橋本環奈は「完成された女優」『トクメイ!』プロデューサー&監督が語る魅力と最終話の見どころ

0

2023年12月25日 08:11  TVerプラス

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

TVerプラス

橋本環奈さんが主演を務めるドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(カンテレ・フジテレビ系、毎週月曜22:00〜)が、いよいよ12月25日に最終話を迎えます。

本作は、経費削減の“特別命令(トクメイ)”を受けて警視庁のお荷物所轄・万町署に派遣された警察官・一円(はじめ・まどか)が、経費から事件解決の糸口を見つけていく警察エンターテインメント。12月18日に放送された第10話で“脅迫者X”の正体が明らかとなり、物語は佳境を迎えています。

この度、本作の近藤匡プロデューサー、小林宙プロデューサー、城宝秀則監督にインタビュー。撮影で感じた“主演・橋本環奈”の魅力、さらにネット上で話題となったオープニング制作秘話、そして最終話の見どころなどを直撃しました。

『踊る大捜査線』に『太陽にほえろ!』…OPに込めた思いとは?

――3人とも今作で初めて橋本さんとご一緒したそうですね。改めて、撮影で感じた橋本さんの魅力を教えてください。

近藤P:どんなシーンだろうと、相手がどんな役者さんだろうと物おじしない。それなのに映像に映る姿は圧倒的にチャーミングで、今回初めてご一緒してみてそのギャップに驚かされました。あの多彩ぶりというか、コメディなシーンも全力で振り切って演じられる姿がとても魅力的だと思いました。

小林P:何事に対してもポジティブで、自信を感じます。変な芝居をやっても、自分のキャラクターが壊れないとわかっているような。演技からその確信を感じて、見ていて気持ちがいい。演技にも迷いがないし、僕がこれまで会ったことのないタイプの女優さんだと思いました。

城宝監督:普通に白目剥くしね。みんなが円を迎え入れて、それに感激して倒れるというシーンがあったのですが、白目剥いて口をポカーンと開けて倒れるもんだから驚いて(笑)。僕が指示するならまだしも、自ら進んでやるからすごいですよね(笑)。若い女優さんともよく仕事をしますが、ああいう表現をするのは人は他にいない。「若手女優」と括ってはいけない。他の誰とも違う「橋本環奈」という完成された稀有な女優さんだと思いました。

――様々な有名作品がオマージュされているOPが毎回話題となっています。あれはどういった意図を持って制作されたのでしょうか?

小林P:ノリです。特に深い意味はない(笑)。一風変わった刑事ドラマにしたいという思いがあって、最初は『踊る大捜査線』や『太陽にほえろ!』などの刑事ドラマのオマージュ要素を入れていたのですが、だんだん楽しくなってきてああなりました(笑)。

城宝監督:学園祭の出し物みたいなね(笑)。スタッフもたくさんアイデアを出してくれて、くだらないことを率先して楽しむ姿に嬉しくなりました。

近藤P:俳優陣の皆さんも。本編の撮影をしながらオープニングの映像も撮るという忙しい中、楽しんでやってくれました。

小林P:考察してくれている方もいましたが、すみません。なぜあのオープニングになったかと聞かれると、「ノリ」です(笑)。

「刑事が事件を解決する物語にはしたくない」本作に込めた裏テーマ

――では、劇中に込めたこだわりなどがあれば教えてください。

城宝監督:本作の舞台は警察ですが、「刑事が事件を解決する物語」にはしたくないという思いがありました。それよりも、環奈ちゃんや沢村一樹さん(湯川哲郎役)、佐藤二朗さん(須賀安吾役)といういろいろな世代のギャップがある中で、その垣根を超えて絆を繋いでいくという裏テーマの方が本当は大事で。それが最終話に色濃く表れていると思うので、第1話と比べるとガラッと変わる雰囲気に、視聴者の皆さんは驚かれると思います。

――コメディかと思いきやシリアスになるなど、その変調に驚かされることは何度かありました。なぜこういった作りにしたのでしょうか?

小林P:最初からドラマのテイストは決めず、「楽しいドラマにしよう」と思って作り始めました。日本の貧困や若者の特殊詐欺、外国人労働者問題など重いテーマは扱うけれども、雰囲気は明るいものに。その中で一番楽しんでほしいのは、先ほど監督の言った“世代間のギャップ”。なので、尺が無くてもキャラクターのジェネレーションギャップを感じる会話や動きはあまり切らないようにしていました。

――ありがとうございます。最後に、最終話の見どころを教えてください。

近藤P:僕が思う見どころは、佐藤二朗さんの演技。二朗さんって、すごく繊細なお芝居をなさるんですよね。細かい気持ちの流れを感じ取って演じていて、それを受け取る環奈さんと沢村さんのお芝居も素晴らしい。注目してほしいです。

城宝監督:近藤さんの言った通り、最終回は円と湯川、須賀のやり取りがポイントとなってきます。必ず誰かの感情に当てられ、胸がグッとなる瞬間があると思います。3人それぞれが“正義”を持っているけれど、その方向性がどこを向いているのか……。見届けてください。

小林P:僕が二朗さんとご一緒するのは2回目なのですが、今回キャスティングする際に「コメディとして参加しなくていいです」と言いました。本人はやりたがりなので心配していたのですが(笑)、実際はそんな心配は全く必要なかったです。そして二朗さんからも「最初に言われた言葉の意味がわかった」と言われました。見守り、若者に思いを託す位置である役割に徹してくださっているので、先ほど言った“テーマ”に沿った熱い最終回となりました。ぜひ楽しみにしていてください。

(取材・文:米田果織)

<最終話あらすじ>
榊山慎一郎(福井晶一)ら警察上層部が、事件化していない押収品を裏金に変え、警察署をデジタル化するためのプロジェクトにつぎ込んでいたことを突き止めた一円(橋本)。するとそこへ、湯川哲郎(沢村)の行方を追って、亡くなった芹沢詩織(石井杏奈)の関係先を調べていた藤堂さゆり(松本まりか)から、「Xの正体がわかったと思う」と1枚の写真が送られてくる。そこには、詩織と須賀安吾(佐藤)が並んで写っていた。

その頃、Xのアジトで目を覚ました湯川の前に、須賀が姿を現す。湯川は、詩織を死に追いやった警察の闇を暴くと息巻く須賀に対し、冷静に、そして何とか思いとどまらせようとするが、須賀の耳に親友の言葉は届かない。さらに、湯川の機転でアジトを突き止めた湯川班のメンバーも乗り込んでくるが、あと一歩のところで須賀に逃げられてしまう。

須賀の目的は、翌日の予算会議の場で榊山を断罪し、殺害すること。それを阻止するためには、裏金庫に隠された証拠を手に裏金問題を告発し、須賀が手を掛ける前に、榊山を官房長の座から引きずり下ろすしかない。円と湯川は須賀の凶行を阻止するべく、それぞれの立場で全力を尽くすことを誓うが……。

かつて経費をめぐり激しくぶつかり合っていた円と湯川が、大切な人と大切な万町署を救うため、思いを一つにして巨悪に立ち向かう。はたして、円は警察組織の闇を暴き、須賀の犯行を止めることができるのか!? そして、万町署と署員たちの運命は?
    ニュース設定