新型「スペーシア」の特徴は? カスタムの顔、どう変えた? スズキに聞く

2

2023年11月10日 07:51  マイナビニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
スズキが「スペーシア/スペーシアカスタム」をフルモデルチェンジして発売する。スズキの国内販売でトップの台数を誇る人気車種だが、今回の改良では何が変わったのか。購入を検討する人はどこに注目すべきなのか。開発陣の1人に話を聞いた。


○後席で快適に過ごせる軽自動車?



――スペーシアのフルモデルチェンジにあたっては、ユーザーさんへのインタビュー調査から企画を始めたそうですね。



スズキ 四輪商品第一部 アシスタントCE 係長の海野赳久さん:今回はお客様と一緒にクルマに乗らせてもらったりもして、実際の使い方を調査しました。普段の使い方を見ることで、困りごとやニーズに気づいたりすることもありますので。例えば後席への荷物の載せ方を見て、もう少しきれいに整理できるような方法がないかなと考えたりもしました。



――新型スペーシアはスズキ初となる新規装備「マルチユースフラップ」を採用しています。オットマンのように使えるのが軽自動車の装備としては新鮮でした。



海野さん:例えば、お子さんの塾の送り迎えにクルマを使う場合、クルマの中で待つ時間が発生すると思うんですが、そんな時に後席でちょっとくつろいでもらったりするような使い方もあると思います。後席で使うパーソナルテーブルも刷新しまして、タブレットを立てかけやすくするストッパーを入れたりもしました。


――テーブルはドリンクホルダーの数を従来の2つから1つに減らして平らな面を広げたそうですね。



海野さん:これまでは小型車と共用の部品だったのでドリンクホルダーが左右に各2つずつ(計4つ)付いていました。ただ、軽自動車は4人乗りなので、2つとしました。そのぶん、テーブルとして使える面積を広げています。ドリンクホルダーの形状も見直しまして、紙パックのジュースや、小さなお子様が使う取っ手付きのマグカップなんかも収まるようになっています。


――後席に荷物を積む際の使い勝手や利便性については何か変わりましたか?



海野さん:スペースについては、高さ方向に約45mm広くなっています。

○カスタムの顔がおとなしめに!



――今回のデザインはテーマが「コンテナ」ですね。これであれば、アウトドアやレジャーのギアを積んで出かけたいという人にも訴求できそうです。広さとか荷物がたくさん積めることが視覚的にも伝わってきていいと思います。


――ただ、コンテナと聞くと、なんとなく現行型スペーシアの商用車バージョン「スペーシアベース」を思い出してします。スペーシアベースも新型スペーシアをベースにして作り直すんですか?



海野さん:商品計画についてははっきりと言えないところもあるんですが、現時点では、現行のスペーシアベースはこのまま作り続けていく予定です。


――なるほど。新型スペーシアを発売する一方で、スペーシアベースについては現行型スペーシアをベースにして作り続けていくということですね。そうすると、2酒類のスペーシアを作り続けていく必要が出てくるので、生産的には大変そうですね。



海野さん:それは……ないことはないですね。



――まあ、私が心配することではないかもしれませんが(笑)。



それと、今回の新型スペーシアカスタムは、現行型カスタムと比べると顔の印象が穏やかになりましたね。いわゆる「オラオラ感」が少なくなった感じです。ホンダの「N-BOX」もそういう方向でフルモデルチェンジをしていたのですが、オラオラ顔はトレンドではなくなりつつあるのでしょうか?

海野さん:どちらかというと「上質感」とか「華やかさ」といったようなところを意識しています。存在感ももちろん大事でして、現行型スペーシアカスタムはおっしゃる通り、けっこうギラギラしているとは思うんですが、そこは少し抑えつつ、上質さを持たせたいと考えました。メッキも、華やかでちょっと重厚感もあるような方向性にしました。


――メッキも「全面的に銀色!」という感じではなくなっていますよね。ちなみにスペーシアでは標準タイプとカスタムのどちらが売れているんですか?



海野さん:大体、半々です。



――ユーザーさんは子育て世代のお母さんみたいな方が多いと思うんですけど、そういった層にはカスタムよりも標準タイプが好まれる?



海野さん:そういう傾向はあります。



ただ、軽スーパーハイトワゴンはセカンドカーではなくファーストカーとして乗る方も増えているジャンルで、そうなるとご年配の方から若い方までさまざまなユーザーさんにお乗り頂くことになります。それもありますので、カスタムも用意して、より幅広いお客様に選んでいただきたいという思いがあります。



――標準タイプとカスタムでは、ボディカラーのラインアップも全く違いますね。標準タイプは新色「ミモザイエローパールメタリック」もあってポップなカラーパレットになっていますが、カスタムはシブい品ぞろえです。



海野さん:カスタムは白とか黒がよく売れています。世界観の全く違う色を合わせても、選んでいただけないのかなと思っています。


○作り手の推しポイントは?



――いろいろと聞いてきましたが、作った人として、新型スペーシアの推しポイントはどこだと言いたいですか? たくさんあると思いますが、あえて挙げるとすれば。



海野さん:売りとして一番推したいのは、後席の快適面ですかね。マルチユースフラップを付けましたし、テーブルの形状も変わりましたし、USBポートも充実させて、静粛性を高めたスリムサーキュレーターも採用しました。後ろで快適に過ごせるところが新型のポイントです。



あとは安全面。各種機能の性能が上がっていますし、ACCの使いやすさも向上しました。



まだまだあるのですが、助手席の前にあるビッグオープントレーも便利に使っていただけると思います。ここで食事をしたり、書き物ができたりするサイズにもこだわりました。


――これから、軽スーパーハイトワゴン同士での乗り換えが増えていくというのがスズキさんの見立てのようですが、ちょうど今はホンダ「N-BOX」もフルモデルチェンジしたばかりですよね。前のモデルチェンジのタイミングも、N-BOXと重なっていたんですか?



海野さん:ちょうど、そうなんですよね。



――乗り換えを検討しているN-BOXユーザーにも、新型スペーシアに試しに一度は乗ってみてほしいと強く言いたいという思いはありますか?



海野さん:それは、ありますね(笑)。(藤田真吾)

このニュースに関するつぶやき

  • 東武とコラボしろ
    • イイネ!3
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定