牛用の注射針を8本飲み込んだ2歳男児、奇跡的に助かる(ペルー)

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2023年09月23日 05:11  Techinsight Japan

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注射針8本を飲み込んでしまった2歳男児。2時間の手術で一命を取り留めたという(画像は『TVA Nouvelles 2023年9月13日付「Un enfant qui a avalé 8 aiguilles médicales sauvé par les médecins」(capture d’écran Reuters)』のスクリーンショット)
幼い子どもは興味本位で口の中に物を入れることが多く、異物を飲み込んで緊急搬送されるというケースは珍しくない。南米ペルーで現地時間9月12日、2歳の男児が牛用の注射針8本を飲み込んでしまい、緊急手術で一命を取り留めた。男児の母親は、仕事が忙しく事態に気づかなかったと話しているが、事の重大さを踏まえた病院側は虐待を疑い、警察に通報したという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

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今回の誤飲事故は、ペルー北部のサン・マルティン県マリスカル・カセレス郡で発生した。男児は県内のタラポトII-2病院に運ばれ、小児外科医のエフライン・サラザール・ティト氏(Efraín Salazar Tito)が男児の腹部全体に8本の注射針が刺さっているのを発見した。県の発表によると、針は右側の腹膜に2本、左側に3本、腹壁に1本、そして膀胱と直腸の間に2本あったという。

男児は、母親ナリー・オロルテギ・ピスコさん(Narly Olórtegui Pisco)が働く牧場で、牛の注射針を見つけて誤って飲み込んでしまったとみられている。


シングルマザーのピスコさんは、息子の面倒を見てくれる人がいなかったことから牧場に連れてきたそうだ。そして仕事が忙しかったため、男児が注射針を飲み込んだことに気づかなかったという。またピスコさんは、男児が飲み込んだ注射針について、牧場の獣医による不注意であると指摘した。

幸いにも、男児は2時間の手術で8本の注射針をすべて取り除くことに成功した。ティト医師は、今回の手術について「注射針を取り出すのに少し時間がかかりましたが、神のサポートもあり、成功しました」と話している。

ピスコさんはティト氏をはじめとする医師たちに対して、注射針を素早く取り除いてくれたことに感謝の意を示した。サン・マルティン県政府の発表にも「迅速な医療処置が行われていなかったら、男児の健康状態は悪化し、回復できなかったでしょう」と書かれている。

男児は手術後、腸の状態が不安定だったが、数日で退院することができた。しかし病院側は、なぜ男児がこれほど多くの注射針を飲み込んだのか理解できず、虐待されたのではないかと疑い、地元の警察に通報したそうだ。


今回のニュースには、男児があまりに多くの注射針を飲み込んだことへのショックもあってか、人々から母親の虐待を疑う声が続出し、「男の子が保護されることを願います」、「我が子を心配する母のようには見えない」といったコメントがあがっている。

米国小児科学会が発行する医学雑誌『Pediatrics』に掲載された2019年の論文によると、6歳未満の子どもの異物摂取による救急外来への受診は1995年以来ほぼ倍増しており、2015年にはその数が子ども1万人に対して18人に上ったという。

なおテックインサイト編集部では、母親の虐待を疑う決定的な出来事はあったのか、また男児は退院後どこで生活しているのかなど、タラポトII-2病院に話を聞くべく取材を申し込んでいる。

画像は『TVA Nouvelles 2023年9月13日付「Un enfant qui a avalé 8 aiguilles médicales sauvé par les médecins」(capture d’écran Reuters)(La mère de l’enfant | capture d’écran Reuters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)
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