何か悪い知らせのようです。ソワソワしながら電話が終わるのを待ちます。夫は電話を切ると、深いため息をつきながら言いました。
援助のお金と引き換えに交わした約束を、今になって破るなんて。私は驚きのあまり声が裏返ってしまいます。
夫になだめられて少し落ち着きましたが、それでも激しい怒りや苛立ちがなかなか消えません。
「どうするの? うちは1円も受け取ってないのに、お義母さんのお世話だけ押し付けられるの? お義兄さんたちは大金を受け取ったのにツラいことから逃げてホクホクで? そんなの納得できない……!」すると夫は淡々とした表情で首を振りました。
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お金を返してもらえるのならわが家でも対応できそうです。あのお金で、この家を増築して義母の住むスペースを作ってもいいし、うちから近い高齢者向けのマンションを探してもいいし……。お義母さんは穏やかで語り口調も優しく、今までとくにトラブルなどはありません。一緒に暮らせば多少は居心地が悪い瞬間もあるかもしれませんが、義兄たちがもらった援助をうちがもらえるとしたらとても大きな金額です。「これを使って老後の世話をしてください」と言われれば、いろいろ手はあります。
お金の件さえきちんとしてくれれば老後の面倒をみることになっても別に構いません。お金があればいくらでも解決方法はあるでしょう。さっそく夫から義兄に話してもらおうと思います。夫が冷静でよかったです。「お金なんて要らない、世話になった母親なんだから無償で介護しなくちゃ!」などと脳内お花畑なことを言い出さない人でとても助かりました。
【第3話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子