櫻井海音、ダークな作品『泥濘の食卓』出演に喜び「やっとやれる!」【連載PERSON】

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2023年11月11日 10:01  TVerプラス

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON〜人生を変えたテレビ番組」。今回は、日向坂46・齊藤京子さんが主演を務める土曜ナイトドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日系、毎週土曜23:30〜)で齊藤さん演じる主人公・捻木深愛(ねじき・みあ)に思いを寄せる那須川ハルキ役・櫻井海音さんが登場します。

2020年のNHK連続テレビ小説『エール』で俳優デビューを果たした櫻井さん。それ以降、『逃げるは恥だが役に立つ』『ナイト・ドクター』『未来への10カウント』など話題作に立て続けに出演し、人気を集めています。最近では『VIVANT』で若かりし頃の乃木憂助(堺雅人)を演じたことでも注目されました。

そんな櫻井さんがハルキ役で出演する『泥濘の食卓』は、2016年に「悪い夢だといいのにな」で「第75回ちばてつや賞」の大賞に輝いた伊奈子さんが手掛ける同名漫画が原作。純粋すぎる愛を持つ深愛の思いが、不倫相手の家庭に寄生していき、やがて泥濘へと引きずり込んでいく、異色の“パラサイト不倫”ストーリーです。

深愛に思いを寄せつつも、実は深愛の不倫相手であるスーパーの店長の息子でもあるハルキ。さらに、幼馴染・尾崎ちふゆ(原菜乃華)から異常な恋愛感情を向けられているというキャラクターでもあります。櫻井さんはそんなハルキという人物をどう捉え演じたのでしょうか?

ハルキの愛も「普通じゃない」

――最初に作品に触れた際の印象を聞かせてください。

台本の前にまず原作を読んだのですが、ストーリーがめちゃくちゃ面白い! すぐに引き込まれました。キャラクター一人ひとりの個性……いや、“癖”がすごすぎて(笑)。そういった意味で、最初は「面白い! 楽しい!」という気持ちで読み進めていたのですが、だんだんと気持ちが沈んでいって……これがタイトルにある「泥濘」かと。気持ちがどんどん引っ張られていって、それほど作品の持つパワーが強いのだと感じました。

――ハルキという役は、これまで櫻井さんが演じてこなかったタイプだと思います。オファーを受ける際にプレッシャーはなかったですか?

プレッシャーなんてまったく! 早く演じたいと思うほど楽しみでした。これまでキラキラした作品・役が多かった分、こういったダークな要素を持つ作品にずっと興味がありました。その役柄を演じられるという喜び・楽しみの方が大きかったですね。

――演じる那須川ハルキは、櫻井さんにどういう人物に映りましたか?

最初に見た時は、一番まともだと思いました。ですが、台詞を覚えたり台本を読み込んでいくにつれ「ハルキもヤバいなぁ」と(笑)。年齢が若いからだとは思うのですが、幼馴染に手を上げてしまうなど、行動や考え方が悪い方悪い方へと進んでいってしまうところを見ていると、ハルキも泥濘にハマっていく一人なんだなと思いました。

――深愛と店長が不倫という形をとっている分、ハルキの深愛への思いはすごく純粋に見えます。演じる上で意識していることは?

僕は、ハルキの深愛への思いも“普通じゃない”と思っています。父親の不倫相手だとわかってもなお好きって、相当じゃないですか。普通は知った瞬間に憎しみや負の感情が深愛にも向くと思うのですが、ハルキはそれでも真っすぐに深愛を追い続けている。周りの環境がひどすぎて、深愛しか拠り所がないというのが原因だとはわかっているのですが、それでもハルキが深愛に向ける愛も普通じゃないと感じます。

――深愛を思う側でもありながら、幼馴染のちふゆから好意を向けられているハルキ。深愛の前とはまったく違う表情を見せることになりますが、この表現で意識していることは?

ちふゆとのシーンに関しては、ちふゆに全て任せようと思っています。ハルキがちふゆのやばさにどんどん押されていくのがシーンの肝になると思うので、僕がいかにちふゆの芝居を受けられるかなので、ちふゆとのシーンに関しては、僕からどうアクションを取るかなどはあまり考えていないです。

――ちなみに櫻井さんは、恋愛に関して追うタイプ? 待つタイプ?

ハルキと一緒で、追うタイプです! あそこまで執着はしないですけどね。友達だと思っていた人に告白されたら少し引いてしまうという部分も同じなので、恋愛観に関してはハルキと似ているんじゃないかなぁ。

――ハルキは学校・家庭に居場所がなく、深愛に「見つけてもらえた」と感じて惹かれ始めます。このハルキの心情にも共感はできますか?

自分がそういう境遇に立ったことがないので100%共感はできないのですが、ハルキと同じ立場にいたら、深愛はすごく輝いて見えるんだろうなと思います。

『未来への10カウント』座長・木村拓哉の姿に憧れ

――ここからは、櫻井さんとテレビの関わりについて聞かせてください。櫻井さんが影響を受けたテレビ番組はありますか?

「影響を受けた」と言えるものにはまだ出会えていませんが、好きな番組はたくさんあります。小さい頃からよく見ているのは、『水曜どうでしょう』。最近はかまいたちさんが好きで『かまいたちの掟』をよく見ています。ローカルバラエティが好きです。

――『かまいたちの掟』の他に、今見ているオススメの番組は?

『VIVANT』ですね(笑)。出演していることもあって、しっかり毎週チェックしています。ドラマもよく見ていて、最近は『あなたがしてくれなくても』『だが、情熱はある』などを見ました。

――自身の出演作もしっかり見ているんですね! これまで共演した方々の中で、刺激を受けた人はいますか?

『未来への10カウント』でご一緒させていただいた、木村拓哉さんです。作品全体を俯瞰で見ていて、座長として引っ張っていく姿、立ち振る舞いには憧れました。ちょうどこのスタジオ(テレビ朝日)で収録していたので、先ほど現場に入った瞬間に当時のことを思い出して懐かしくなりました。

――最後に、『泥濘の食卓』の放送を楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

恐らくですが、この作品を見て共感・感情移入することは難しいと思います。なので、単純にエンタメ作品として見て、楽しんでいただきたいですね。不倫している主人公を現役のアイドルの方が演じるというのも注目ポイントだと思うので、是非期待してください。

取材・文:米田果織
撮影:フジタヒデ
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