の計4ペアだ。

 2023年のWRCは今大会を含めて残すところ4戦。TGR-WRTは67ポイントのリードを築いてマニュファクチャラー選手権をリードし続けている。

 ドライバー選手権でもロバンペラが首位に立ち、25ポイント差で続く2位もチームメイトのエバンスという状況だ。アクロポリスでは彼らレギュラードライバーに加え、2011年にアクロポリスを制した経験を持つオジエがサードドライバーとして出場する。2023年シーズンのオジエはフルタイムでの出場ではないが、出場した5戦のうち3戦で優勝を飾り、ドライバー選手権でランキング5位につけるなど好調ぶりを見せている。

 前戦フィンランドで総合3位入賞を果たした勝田は、今大会では4台目のGRヤリスを駆り、マニュファクチャラー登録外ドライバーとして出場する予定だ。

 1951年に第1回大会が開催され、WRC創設初年度の1973年からシリーズに組み込まれるなど伝統あるアクロポリス・ラリー。“神々のラリー”とも称される同イベントは一時WRCのカレンダーから外れていたが、2021年からふたたびシリーズに復帰を果たしている。

 ギリシャのステージは山岳地帯を中心に展開され、大きな石や段差が多くある荒れた路面が特徴だ。また、気温も非常に高くなることが多く、WRCイベントのなかでも耐久力が求められるラリーとなる。

 WRC復帰初年度の2021年大会は珍しく雨が降り、ウエットコンディションのなかで同大会初出場だったロバンペラが優勝を飾り、自身のWRCキャリア2勝目を獲得。一方、アクロポリスらしい灼熱のなかで争われた2022年大会では、勝田の総合6位がTGR-WRTの最上位という厳しい結果となった。今大会は、同イベントの国際格式開催70周年の記念大会となるが、前年と同様に高気温下での戦いとなることが予想されている。

■ミッドデイサービスなしで乗り切るデイ2

 ラリーは首都アテネのアクロポリスで7日(木)に開幕し、セレモニアルスタートが行われた後、市街地のウォーターフロントに新設されたスーパーSSが1本行われる。本格的な戦いが始まるのは翌日のデイ2からだ。

 SS2〜6の計5本、合計101.98kmのステージを走行するデイ2は、前年と同様にミッドデイサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換と簡易的な整備作業のみで一日を走り切ることになる。さらに、同じステージを2回走行するのはSS2/4の“ルートラキ”のみとなるため、金曜日の出走順が1番手となるロバンペラにとっては前年と同様に、不利な路面コンディションでの戦いとなる可能性がある。この日に5本のステージを走りながら北方へ移動した選手たちはラミアに設けられたサービスパークでデイ2を終える予定だ。

 9日(土)のデイ3はラミアのサービスパークを中心に3本のステージを2回ずつ走行。デイ2とは異なり途中でミッドデイサービスが設けられるが、この日の走行は6本のSSで合計141.52kmと4日間で最長の一日となる。競技最終日の10日(日)は、3本合計62.91kmのステージを走行予定。最終ステージでありパワーステージに指定されるSS15“グラムメニ2”はSS14の再走ステージだ。

 デイ1からデイ4までの4日間で走行するステージは全部で15本、都合307.89kmのSSにリエゾンも含めた総走行距離は1235.17kmに上る。

■2022年の苦戦がモチベーションに繋がっている

「ここ数戦ではいい結果を残すことができているので、ギリシャでも好調が続くことを期待しているが、アクロポリスがいかに難しいイベントであるかも分かっている」と語ったのはTGR-WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表だ。

「昨年は我々チームにとって非常に難しいラリーになったが、そのことがより良い結果を出そうというモチベーションに繋がっているし、ラフでドライなグラベルコンディションにも対応できるようにGRヤリス・ラリー1の開発を続けてきたんだ」
 
「もちろん、現在のようなドライコンディションが続けばカッレ(・ロバンペラ)とエルフィン(・エバンス)はラリーの序盤でもっとも厳しい路面コンディションに直面するだろう。それでも、彼らとともにいい結果を目指して戦えることを願っているよ。今回セブ(セバスチャン・オジエ)とふたたび勝利を目指すことができるのも素晴らしいね」

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