藤沢市は“海じゃないほう”の魅力もスゴい! 「地域デザインファクトリー」が新ポスターを発表、市長へ贈呈

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2023年12月28日 10:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
神奈川県藤沢市といえば、江の島を擁する「湘南エリア」の中心地。当然、海のイメージが強いが、実は他にもいろんな観光スポットがあるようだ。



そんな“海じゃないほう”の魅力を観光客にアピールすべく、地元のクリエイターたちが新たにPRポスターを作成。12月8日、ふじさわ宿交流館で藤沢市長への贈呈式が行われ、ポスターを受け取った鈴木市長は「藤沢宿の魅力を凝縮して表現していただき、非常にうれしい」と喜びを口にした。


○■「東海道五十三次」の古い地図を現代風に再現



PRポスターの作成は、「Rethink Creator PROJECT」の一環である「地域デザインファクトリー」で行われた。同プロジェクトは、JTが展開する「Rethink PROJECT」のひとつで、クリエイターに新たな働き方を提案するクリエイティブマネジメント会社「クリエイターズマッチ」が主催している。



これまでも福岡や鹿児島、高知、奈良など、全国のさまざまな自治体と協力しながら活動を展開してきたが、今回は藤沢市が抱える課題の解決を目指し、地元のクリエイターらとともに「旧東海道・藤沢宿」への観光を促すPRポスターを制作した。


藤沢市=海・江の島といったイメージが先行しがちだが、海岸地域以北もかつては東海道の宿場「藤沢宿」として栄えた歴史があり、現在も寺院や神社などの名所が点在している。しかし、観光客のほとんどが海側に集中し、藤沢宿エリアの魅力はさほど認知されていない。


そこで今回、イラストレーターのMOMOKO MAKINOさん、湘南経済新聞編集長の三浦悠介さん、フォトグラファーの長田由夏里さんら3名がクリエイティブを担当。小田急電鉄やJR東日本の藤沢駅長、藤沢市の職員らを交えながら、作品のコンセプトを決めるワークショップや、クリエイター陣によるラフ提案などを何度も重ねながら作品を完成させた。


「(プロジェクトへの参画を)すごく楽しみにしていました」と振り返ったのは、この日の贈呈式に登壇したMAKINOさんだ。


MAKINOさんは、藤沢宿は歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』のイメージがあるとしたうえで、「浮世絵をちょっとポップに描いてみたいという思いがありました。ポスターの背景の地図は、東海道五十三次の古い地図を現代風に再現して作ってみました」と意図を明かした。


三浦さんはポスターについて、「知られざる藤沢の面白いコンテンツを載せられたんじゃないかなと思っています」と手応えを語り、「インバウンドの方や歴史が好きな方も非常に多いと思うので、『歴史深い藤沢』を新たに発見していただきたい。昔の歌に残っているような軌跡もあるので、それを宝探し感覚で探すことができる、『宝の地図』のようなポスターになったと思います」と感想を口にした。


写真を担当した長田さんは、「菓匠いもとのお菓子『一つ火』を撮って載せたのですが、このお菓子が人気すぎてなかなか買えず、3〜4回通ってようやく購入・撮影ができました」と撮影の裏側を紹介。「小さい写真ですが、藤沢宿エリアは本当にいいところがいっぱいあります。皆さんに私たちの思いが伝わればいいなと思います」と語った。

○■鈴木市長「藤沢宿の魅力を凝縮していただいて非常にうれしい」


ポスターの贈呈を受けた藤沢市の鈴木恒夫市長に感想をうかがうと、「藤沢宿の魅力を凝縮して表現していただいて非常にうれしく思います。藤沢の街の良さがひと目でわかるような、インパクトのある仕上がりになっていると感じます。多くの人に藤沢宿を知ってもらうきっかけになってほしいと思います」と喜びを口にした。



さらに、藤沢の“海じゃないほう”の魅力について、「このあたりは箱根駅伝のコースにもなっていますし、歴史や文化を感じる施設や文化財もたくさんあります。もっと北の方には農村文化が根付いていて、大きなお祭りや農畜産物もありますし、首都圏からの利便性がいいから観光農園も広がっています」と主張。



今後の展望については、「今は江の島中心ですが、藤沢宿の魅力も観光資源としてますます発信していきたいと思います。現在は年間で1,700万人くらいが藤沢市を訪れますが、オーバーツーリズムの問題もあるので、江の島ばかりに頼るのではなく、藤沢市全体の魅力を発信することで、年間2,000万人の観光客に来ていただければと考えています」と語った。


JT神奈川支社の宮下剛支社長は、同プロジェクトに協賛した背景について、「今はどの企業にもSDGsへの貢献が求められています。たばこ事業とは別のところで地域に貢献するということは、各地に私たちの事業所があることの意義にも繋がっていますし、こういうプロジェクトに協賛することが、街を盛り上げることにも繋がっていくと考えています」と話した。



完成したポスターについては、「藤沢宿らしい素晴らしいポスターになったんじゃないかと思います。“海じゃないほう”というメインキャッチも面白いですね」と述べ、「今後もJT神奈川支社としては、神奈川県の地域課題に根差した三方よしの施策に取り組んでいきたいと思います」と意気込んだ。


同プロジェクトを主催するクリエイターズマッチの代表取締役社長である呉京樹さんは、「『地域デザインファクトリー』は昨年からやっていて、昨年は7地域、今年は5地域で行いましたが、藤沢市では非常にクオリティが高いものができたと思います」と自信を見せる。



さらに、「地域クリエイターを集めるのは大変で、地域によってはなかなか集まらないこともあります。でも、藤沢市では普段から活躍されている地元のクリエイターさんたちが協力してくれて、この点はすごくよかったと思っています」と話し、「結果、昨年より作品のクオリティもぐっと上がりました。これを来年さらに上げていくにはどうすればいいか、プロジェクトのひとつの課題として考えていきたいと思います」と意気込んだ。



今回制作されたPRポスターは今後、小田急の各駅やJR藤沢駅を始め、さまざまな場所に掲示される予定。(猿川佑)
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