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半年前、義父が80歳で亡くなり、義実家には77歳の義母がひとり残されてしまいました。義母は健康に気をつけ、運動なども続けており、77歳にしては元気なほうです。同じ市内に住んでいるので、夫がたまにお茶のみがてら話し相手をしに行きます。
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15年前、義兄夫婦が同じ市内に新しく家を建てるとき。義実家に、義兄夫婦と私たち夫婦が呼び出されました。
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義父は通帳を取り出し、私たちに見せたのです。かなりの大金です。義兄夫婦も私たちも思わず息をのみます。「え!? こんなに……!?」
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「ケンジには援助できないの、ごめんなさいね。でもそのかわり、老後は一切迷惑をかけないから」「ああ……うん、わかったよ」義父は、「跡取りは長男」という考えが強いようです。
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「もちろん! お金なんてなくても、長男の俺が面倒をみるつもりだったし」義兄は元々そのつもりでいたようで、私たちも異論はありませんでした。たしかにあの大金は魅力的ですが、それよりも「将来の面倒は不要」と約束してもらえるほうが私は嬉しかったのです。義両親との仲は悪いわけではありません。しかし面倒をみるとなると責任が伴います。その責任から解放されることに、私は安心感を覚えました。
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15年前の約束は、このようなやりとりで決まりました。義父が亡くなり義母がひとり暮らしになった今こそ、約束が活かされるタイミングなのではないでしょうか。
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義父の通帳に記されていた数字はかなりの大金で、その場にいた私たち夫婦も思わず息をのみました。受け取った義兄夫婦はきっと、そのときに義実家の老後の面倒をみる覚悟を決めたのでしょう。義母は近いうちに義兄の家で同居をはじめるかもしれません。私も引っ越しの手伝いなど自分ができることは協力を惜しまないつもりです。
【第2話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子