【漫画】ボロボロになって初めてわかった母親の優しさーーSNS漫画『お母さんに救われた話』があたたかい

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2023年11月16日 10:11  リアルサウンド

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漫画『ボロボロで帰省したとき、お母さんに救われた話』より

 ひとくちに「家族」といっても、さまざまな形がある。けれど、多くの人がふとした瞬間にその大切さに気づかされるもので、「傷ついたときにも安心して帰れる場所」があるのは、何より幸せなことかもしれない。9月下旬にX(旧Twitter)上で公開されたエッセイ漫画『ボロボロで帰省したとき、お母さんに救われた話』は、大きな事件やドラマこそ起こらないが、じわりとあたたかい気持ちにさせてくれる作品だ。


(参考:漫画『ボロボロで帰省したとき、お母さんに救われた話』を読む


 本作を手掛けたのは、専業漫画家を目指して奮闘中だという望月哲門さん(@Tetsuto1319)。最も影響を受けた作品の一つとして『ちびまる子ちゃん』(集英社)を挙げ、「さくらももこ先生は、エッセイ漫画やオリジナル作品、エッセイなど活動の範囲が幅広く、自分もそういう活動ができればと思っています」と語るが、確かにそのエッセンスは本作にも活きているように感じられる。


 そんな望月さんに、胸が温かくなり、誰かに優しくしたいと思わせてくれる本作を制作した経緯など話を聞いた。(望月悠木)


■母親が読んだ時の反応は?


――今回『ボロボロで帰省したとき、お母さんに救われた話』を制作しようと思った時の状況を教えてください。


望月:私は札幌出身なのですが、当時は東京で1人暮らしをしていました。ある時、帰省した際の母親とのあるやりとりを思い出して、メディアプラットフォーム『note』で文章でのエッセイを書きました。それからふと「このエッセイをマンガにしてみたらどうだろう?」と思い、漫画にした作品です。


――描いている最中はどのようなことを考えていましたか?


望月:「母親への感謝」みたいなことが入っている漫画なので、若干照れくさい気持ちもありました。ただ、基本的には「どうやったらより読み手にとって面白く伝わりやすくできるのか」ということを考えて制作しました。


――ちなみに、本作は望月さんのお母さんには見せましたか?


望月:はい、見せました。少し自慢げにしていました。喜んでいたと思います。


■エッセイ漫画にする基準とは


――エッセイ漫画と、オリジナル漫画を描く際の苦労や楽しさの違いを教えてください。


望月:個人的にはエッセイ漫画のほうが、実際に起きたことや感じたことを「どう面白く演出するか」にフォーカスすれば良いので楽です。一方、オリジナル漫画の場合、キャラや展開などを組み込むのが大変です。とはいえ、そういった苦労がある分、作品として形になった時は嬉しいです。


――エッセイ漫画を描く際、特に気を付けていることは?


望月:エッセイ漫画はある意味、なんでも自分の主観で一方的に好きなように描けます。強く何かを断定する刺激的なものはバズりやすいですが、その一方で誰かを傷つける可能性を含んでおり、加えて消費されるスピードも早いです。「誰も傷つけない」ということは創作するうえでは難しいですが、なるべくバランスを取る努力はしたいと思っています。


――「この体験はエッセイ漫画にしたほうが良いかも」という基準などはあるのですか?


望月:基準は“読者としての自分が「面白い」と思うかどうか”です。ネタは単純に自分が普段思っていることか、強く覚えているエピソードを題材にしています。ただ、制作する中で「やっぱりこれいけるな」と思えばそのまま完成させ、「思ったよりつまんないな」と思ったらボツにしています。自分の場合は「まず描いてみないとわからない」という部分が大きいです。


――今後望月さんはどのように漫画制作に取り組んでいきますか?


望月:直近の目標はSNSでエッセイマンガを書き溜めて、それを書籍化することです。周りの漫画家の友達がドンドン本を出しているので、焦ってます(笑)。エッセイ漫画の他にもオリジナルストーリーの短編なども描いていきたいです。あと案件漫画も待っています!


(取材・文=望月悠木)


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