ロッテ、絶対に負けが許されない一戦に勝利し2位でCSへ

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2023年10月10日 23:02  ベースボールキング

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CS進出を決め、タッチを交わすロッテナイン=楽天モバイルパーク(C) Kyodo News
● 楽天 0 − 5 ロッテ ○
<25回戦・楽天生命パーク>

 ロッテが“絶対”に負けが許されない大事な4位・楽天との直接対決に5−0で勝利し、シーズン143試合目でクライマックスシリーズ進出を決めるとともに、CSファーストステージを本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの開催を決めた。

 試合前まで3位だったロッテは、前日に2位・ソフトバンクがリーグ3連覇したオリックスに敗れたため、この日の4位・楽天戦に勝利で2位、引き分けで3位、敗れれば4位転落という状況だった。

 初回、楽天先発・則本昂大の前にわずか7球三者凡退に抑えられ、その裏、先発・小島和哉が一死一、二塁から浅村栄斗を二直に打ち取ったかと思われた打球を二塁・中村奨吾が落球で一死満塁のピンチを招いてしまう。8月以降の流れからいけば、守備のミスから失点が目立っていただけに嫌な流れだったが、岡島豪郎を遊併で“ゼロ”で切り抜ける。

 直後の2回表に一死走者なしから山口航輝が二塁打で出塁し、続く岡大海のライト前にポトリと落ちる安打で先制。1−0の4回には二死走者なしから安田尚憲がレフトポールに直撃する第9号ソロで追加点。

 2点のリードをもらった小島は毎回のように走者を背負う苦しい投球も、6回まで3つの併殺でピンチを切り抜けるなど無失点投球。2−0の7回に荻野貴司のピッチャー強襲の適時内野安打で欲しかった3点目を奪った。荻野は10月7日の取材で「チームに貢献できるようにやっていきたい」と話していた中で、価値ある適時内野安打だった。

 3−0の8回にも佐藤都志也の2点適時二塁打が飛び出し、リードを5点に広げた。7回無失点に抑えた小島の後を受けて、8回から登板した坂本光士郎、9回は益田直也のリレーで逃げ切り、2年ぶりのCS進出を決めた。

◆ 絶対に負けられない一戦で勝利

 ここ数年はポイントとなる局面で敗れ、ズルズルとチームの調子が落ちることが多かった。2020年でいえば、10月9日の首位・ソフトバンクとの3連戦初戦に勝利し、2位ながらゲーム差なしに迫ったが、翌日の試合に1−5で敗戦。10月10日以降は7勝17敗1分と大失速し14ゲーム差の2位。

 「この1点を、つかみ取る。」をチームスローガンに掲げリーグ制覇を目指した21年は、一時は2位だったオリックスに4ゲーム差をつけ、1勝すれば優勝マジックが点灯する9月28日からの2位・オリックスとの3連戦で3連敗。 それでも、10月に2位ながら1970年以来51年ぶりとなる優勝マジックを点灯させ、優勝マジックを「3」まで減らしたが、オリックスが最終戦となった10月25日の楽天戦に勝利し、ロッテはソフトバンクに7−15と大敗。これでロッテは優勝するために残り3試合を3勝、もしくは2勝1分で終えなければいけない状況になった。もう1敗も許されない10月27日の楽天戦に1−2で敗れた。

 22年も前半戦を4位で終えたとはいえ、首位と「2.5」ゲーム差で、オールスター明けの後半戦を迎えたがオリックスとの3連戦に3連敗。終わってみれば、69勝73敗1分の5位だった。

 今季はオールスター明け最初のカードとなったソフトバンクとの3連戦に3連勝し貯金を今季最多の「13」とし、オリックスとのマッチレースになると思われた。8月最初の3連戦となった日本ハム戦に1勝2敗で負け越すと、ここから3カード連続で負け越し。8月15日からの下位に低迷する日本ハムとの3連戦に3連敗を喫するなど、8月は11勝15敗1分と、結果的に夏場に勝てず、9月も7勝16敗と大きく負け越し、オリックスのリーグ3連覇を許した。

 さらに9月19日のオリックス戦から26日の日本ハム戦にかけて7連敗を喫し、最大13あった貯金はなくなり借金生活、4位にも転落した。チーム状況としては最悪だったが、9月30日の西武戦に石川慎吾の適時二塁打でサヨナラ勝ちで勝利すると、ここから6勝2敗と勝ち越した。

 その中でも、9月30日の西武戦では4−4の9回一死満塁、鈴木将平に2ボール0ストライクという場面で守護神・益田直也の後を受けて登板した坂本光士郎が、「すごく大事な場面だったので、どうにかゼロに抑えられたらなと思っていました」と、鈴木、外崎修汰を連続三振に抑えたことも、チームが再び上昇気流に乗ったきっかけのひとつだろう。

 今季も含めてだがここ数年、ポイントとなる試合を落とすことが多かった中で、シーズン最終盤の絶対に負けられない試合に勝利したことは、チームにとっても非常に大きい。

 2位で本拠地開催を決めたとはいえ、繰り返されるチームとしての好不調の波の大きさ、安田と山口が規定打席に到達したが、シーズントータルで見ると“期待の若手”を卒業した野手がいなかったことなど、チームとしての課題点はある。主力に故障者が相次いだ中で7月までの戦いを考えれば、本来ならもっと早くにCS進出を決めなければならなかったし、シーズン最終盤までオリックスと優勝争いをしなければいけなかった。ここ数年の課題を解決できなかったという部分に関しては、来季こそ克服しなければ、2025年の常勝軍団も見えてこない。

 少し厳しい言葉が続いてしまったが、最大13あった貯金が2まで減りながらも、なんとかCSを本拠地開催となる2位で迎えられることは良かった。14日から始まるクライマックスシリーズも、マリーンズの意地、プライドを見せて、まずはファーストステージを勝ち抜きたい。

文=岩下雄太

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  • 2位と3位を分けたのは、毛差の勝率。ちなみに割・分・厘・毛の下は糸だっけ。
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