【漫画】「おもしろくない」が失恋の理由? 芸人のリベンジを描いたSNS漫画が笑えて泣ける

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2023年09月12日 07:21  リアルサウンド

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漫画『ハッピーエンド』より

 困難に直面した人が前に進むために必死になっている姿を見て、私たちは勇気をもらう。8月下旬にX(旧Twitter)で投稿された創作漫画『ハッピーエンド』は、自分の仕事、自分の大切な人、そして自分自身と向き合いながら成長する主人公の姿が見られる、ささやかなサクセスストーリーだ。


(参考:漫画『ハッピーエンド』を読む


 お笑い芸人の吉田は、8年間付き合った彼女・響子の浮気現場を目撃。その理由を問い詰めると「おもしろくないんだもん」と笑顔で言われてしまう。傷心の吉田はステージでも上手くいかず、渾身の漫才もスベリ散らかす始末。そんな中、若手向けの賞レースの存在を知り、響子を見返すべく再起を誓う――。


 物心ついた時から絵を描くのが好きで、小学生で漫画家を志すようになったという作者の空色羊さん(@sorad_0410)。現在は「LINEマンガ」にて『神のご加護がありますように』をトライアル連載(※12週間のお試し連載)しており、漫画家として着実に前に進んでいるそうだ。そんな空色さんに本作制作の経緯など話しを聞いた。(望月悠木)


■「セリフはできるだけ簡潔に」


――『ハッピーエンド』制作を決めた当時の状況を教えてください。


空色:実は3年ほど前になります。当時、少年漫画雑誌の編集さんに読み切りネームを見てもらっていたのですが、なかなか通らず煮詰まっていました。その時、初めて全ボツにならず一発OKで通ったネームが『ハッピーエンド』でした。


――“失恋×お笑い芸人”というありそうでなかった設定でしたね。どこからこの設定は思い付いたのですか?


空色:「自分はどういうものが描きたいのか?」かつ「どういうものが描けるのか?」ということをじっくり考えて作りました。私は「自分が描けるもの(テーマ、企画、キャラなど)」=「自分が共感できるもの、似ているもの」と考えています。そこで「芸人」と「漫画家」は共通点が多いと前々から思っており、自分と似ている・共感もできる芸人を主人公にしました。


――失恋という要素をなぜ加えたのですか?


空色:私は「何かを失って立ち止まっている人が、また歩き始める」という物語を描きがちで、かつそういった展開が好きなので、「“失恋からの立ち直り”という物語にしよう」と決めました。


――登場人物はどのようにして練り上げましたか?


空色:私はキャラの性格を決めてからビジュアルを作っていくので、「吉田みたいな性格の人はこんな見た目をしてそうだな……」という感じで作りました。ちなみにビジュアル面ではハライチの岩井勇気さんを参考にしています。林と響子には参考にした人などはおらず、林は吉田と反対の性格・見た目に、響子は吉田が好きそうな女性、という感じで作りました。


――会話のテンポがよく一気読みできる内容でしたね。


空色:「セリフはできるだけ簡潔にしよう」と意識したことがテンポ感につながったのかもしれません。ただ、いろんな意味を含んでいたり、そのキャラらしさが滲み出たりするものがいいセリフだと考えています。私はまだそこができていないので、今後の課題だと感じています。


――響子が悪者になりながら中盤まで進みますが、後半の回想で「吉田にも非があった」というシーンを入れることでバランスが取られていた印象でした。


空色:バランスを取ろうとしてこの構成にしたというよりは、最初から「お互いに歯車が噛み合わなくなった結果別れた」というプロットだったので、自然とこうなりました。また、中盤まで響子を悪者にした理由として、「なぜ響子にフラれたのか?」ということが本作の“引き”になると思うので、その種明かしは最後に取っておきたかったというのがあります。


――最後に今後の目標など教えてください。


空色:今はLINEマンガで連載している『神のご加護がありますように』という作品をいいものにしようと必死です! トライアル連載は人気が出れば本連載できるのですが、それはなかなか難しそうです……。ですので、「インディーズに戻った時にどのようにマネタイズしていくか」「どうすればたくさんの人に読んでもらえるか」ということが今一番大きな課題です。


(取材・文=望月悠木)


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