NHK、『紅白』含むジャニーズへの方針表明 あす10・2会見も「判断の目安とは考えていません」【会長会見の質疑応答・要旨全文】

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2023年10月01日 10:58  ORICON NEWS

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NHK(C)ORICON NewS inc.
 NHKは、9月27日に行った稲葉延雄会長の定例会見で、ジャニーズ事務所のタレント起用方針などを説明。10月1日までに同局公式サイトに会見要旨を掲載し、報道陣との質疑応答でどのように語ったか、公表した

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 故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で、メディアの責任が問われていることを踏まえ、あらためて「深く反省」を伝えるとともに、「NHKとしては、ジャニーズ事務所所属のタレントの番組などへの出演は、契約で既に決まっているタレントはこれまで通り継続しますが、新規の出演依頼については、被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されていることが確認されるまで当面行わないというのが基本スタンスです」とした。

 また、被害者への補償、再発防止の取り組みを迅速に行うよう、NHKとして申し入れを行ったとし、「事務所が10月2日に今後の会社運営の方針を公表するということも聞いています。その方針を見ながら本当に再発防止、補償面できちんとした対応がとれているかどうかを見ていきたいと思っています」と語った。

 一方で「10月2日が判断の目安とは考えていません。当然10月2日のジャニーズ事務所の今後の運営方針は重要な要素だと思っていますが、ジャニーズ事務所とは直接やり取りを始めていますし、今後も継続して対話を続ける予定ですので、その内容も含めて判断をしていきます」と重ね、「『紅白歌合戦』についても先ほど申し上げた方針で対応します」とした。

■NHK稲葉延雄会長 ジャニーズ事務所問題に関する質疑応答(全文)

記者:ジャニーズ事務所の問題に関して、以前の会見では推移を慎重に見守りたいと述べていたが、先日事務所が発表を行った。これまでの推移を見て一連の事務所の対応をどう思うか。また今後、企業として事務所とどう付き合っていくか。

稲葉会長:これまで私から申し上げたことは全く変わっていません。いずれにしても深く反省しておりまして、NHKとしては、ジャニーズ事務所所属のタレントの番組などへの出演は、契約で既に決まっているタレントはこれまで通り継続しますが、新規の出演依頼については、被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されていることが確認されるまで当面行わないというのが基本スタンスです。ジャニーズ事務所に対しては、NHKとしても被害者への補償、再発防止を適切かつ迅速に行うよう要請していますが、事務所が10月2日に今後の会社運営の方針を公表するということも聞いています。その方針を見ながら本当に再発防止、補償面できちんとした対応がとれているかどうかを見ていきたいと思っています。

記者:前回の会見でのジャニーズ事務所の発表内容には不満が残るということか。

稲葉会長:内容はお聞きしました。しかし、それをどうやって我々が期待するような形に実現するかというのは見守っていきたいと思います。

記者:申し入れはいつ頃どのような形でしたのか。

担当者:先週、直接お会いをして被害者への補償、それから再発防止を迅速かつ適切に行うようにと申し入れをしています。

記者:それは誰に対してか、社長に伝えたのか。

担当者:担当の役員の方などにお伝えしました。

記者:(9月)11日放送のクローズアップ現代でも言及していたが、NHKの元理事が現在ジャニーズ事務所の顧問に就いていると思う。この顧問が現役の時にはジャニーズ事務所との関係が非常に深くハワイ旅行に事務所の費用で行ったとの話を聞いたが、そうした事実はあるのか。

担当者:そうした事実関係は把握していません。

記者:調査して、公表する予定はあるか。

担当者:今みたいなお話だとお答えのしようがないかなと思います。

記者:調べることは無理ということか。

担当者:調べることが無理ということではなく、調べるにあたっての前提といいますか、今みたいに「そういう話がある」というだけで調査をすることにはならないのではないか。

稲葉会長:基本原則を申し上げると、今回の問題について、「クローズアップ現代」で、当時どのような取材対応であったかというのを深い自省の念を持って番組をお届けしました。同様の意味で、このジャニーズ事件が含んでいるさまざまな問題、今おっしゃったようなOBの現役時代の行いなど、いろいろな憶測や見方が流れていて、私はそれが事実だとは思っていません。これまでNHKがジャニーズ事務所との付き合いや番組を作ってきた中で反省すべきことがあるのかないのか。そういったことはこれからも「クローズアップ現代」など色々な番組を通じて、深く掘り下げ検証し、国民の皆さんにNHKの対応方針を伝えていこうと思います。これからの番組制作の中で考えていくことになると思います。

記者:NHKとして調査すべきではないか。

稲葉会長:いろいろなやり方があって、私は不正支出の話では第三者委員会にお願いするという立場に立ってやってきました。しかしこの問題に関しては、NHKが番組の中で1つ1つ取り上げて国民の皆さんに対して説明する、弁明する、検証する、そういう作業をしていきたいと思っています。それは甘いんじゃないかと言われる可能性がありますが、自分ではそういうことをやってみたいと思っています。

記者:例えば番組で検証することになった場合、職員に対して会長名で取材への協力を指示する予定はあるか。

稲葉会長:これは自分たちの放送人としてのありようが試されている問題ですので、自分たちが自覚的、自制的に物事を捉え、今後どうしていったらいいか、過去どうだったかということを考えていくことが良いことで、頭ごなしに言うのはどうかと思っています。

記者:ジャニーズ事務所所属のタレントについて、新規の契約は再発防止等が着実に実施されることが確認できるまで行わないとの説明があったが、これはいつから実施されているのか。

担当者:新規の出演依頼は被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されることが確認されるまで当面行わないという方針です。これについては、本日からきちっとやっていくということにしています。

記者:10月2日のジャニーズ事務所の新体制の発表がその判断の基準、目安になるのか。

担当者:10月2日が判断の目安とは考えていません。当然10月2日のジャニーズ事務所の今後の運営方針は重要な要素だと思っていますが、ジャニーズ事務所とは直接やり取りを始めていますし、今後も継続して対話を続ける予定ですので、その内容も含めて判断をしていきます。

記者:これはNHK全体の判断か。

担当者:NHKとしてこの方針を打ち出したということです。

記者:申し入れは口頭か文書か。

担当者:口頭で申し入れをしています。

記者:主にどんな申し入れをしたのか。

担当者:被害者の補償と再発防止の取り組みが適切かつ迅速に行われることを要請しています。

記者:NHKとして起用方針を変えることはジャニーズ事務所にはいつ伝えたのか。

担当者:きょう公表ですので、このタイミングで伝えています。

記者:ジャニーズ事務所とテレビ制作の関係について、改めて検証する考えはあるか。

稲葉会長:タレントの起用については、基本的にはそのタレントの能力を勘案してその番組にふさわしいかどうかということで決めてきました。ただし、それは今になって振り返ってみると必ずしも十分ではなく、今から思えば、タレントの能力とともに所属している事務所のこともトータルに見て採用すべきと決めるべきだという結論を出しています。だから足りなかったのは、タレントが所属する事務所のありようということもちゃんと検討しないでやってきたことが問題だったという認識で、何かその他のことを忖度してやっていたということではなく、考慮すべき要素が1つ欠落していたということではないかと思います。

記者:それは人権に関する視点ということか。

稲葉会長:そうです。

記者:経済同友会の代表幹事が、人権を守れないような企業は欧米では商品を売ることができない等と発言しているが、これについてはどう考えるか。

稲葉会長:人権を尊重するような会社であることというのはやはり基本的には大事な条件ではないかと思います。もちろんいろいろな状況がありますので過度な一般化は良くないと思いますが、一般論として人権を尊重するような形でないと、NHKも企業どうし、お付き合いはなかなか難しいということだと思います。

記者:「紅白歌合戦」は新規契約になるということでよいか。
担当者:「紅白歌合戦」についても先ほど申し上げた方針で対応します。

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