タイトル争う宮田莉朋、リアム・ローソン、野尻智紀が会見「待ちに待った2日間」「F1がアドバンテージになるとは思わない」

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2023年10月27日 14:50  AUTOSPORT web

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金曜記者会見に臨んだリアム・ローソン、宮田莉朋、野尻智紀
 10月27日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第8・9戦を前にした三重県の鈴鹿サーキットで、ドライバーズランキング・トップ3選手によるイベント前記者会見が行われ、自力タイトルの可能性を残す宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、野尻智紀(TEAM MUGEN)の3選手が、週末のタイトル決戦に向けた豊富などを語った。

 前戦モビリティリゾートもてぎから約2カ月、いよいよ“日本一速い男決定戦”が行われる。ランキングリーダーの宮田は94ポイント、2位ローソンは86ポイント、3位野尻は84ポイントを手にして臨む鈴鹿戦は、土曜・日曜にそれぞれ予選・決勝が行われ、最大46ポイントを獲得することが可能だ。野尻にとっては3連覇、ローソンにとっては参戦初年度での王座獲得、そして宮田にとっては初のSF、そしてスーパーGT・GT500とのWタイトルがかかる週末となる。

 タイトル決戦を前にした3選手の記者会見でのコメントを、以下抜粋してお伝えする。

■宮田莉朋/ランキング1位(94ポイント)

「こんなシーズンを送れると思っていなかったので、正直、いい意味で想像とは違ったシーズンを過ごせているかなと思っています。ただ、ライバルはTEAM MUGENのふたりなので、結構手強いですが、自分たちチームTOM'S、TGR(トヨタ・ガズー・レーシング)一丸となってレースをして、良い結果を残して……そのオマケじゃないですけど、チャンピオン獲れれば理想ですし、負けたら負けたで仕方ないと思うし、100%のレースをするだけです」

「あとは今年ここまで、WEC帯同だったりとか、いろいろと忙しいなかでもチームやTGRが支えてくださったので、そういった方々に感謝したいと思います」

──前回のもてぎ戦からは2カ月という長いインターバルがあった。今週に向けてはどう準備してきたか?

「準備……何もしてないですね(笑)。先々週、スーパーGTのオートポリスがあって、そのときからチームのファクトリーに行って、GTのことを考えなくてはいけないのに『SFどうしましょう』って話をしていて」

「今回は2レース制ですし、2カ月空いたので、そもそもSFってどんな景色だったっけなって。だいたい1カ月のスパンでやっていると、レースの流れとか、プラクティス、予選、決勝という流れを自分のなかでコントロールできる部分はあるのですが、久々のSFで開幕以来の2レース制なので、臨み方もだいぶ忘れているというか。だから特別なことはできていなくて、『どうやってやろうかなぁ』って。何もしてないですが……みんなと笑ってご飯食べました(笑)」

■リアム・ローソン/ランキング2位(86ポイント)

「スタートは力強かったけど、僕自身もアップダウンの多いシーズンだった。振り返ると、とても勉強になるシーズンだった。ほとんどが経験のないサーキットで、習得の一年だったね。すべてはチームや外部からのサポートがあってこそ、このタイトルを争えるポジションにいる。今週末もベストを尽くしたい」

──前回のもてぎ戦からは2カ月という長いインターバルがあった。今週に向けてはどう準備してきたか?

「僕に関しては、前回のレースのあとも(F1で)いっぱいドライビングはしている。別のクルマだけどね。そこは久しぶりではないところ。だけど、スーパーフォーミュラとはだいぶ違うものだ。まずはもう一度、スーパーフォーミュラのクルマにアジャストするのが、最初のステップになる。2レース制だけど、たくさん運転しているから、フィジカルの面ではしっかりできている」

──この数週間でF1にもたくさん乗り、来年のポジションも決まった。プレッシャーのない今週末を迎えるのではと思うが、いまの気持ちは?

「変わらないと思う。もちろんたくさんのレースをしてきたけど、僕の将来にとっては、この週末の結果は重要だと思っている。来年のポジションが決まっているからといってプレッシャーが多いとか少ないとかはないし、個人的な将来を考えるとここでのチャンピオンシップ獲得を求めているし、この間のもてぎで走ったときと気持ちは変わらない」

「レッドブルからのプレッシャーは相変わらずある。今週末の結果を彼らはじっくり見ているから結果は出したいと思っているし、F1が決まっている・決まっていないからというのではなく、このチャンピオンシップを獲得したいから、プレッシャーはあると思っている」

──F1での経験はかなりのアドバンテージになるのでは?

「いや、大きなアドバンテージになるとは思っていない。もちろん、3週間前に鈴鹿を走ったのはいいことだけど、ここ鈴鹿は他のドライバーもよく走っている場所だし、クルマは本当にまったく違うものなんだ。タイムは5〜6秒の差で大きく違わないけど、フィーリングは大きく違うからアドバンテージとはいえない。F1に乗るときも、慣れるまで時間がかかった。今週末に関しては、今日のプラクティスでSFのマシンに対して大きなアジャストが必要だ」

■野尻智紀/ランキング3位(84ポイント)

「今年はいろんな状況のなかで……例にあげるとここ鈴鹿で大湯都史樹選手とクラッシュがあたり、そのあとは病気で欠場したり、アップダウンがそれなりに大きかったシーズンかなぁと思っています」

「前戦もてぎでなんとかタイトル争いにカムバックできたかなと思うので、今週は彼らふたりにもそうですけど、“3連覇”に挑戦できる喜びがありますし、なんとか自分の目標に向かって、100%の力を出し切りたいと思っています」

──前回のもてぎ戦からは2カ月という長いインターバルがあった。今週に向けてはどう準備してきたか?

「確かに時間はあったのですが、GTもありましたし……そういったなかで今週に向けてなにが必要かというのは考えて、自分の中で準備はしてきたつもりではいます。ドライビングに関しては、今日の90分のセッションで最終的な詰めはやるとして、今年、僕のドライビングはちょこちょことミスが多かった。気持ちが先走るというか、アツくなりすぎるとミスにつながってしまうのもありますし、そういったところも含め、自分は追う側の立場なので、常に落ち着いた心とハングリーさ、これがいまの僕にとって重要なことだと思いますし、それがレースのなかで表現できるといいのかなと思います。自信はあります、っていう感じです」

──1年前は逃げる立場。今回は追いかける立場。心境の違いは?

「……そうですね、すごい楽っすね(笑)。正直、楽しくなかったですもん、去年とか。今週はレースに向かうのが楽しみだし、『早くこの2日間がやってこないかな』ってずっと思っていました。どんなレースができるかはまた別ですけど、人生のなかでも待ちに待った2日間だと思っていて、とにかく楽しみです」

──他のふたりの選手の印象は。

「もちろん全員にチャンスがあるし、みんなそれだけの速さを持ったドライバーばかりだと思いますが、いま隣にいるふたりに勝ったときにはすごく興奮ところですし、今週もなんとか彼らふたりに勝ちたいですね」

「リアムは言うまでもなく、いきなりのF1で素晴らしい走りをした選手で、僕個人的にはF1シートを得るべき人間なんだろうなと思いますし、宮田選手も、僕が言うと偉そうに聞こえるかもしれませんが、速いし強いし、世界のトップで戦えるような選手だと思うので、思いっきり力と力でぶつかっていきたいなと思います」

「TEAM MUGENで5勝していますけど……リアムとは一応まだ友達でいるかなと思うので(笑)。まぁこの2日間はどうなるか分からないですけど、もし何かあってもレースが終わったら仲直りできたら嬉しいなと思いますし、お互いにベストを尽くして、最後にみんなで握手ができればいいと思います」

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