2023年の大学入学共通テストにも登場した流行語「親ガチャ」とは? 哲学による解説書が登場

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2023年11月25日 08:11  マイナビニュース

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新潮社は11月17日、哲学・倫理学を専門とする関西外国語大学准教授・戸谷洋志著『親ガチャの哲学』を刊行した。


G: すごい豪邸…、こんな家に生まれた子どもは運がいいね。不平等だな。

H: 生まれた家とか国とか、個人が選べないもので差が出るのは、不平等だとしても変えられないよ。与えられた環境の中で頑張ることが大事だよね。この家の子どもだって、社会で成功できるかは本人次第だと思う。

G: いや、その子どもも、家が裕福なおかげでいい教育を受けて、将来お金を稼げるようになったりするでしょ。運の違いが生む格差は、社会が埋め合わせるべきだよ。


こんな会話文から始まるのは、2023年の大学入学共通テストの倫理の問題。出題直後から、「親ガチャ」という流行語を意識したものだと大きな話題になった。

もっと裕福な家庭に、魅力的な容姿に生まれたかった、いっそのこと生まれてこないほうがよかった……近年、若者の間で瞬く間に広がったキーワード「親ガチャ」。人は生まれてくる時代も場所も、家庭環境も選ぶことはできない。そうした出生の偶然性に始まる人生を、私たちはどう引き受けるのか。



同書では、『ONE PIECE』や『進撃の巨人』、『ポケモン』といった人気コンテンツを題材にしながら、「親ガチャ」と、それに連なる「反出生主義」「優生思想」「無敵の人」「ゲノム編集」などについて、社会と哲学の両面から読み解いていく。



自分の人生を生きるとは、どういうことか――いま一度、考えさせられる一冊となっている。



序章『運vs努力――人生を決めるのはどちらか』、第1章『「親ガチャ」とは何か』、第2章『「無敵の人」の自暴自棄』、第3章『反出生主義の衝撃』、第4章『ゲノム編集で幸せになれるか』、第5章『自分の人生を引き受ける──決定論と責任』、第6章『親ガチャを越えて』、終章『自己肯定感――私が私であるという感覚』で構成されており、価格は880円。(CHIGAKO)

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  • 犯罪を犯した時に「私の育て方が悪かった」と思える親が当たり。「勝手にそういう人間になった」と言いふらす親はハズレ。後者が貧乏子だくさんすると大ハズレ。
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