主人公の悲しみに寄り添う…キジトラ猫の“演技”とらえた『ルー、パリで生まれた猫』本編映像

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2023年09月25日 18:21  cinemacafe.net

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『ルー、パリで生まれた猫』 © 2023 MC4–ORANGE STUDIO–JMH & FILO Films
パリを舞台に、少女の目を通して愛猫との絆を描く映画『ルー、パリで生まれた猫』より、主人公の少女クレムの父との別れを見守る猫“ルー”を捉えた本編映像が解禁となった。

本作は、楽しいときも落ち込んだときも、いつでもそばにいてくれた猫たちへの愛と感謝の物語。

10歳のクレムが住むパリのアパルトマンの屋根裏部屋で生まれた1匹のキジトラ猫。生後2か月ほどのときに、この猫と出会ったクレムはルーと名づけ、家族として迎える。クールで好奇心いっぱいでクレムのことが大好きなルーとの生活は、クレムの日々を楽しく彩っていくが、クレムがずっと気がかりだった両親の関係はついに修復不可能となってしまう。

今回解禁となった本編映像は、家を出ていくことになった父親とクレムの別れを捉えたシーン。なんとか引き留めようとするクレムの願いはかなわず、「こんなにつらくなるなら大人になりたくない」と涙ながらに父親に訴えるクレム。カメラは、それを心配そうに見つめるルーの姿を捉えていく。自分の部屋で意気消沈するクレムは、甘い声を出すルーに「遊ぶ気分じゃない」と拒むが、それでも何かを訴えようとするルーの姿に、「分かった、おいで」と応じる。

言葉こそ話せなくても悲しみに押しつぶされそうなクレムを気遣い、寄り添うルーの姿は、猫のみならず動物と暮らしたことのある人なら覚えのあるシーンだが、それをルーの目線の高さで捉えることで、クレムとの絆を一層輝かせていることにも注目だ。

“人間の俳優を捉えるように動物の視点に立って撮る”と称される動物映像作家である、本作のギヨーム・メダチェフスキ監督は、ルーを演じる猫としてキジトラにこだわりキャスティング。「ルー役のキジトラは4匹いたんですが、そのうち1匹が安定していたので、8割はその猫で撮影しています。その猫とは確かな関係を築けたと思います。生後2か月半の時にやってきて、スポンジのように多くのことを吸収していきました。私たちと一緒に、撮影現場で成長したといえるかもしれません」とふり返る。

本作の動物トレーナーとして、監督のオーダーに応じてルー役の猫を探しまわったフランスの動物トレーナーの第一人者ミュリエル・ベックは、猫を演出することについて「最も難しいのは、喜びや驚きの感情を表現させることです。ネコ科動物の感情は、例えば犬と比べても読み取るのが難しいんです。犬は目を細めたり耳を動かしたりしますが、それに対して猫はそれほど感情を表現しない。それが監督と私の共通の課題でした。とても繊細な仕事だったから、実験的だったともいえます」と語る。

さらに、「撮影チームのみんなが頭をひねることで完成するんです。それぞれが自分の持ち場で力を尽くしました。例えば猫が目配せする時は、監督はその瞬間を捉える準備を整えておく必要がありますからね」と苦労を明かす。そのルー役の猫たちの健闘ぶりはほかのシーンでも存分に堪能できる。

ちなみにベックは、本作撮影後にルーを演じた猫たちを家族として迎え、すでに別の作品への出演も果たしているという。

なお本作は、来場者プレゼントとして9月29日(金)より子猫時代のかわいらしいルーのポストカード配布が決定。劇場鑑賞者1人につき1枚が先着でプレゼントされる(数量限定のためなくなり次第終了)。

『ルー、パリで生まれた猫』は9月29日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。





(シネマカフェ編集部)
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