最年少王者ロバンペラがWRC連覇! フィンランド人ではマキネン以来24年ぶり、CER初優勝はヌービル

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2023年10月29日 21:30  AUTOSPORT web

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最終戦ラリージャパンを前にシリーズ2連覇を確定させたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
 10月29日、WRC世界ラリー選手権の2023年シーズン第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』は競技4日目のデイ4が行われ、前日に首位に復帰したヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が、そのまま順位を守り総合優勝を飾った。

 ランキング首位で今大会を迎え、競技2日目には総合トップに立ったカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、選手権を争うライバルが戦列を離れたあとは“完走重視”の走りに切り替え総合2番手の順位をキープ。競技最終日も2位でフィニッシュし、史上最年少でタイトルを獲得した2022年に続くシリーズ連覇を確定させている。

■史上初ドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国開催

 3年ぶりにWRCイベントが行われるドイツと、シリーズ初年度の1973年以来50年ぶりの開催となるオーストリア、そしてWRC初開催のチェコという3カ国を跨ぐシリーズ初の試みとして、10月26日(木)から29日(日)にかけて行われたセントラル・ヨーロピアン・ラリー。すべての選手、チームにとって初めてのイベントであると同時に雨絡みのラリーとなったことで、とくに前半2日間は滑りやすいターマック(舗装路)に苦戦する声が多く聞かれた。

 そんなCERはドイツ南東部のパッサウに置かれたサービスパークを拠点に、デイ1とデイ2はチェコ国内でスペシャルステージ(SS)が行われた。デイ3の競技はオーストリアとドイツで。今大会中、唯一朝からドライコンディションとなった4日目もオーストリアとドイツの両国でそれぞれステージ1本が設定され、それらを各2回走行するアイテナリーとなった。

 記念すべきCER最初のウイナーとなったヌービルは、木曜のSS2でベストタイムを刻み、総合首位でラリー初日を終える。翌日のデイ2はロバンペラのスピードに太刀打ちできず総合2番手に順位を下げたが、3日目の午前中にふたたびラリーリーダーとなる。これはロバンペラとチャンピオンシップを争うエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がSS11でクラッシュを喫したのを機に、23歳の現チャンピオンが今戦でのタイトル獲得を確実なものとするべく意図的にペースを落としたことが影響している。

 総合2番手につけるライバルのペースダウンは自然とヌービルを助けるものとなり、これによりベルギー人のペアもリスクを避けた走りが可能に。デイ4はペースをコントロールしつつ確実に歩みを進め、最終的に57.6秒の貯金を残してフィニッシュ。第6戦ラリー・イタリア・サルディニア以来、6戦ぶりのシーズン2勝目をマークした。

■今年も“チャンピオン”としてラリージャパンへ

 CERでポルトガル、エストニア、ギリシャに続く今季4勝目を飾るポテンシャルを見せながら方針転換により確実性を取ったロバンペラは、得意のパワーステージでも持ち前のスピードを“封印”して総合2位でフィニッシュ。

 この結果、シリーズ連覇を狙う現王者とランキング2位につけるエバンスのポイント差が最終戦での逆転が不可能な域に達したため、自動的にロバンペラのドライバーズタイトル獲得が確定した。フィンランド人ドライバーによるシリーズ連覇は、1996年から4連覇を果たしたトミ・マキネン(ミツビシ)以来24年ぶり。トヨタドライバーの連覇は2020年と21年に王者となったセバスチャン・オジエ以来2年ぶりだ。

 デイ3終了時に31.1秒差に近づいたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)とオジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)による表彰台争いは、Mスポーツのタナクに軍配が上がった。通算8度のチャンピオンは今朝のSS15とその再走ステージであるSS17でステージウインを記録したが、最後は15.8秒及ばず。ホイールにダメージを負ったSS3でアクシデントが最後まで響いたかたちだ。

 デイ3の午後からペースアップに成功しこのデイ4もステージ3番手と2番手、パワーステージでも4番手タイムを刻みボーナスポイントを手に入れた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)を振り切っての総合5位入賞を果たした。ラリー1デビュー2戦目のグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が総合7位、僚友のピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は8番手からふたつポジションダウン。彼に代わってアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)が総合8位に入った。次戦ラリージャパンでプーマ・ラリー1を駆るフルモーはRC2カテゴリーを制している。WRC2クラスのウイナーは総合9位に入ったニコラ・シアマン(シュコダ・ファビアRSラリー2)だ。

 前戦チリでのマニュファクチャラーズタイトルに続いてドライバーとコドライバーのシリーズチャンピオンも決定し、さらにはWRC2クラスでアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)の2年ぶり2度目のシリーズ制覇が確定した2023年のWRCは、次戦日本ラウンドでフィナーレを迎える。最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン』の開催日は11月16〜19日だ。

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