Canon『G3360』。大容量インクタンク搭載プリンタを購入し、ようやく解消したプリントにまつわる諸々の悩み

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2023年10月06日 11:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
2年半前に買ったいわゆる“複合機”=多機能プリンタであるCanon『G3360』はなかなかの優れものだ。


これを導入したことにより、自宅プリンタを巡る僕の迷走にとりあえず終止符を打てたので、今回はそのあたりのことを書いてみたいと思う。

ただし、当該機種のスペックや使い方などを詳しくリポートするわけではなく、プリンタにまつわる筆者のごく個人的な体験を書いていくコラムなので、どうかそのへんは悪しからず。

○■仕事をするうえであれば便利だが、なければないでなんとかなった多機能プリンタ



10数年前に会社勤めから足を洗った僕は、自宅の一室を仕事場として、フリーランスの編集者兼ライター/コラムニストを生業にしている。

編集者や物書きなんてのはまあ身軽な稼業ときたもので、PCとスマホ、タブレットさえあれば大体のことはこなせるが、仕事の利便性を上げるためには、そこにいくつかの道具をプラスさせたいところ。

その筆頭が、スキャナやコピー機能がついた多機能プリンタなのである。



以前の僕は御多分に洩れず、本体価格は安く設定されているものの、交換インク代が妙にお高く、長い目で見ると相当なランニングコストのかかるカートリッジインク式プリンタを使用していた。

そもそもかつては機種の選択肢が限られていた。

それに、スマホやタブレットの誕生によって本格的ペーパーレス時代の到来が予見され、プリンタそのものが近い将来お役御免になるのだろうと思っていたので、インク代で儲けられるうちに儲けようというメーカーのビジネスモデルを認め、そのための出費はやむなしと思っていたのだ。



僕の場合、仕事上でプリンタをもっとも活用する場面は、制作過程の雑誌や書籍の校正をするため、出版・印刷業界では「ゲラ」と呼ぶ校正用紙をプリントアウトするときだった。

DTP化が進んで以降、ゲラはほぼPDFデータでやり取りするようになっていたが、そこに誤字・脱字、表現の揺れの修正点や、デザイン変更点などを赤ペンで書き入れなければならないので、一旦すべてを紙に刷る必要があったのだ。



だがタブレットを使いこなすようになってからは、PDFのゲラにタブレットペンで直接、朱入れをするようになったため、いちいちゲラをプリントする必要はなくなった。

コピーやスキャンにしても、スマホとタブレットを駆使すれば紙を媒介する必要はない。

いつしか我がプリンタは、出席者が全員PCやタブレットを持参するとは限らない打ち合わせの際の資料をプリントアウトするときや、雑誌や書籍を校了(校正を終了し、印刷に回すこと)するタイミングで、最終確定状態を印刷所に連絡するための“出力見本”をプリントアウトするときにしか使わなくなっていた。


○■完全に故障したタイミングで、もう自宅にプリンタを備えるのはやめようと決断



だけど困ったことに、多くのメカ類がそうであるようにプリンタもまた、日々コンスタントに使っていた方が調子良く、逆に何日も眠らせておいて、たまに稼働させようとすると、うまく言うことを聞いてくれないものだ。

我が家のはインクジェットプリンタなので、プリントヘッドと呼ばれる出力口が詰まったり汚れたりすることが多くなり、いざというときうまく刷れずにイライラさせられることが増えてきた。



それでもご機嫌を伺いながら騙し騙し使っていたが、2020年のはじめ頃、完全に故障してしまった。

メーカーに問い合わせたところ、どうやら修理代はかなり高くつくようで、コスパ的には買い替えた方が良さそうだった。

だけど僕は、この機に思い切ってプリンタ断ちをすることに決めた。

以前と比べ使う機会はめっきり減っていたし、たまに必要なときでもコンビニのプリンタを使えば事足りると考えたのだ。

狭い家の中でそれなりのスペースを占めるプリンタなど、もはや無用の長物なのではないかと。



その頃になると、ランニングコストの高さに不満を持つ人が多かったカートリッジインク式だけではなく、大容量インクタンクを備えるプリンタがいくつかのメーカーから発売され、支持を集めていたが、僕はもはやそれも不要だろうと判断した。

だが、その年の春から猛威を振るいはじめたコロナ禍により、プリンタにまつわるそうした決断を、もう一度考え直さなければならなくなった。



僕の妻は、通常であれば都心の会社に通うサラリーマンなのだが、コロナ対策の出勤自粛で、僕とともに家にこもってリモートワークをする日が多くなった。

長年にわたる在宅ワークで、無駄なプリントアウトをなるべく省くように工夫してきた僕と違い、基本的にオフィスワーカーの妻は、僕よりずっと紙ベースの仕事の仕方をしていた。

そんな妻も家でリモートワークするようになってからは、なるべくデスクトップで仕事を完結するように心がけてはいたようだが、それでもやはり家の中で二人がフルタイムで働いていると、「プリンタがあれば」「スキャナーやコピーがあれば」と思うことが重なった。

それに、娘が成長して小学生から中学生になると、部活や習い事で使う楽譜や、参考書、ノートなどをコピーしたりプリントアウトしたりしなければならないことも増えていった。

そのたびにいちいちコンビニに走っていたのだが、やがてそれも億劫になり、自宅プリンタを復活させることにしたのである。


○■大容量インクタンクを備え、消耗品を交換できるCanon『G3360』はメリットだらけ



しかして2020年の末、まだ発売されたばかりだったCanon『G3360』を購入。

メーカーが“ギガタンク”と名付けた大容量インクタンクを備える、インクジェット複合機である。

カートリッジインク式に比べて本体の値段が高めの大容量タンク式だが、この『G3360』はシンプルなエントリーモデルなので、こうしたモデルの中では比較的安い3万円強というお値段だった。



それから2年半ほど使ってきたが、満足度はかなり高い。

プリント、スキャン、コピーの基本3要素がまず普通に使えることは当たり前。シンプルで分かりやすい機能性なので、非常にスムーズに使いこなせている。

インクは大容量タンクにたっぷり備えてあるので、カートリッジインク式プリンタを使っていたときはあんなに気になっていたインク残量も、ほぼ意識することがなくなった。

ちなみに2年半の間でタンクにインクを補充したのは、たった一回きりである。


それも空っぽになるまで使い切ったわけではなく、減ってきたので補充したに過ぎない。

そして、インクボトル1本でブラック最大6000枚、カラー最大7700枚ほど印刷できるというから、まあ大したものである。


使用頻度が低いとまた調子が悪くなるのではないかという心配もあったが、それは杞憂だったようで、これまでに不具合は一度も生じていない。

それにこのCanon『G3360』は、もしもプリントヘッドが悪くなったら、自分で簡単に交換できる仕様になっていて、ブラックとカラーの2種のヘッドはそれぞれ、純正品が1000円代で販売されている。


また、プリンタは使い続けるとどうしてもインクカスが出てきて、多くのモデルは内臓の固定式タンク内にそうした“廃インク”を貯める構造になっている。

その廃インク用パッドやタンクが容量いっぱいになると、故障扱いで修理しなければならない場合が多いのだが、Canon『G3360』はそこも簡単に取り替えられる仕様になっていて、1500円前後の“メンテナンスカートリッジ”が別売りされている。



液晶パネルが小さく見づらかったり、給紙機構が貧弱だったりと、デメリットも多少はある機種だが、僕のような使い方だったら必要十分。

しかも故障の種になりがちな部分が簡単に交換できるので、安心感、信頼感は非常に高い。

うまく使っていけば、もしかしたらもうこの先ずっと買い替える必要なく、メーカーさんが部品を製造してくれる限り使い続けることができるかもしれないと思っている。


電化製品には、ランニングコストが妙に高くついたり、巷間よく言われるようにタイマーがついてるがごとく、ある日突然致命的な壊れ方をするものがたくさんある。

だが今のところ、このCanon『G3360』には、ユーザーのニーズに寄り添ったメーカーの良心がいくつも感じられ、本当に納得できる買い物だったと思っている。

後継機や上位機種もきっと同じ思想のもとに作られていると思うので、プリンタ選びにお悩みの方にはぜひおすすめしたい。


文・写真/佐藤誠二朗



佐藤誠二朗 さとうせいじろう 編集者/ライター、コラムニスト。1969年東京生まれ。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わり、2000〜2009年は「smart」編集長。カルチャー、ファッションを中心にしながら、アウトドア、デュアルライフ、時事、エンタメ、旅行、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動中。著書『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』(集英社 2018)、『日本懐かしスニーカー大全』(辰巳出版 2020)、『オフィシャル・サブカルオヤジ・ハンドブック』(集英社 2021)。ほか編著書多数。 この著者の記事一覧はこちら(佐藤誠二朗)

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