レクサス、ル・マン初参戦へ。GTWCヨーロッパ王者のASPがブランドスイッチとWEC挑戦を正式発表

　国内外で累計50を超えるシリーズタイトルを獲得してきたフランスの“強豪”GTチームであるアコーディスASPチームは10月24日、ソーシャルメディアでGT3ブランドのスイッチと2024年WEC世界耐久選手権への挑戦をアナウンスした。

■2台体制でLMGT3クラスに参戦へ

　世界トップレベルのGT3チャンピオンシップであるファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ（GTWCヨーロッパ）でメルセデスAMG GT3エボを走らせ2022年から2連覇を飾り、この2023年シーズンもメルセデスAMGとともにシリーズの総合王者、ならびにエンデュランスカップ王者のダブルタイトルを獲得したアコーディスASPチーム。

　ジェローム・ポリカン率いる同チームは来年25周年を迎えるが、その記念すべきアニバーサリーイヤーに新しいマシンを導入し、新たなチャプター（章）を開始しようとしている。四半世紀の間にルノー、ポルシェ、フェラーリ、そして現在のメルセデスという4つの自動車メーカーとコラボレーションしてきたASPは、レクサスとパートナーシップを結びWECの新GTカテゴリーに挑戦する。彼らは来年の世界選手権に新設されるLMGT3クラスに計2台のレクサスRC Fを送り込む計画だ。

　既報のとおり、2024年のWECはLMP2クラスが廃止されハイパーカーとLMGT3の2クラス制となるが、これまでのGTEカテゴリーからGT3車両で争われることになる後者には、ハイパーカー以上に多くの自動車メーカーから熱い視線が注がれている。

　その影響もあってかシリーズの共同主催者であるACOフランス西部乗車クラブは現時点で、どのメーカーがLMGT3クラスのグリッドを得られるのかを明らかにしていない。しかし、トップカテゴリーに参加しているメーカーやブランドには各社2台までの参戦枠に“優先権”が与えられることがピエール・フィヨンACO会長によって明言されていることから、レクサスは少なくとも1台以上の出場が認められるものと考えられる。これはTOYOTA GAZOO Racingがハイパーカークラスにコミットしているためだ。

■ドライバーラインアップは後日発表

　レクサスでのWECならびにル・マン24時間初出場を目指すASPチームは、10月24日（火）から25日（水）にかけて、ポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われるグッドイヤーのLMGT3テストに参加している。

　ここではIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスでRC F GT3を駆りシリーズチャンピオンとなったジャック・ホークスワースと、現トヨタ・ハイパーカードライバーのホセ-マリア・ロペスの2名がテストドライブを担当することになっているものの、今後のプログラムで実際にレクサスのGT3カーをドライブするのはこの両名ではない可能性もある。チームはドライバーラインアップについて今後数週間以内のアナウンスを予定している。

　なお、ポリカンは以前WECに参戦することになった場合に、GTWCヨーロッパでの活動を一時的に休止する可能性を示唆したが、今回の発表ではその点には触れられていない。