菅野美穂ら「40才以上のヒロイン」が豊作、没入型の秋ドラマに共通する「大人ならではの共感」

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2023年11月23日 19:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

左から、篠原涼子、板谷由夏、小池栄子、菅野美穂

「一昨年くらいから、40代以上の女性が主人公を演じるドラマが増えてきたように思います。今クールは特に多い印象ですね」

 と、ドラマに精通するライターの田幸和歌子さん。大人ヒロインの作品が豊作な秋ドラマの中から、ヒロインと年齢の近い方が多い読者のみなさんに激推しの作品をご紹介します!!

“ダメ男”が登場するドラマ

 まずは、小池栄子が主人公の万里江を演じるドラマ『コタツがない家』。熟年離婚されたうえに投資詐欺にあった父、屈折ニートの夫、反抗的な息子を支える一家の大黒柱で、ウェディングプランナーの万里江を好演している。

小池さん、意外なことに今作が民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ初主演なんです。脚本の金子茂樹さんはダメ男を書くのがすごく上手な方。ドラマ『俺の話は長い』などで描いてきた主人公のダメ男を支える懐の深い、しっかり者の女性という、視聴者が共感をおぼえる脇役をヒロインにしたのが『コタツがない家』です。父、夫、息子の3人のダメ男に振り回されながらも、彼らのちょっとした言動に感動して涙するピュアな万里江を見るとほっこりする。なかには“私の状況ほうがまだマシ”と思いながらドラマをご覧になっている方もいるかもしれません(笑)」(田幸さん)

 “ダメ男”が登場するドラマといえば、菅野美穂が自宅で刺繍教室を開く平凡な主婦・ゆりあを演じる木曜ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』。ホテルで倒れ、昏睡状態になった夫に彼氏と彼女、そして隠し子がいることが発覚。意識が戻らない夫を愛人たちと自宅で介護することになる。

とても正気ではいられないような、ありえないシチュエーションの中、情が深く、誰も見捨てない、たくましさのあるゆりあというキャラクターを菅野さんは見事に消化されている。ハマり役だと思います。ゆりあに共感して腹立たしく思いながらも、彼女がブチ切れる姿なんかを見ると、つい笑ってしまうときもあって。元気をもらえるんですよね。年齢を重ねた女性が向き合うことになる“介護”問題について、ひとりで抱え込まず、周囲を巻き込んでいこうという新しいメッセージを発信している点も好感度が高いと思います」(田幸さん)

強く、カッコいい女性のドラマ

 年下男性との恋という、ゆりあの恋愛も描かれている『ゆりあ先生の赤い糸』以上に、恋愛要素を強く打ち出しているのが、篠原涼子が雑草魂の弁護士・結希凛子を演じているドラマ8『ハイエナ』。‘20年に韓国で大ヒットしたドラマの日本版としてリメイクされた。

韓国ドラマの強い女性像が篠原さんにぴったりはまるんだなと思いました。登場するだけで華を感じる篠原さんが髪をかき上げる姿は、どこか過去にご自身が演じたキャラクターをセルフパロディーしているようにも感じて(笑)。(山崎)育三郎さんが演じる頼りないお坊ちゃん弁護士・一条怜との対比がとてもいい。ときおり怜にみせる凛子の悪い顔。篠原さんって、こんな表情をするんだと新鮮でしたね。法廷で凛子が勝利する姿は、とにかくカッコよくて、爽快。別の作品でも篠原さんと育三郎さんの組み合わせを見てみたいと思わせるくらいのベストコンビです!」(田幸さん)

 カッコいい女性という共通点でいえば、板谷由夏の演じる新堂一葉が家族とともに娘の死の真相を暴いていく『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』も今クールのドラマのひとつ。

板谷さんも連ドラ初主演なんです。これまで、平凡な主人公のそばにいるカッコよくて、大人の色気があって、強い意思を感じさせる女性の役というバイプレイヤーのポジションが多かったように思います。今回は、板谷さんの持つイメージのまま、娘を失った母親を演じている。幸せな家庭のお母さんから、復讐という目的を持つ母に変わっていく演じ分けが抜群でした。先ほども言いましたが、板谷さんから感じる知性や色気、強さが復讐ドラマにすごく似合いますし、最後までやり遂げようとするひたむきな一葉を応援したくなるのだと思います」(田幸さん)

 最終話に向けてさらに盛り上がりをみせていく秋ドラマ4作。強く、美しい女性ヒロインたちからパワーをもらってください!!

水曜ドラマ『コタツがない家』
日本テレビ系、毎週水曜夜10時〜

共感度★★★★★
突き抜け度★★★
ゾクゾク度★★
痛快度★★★★

昔は売れっ子だったが今はニートの漫画家の夫(吉岡秀隆)、アイドルオーディションに落ち、将来に迷走中の反抗的な息子(作間龍斗)、熟年離婚されたうえに投資詐欺で老後の財産を失った偏屈な父(小林薫)のクセあり家族を支える一家の大黒柱で、ウェディングプランナーの深堀万里江(小池栄子)。毎話、ダメ男たちが起こすゴタゴタや、職場でのトラブルに万里江が真正面から全力で立ち向かう。

木曜ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』
テレビ朝日系、毎週木曜夜9時〜

共感度★★★
突き抜け度★★★★★
ゾクゾク度★★
痛快度★★★★

自宅で刺繍教室を開き、穏やかな幸せを味わっていた主婦・伊沢ゆりあ(菅野美穂)。ある日、夫の吾良(田中哲司)が緊急搬送されたと連絡が入る。駆けつけた病院には、夫の彼氏・箭内稟久(鈴鹿央士)が。昏睡状態の夫を自宅で稟久と介護することになったゆりあの元に夫の彼女・小山田みちる(松岡茉優)と隠し子の姉妹も登場。同居する高齢の吾良の母(三田佳子)や自由気ままな吾良の妹(宮澤エマ)にてこずるゆりあに、恋を予感させる便利屋(木戸大聖)が現れて……。

木曜ドラマ『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』
読売テレビ・日本テレビ系、毎週木曜夜11時59分〜

共感度★★
突き抜け度★★★★
ゾクゾク度★★★★★
痛快度★★★

女子高校生の梨里杏(星乃夢奈)の転落死を目撃した母・新堂一葉(板谷由夏)と父・航輔(山中崇)、姉・沙菜(渡邉理佐)、一葉の弟・五十嵐優磨(森崎ウィン)。自殺と言われた梨里杏の死の真相が、ある実業家のホームパーティーに隠されていると知った家族は、それぞれが家政婦、ヘアメイク、記者、韓国人になりすまし実業家の家に潜入する。“なりすまし一家”が、梨里杏の死の証拠を集め、実業家家族へ復讐していく。

ドラマ8『ハイエナ』
テレビ東京系、毎週金曜夜8時〜

共感度★★★
突き抜け度★★★★
ゾクゾク度★★
痛快度★★★★★

裁判に勝つためには手段を選ばない一匹狼の弁護士・結希凛子(篠原涼子)と、国内最大手の弁護士事務・S&J法律事務所の弁護士・一条怜(山崎育三郎)。家柄、学歴、収入、ルックスとすべて完璧だが、恋愛だけが苦手な怜に、ある裁判のために素性を隠し近づく凛子。見事、勝利を手にした凛子に裏切られながらも本気で恋をしてしまった怜。“ハイエナ”凛子と“エリート”怜の正反対のふたりが法曹界で生き残りをかけていく。

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