加藤正将がTCRジャパン最終戦でヒョンデ・エラントラN TCRにスイッチ。その理由と感触は

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2023年12月02日 13:40  AUTOSPORT web

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2023 TCRジャパンシリーズ第5戦SUGO 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)
 11月25〜26日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたTCRジャパンシリーズの今季最終戦。今季はサタデー、サンデーの両シリーズとも猪爪杏奈(羽衣6 DOME RACING)がチャンピオンを獲得することになったが、サタデーのランキング2位につけた加藤正将が、最終ラウンドのみKMSA MOTORSPORTのヒョンデ・エラントラN TCRにスイッチして参戦した。その理由と、エラントラN TCRのフィーリングについて聞いた。

■第4戦のクラッシュで一時参戦を断念も……
 長年TCRジャパンシリーズに参戦し、上位争いの常連となっていた加藤は、今季も第4戦の富士まではAudi Team MarsのアウディRS3 LMSをドライブしていた。ただ、10月8日に行われたサンデーシリーズの6周目、トップ争いを展開する中、後方車両から衝突を受けクラッシュ。コース外からの映像では大きなアクシデントではないようにも思われたが、加藤によれば「アウディは損傷が予想よりも大きく、最終ラウンドのSUGOの出場を一度は断念」する状況になってしまったという。

 加藤は出場断念を、モビリティリゾートもてぎで行われた第3戦から出場を開始したKMSA MOTORSPORTのチェ・ジョンウォンに伝えた。もてぎでジョンウォンと加藤はサイド・バイ・サイドのバトルを展開したが、レース後にコミュニケーションをとり友人関係に発展。親交があったことから、無念の思いを伝えようと思ったのだ。

 ところが、ジョンウォンから嬉しい申し出が加藤に届いた。KMSA MOTORSPORTが所有するエラントラN TCRのイベント用の予備車があることから、「一緒にレースで走りませんか?」というオファーを受けた。正式にKMSA MOTORSPORTからの参戦が決まったのは、第5戦SUGOの1週間前だった。

「慌しくなりましたが、温かく迎え入れていただいたKMSA MOTORSPORTさんには本当に感謝しております。また、日本人でヒョンデのレーシングカーで公式戦に出場するのは史上初ということで、とても光栄に思っています」と加藤。

 レースウイークからチームに合流することになった加藤は、KMSA MOTORSPORTについて「ドライバーからすべてのスタッフまでオールコリアンで形成していて、韓国でも屈指のチーム体制と感じました」という。今回は加藤とマネージャーのふたりでチームに加わったが「最初から最後まで温かく接していただけました」と歓迎された。特に、2022年のSUGOでは加藤がサタデー/サンデーとも優勝を飾っており、「走行後にはたくさんのフィードバックを求められました」と高い期待を寄せられたという。

■TCRの豊富な経験をもつ加藤も潜在能力を感じる
 これまで長年アウディをドライブしていた加藤。エラントラN TCRは、ヒョンデがこれまで投入してきたi30 N TCR、ヴェロスターN TCRの後を継ぐ新しい世代のモデルだけに期待をもっていたというが、実際にドライブしてみると、アウディとは「対極にあるような車両特性」だったという。

「アウディはストレートが速く、ブレーキの姿勢が良い、いわゆるタテ方向の特性が優れているのに対して、ヒョンデはコーナリング性能が優れていて、高いダウンフォースも感じました。この2台は対極に位置するような特性があるので、走らせ方をドライバーが合わせてあげないと、想像しているタイムがなかなか出ないかもしれません」と加藤はエラントラN TCRの感想を語った。

 迎えた第4戦では、サタデーシリーズの予選で2番手を獲得。ポールポジションのジョンウォンとともにKMSA MOTORSPORTのフロントロウ独占に貢献した。ただ加藤にとっては「実はアタックラップで予想外のトラフィックに遭遇して、1秒ほどロスしてしまいました。タラレバでしたが、昨年の連続ポール・トゥ・ウインも再現できそうでした」と悔しがった。

 サタデーシリーズの決勝では、水温が規定値まで上がらずストレートスピードに苦戦。結果的には3位となったが、それでも表彰台を獲得し、ジョンウォンとワン・スリーを達成。「チームメイトのチェ選手の優勝に少しでも貢献できたかなとうれしく思います」と加藤は振り返った。

 またサンデーシリーズでは、予選開始直後からミッショントラブルが起きるも5番手に。決勝でも2周目以降、同様にミッショントラブルが起きてしまい、6速から変速できないままチェッカーまで走ることに。

「使用した車両はレースウイークがシェイクダウンの状況で、いわゆる“慣らし運転”の状態でした。個体のデータも少なく、急遽決まったレース参戦でスペアパーツも最低限、車両変更によるウエイトハンデ30圓鯏敍通して積んだ状況の中、チームスタッフは最善を尽くしてくれたと思います」と加藤はレースウイークを振り返り、その上で「エラントラN TCRの潜在能力は、十分に感じられた週末になりました」と語った。

 ヒョンデは日本でも『N』ブランドを2024年に展開する予定になっている。日本人として初めてヒョンデのレーシングカーでTCRジャパンに出場した加藤自身も「今回の出場が良い機会になればと思っています」と期待を込めた。

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