2026年以降のF1の方向性についてあらゆる選択肢を検討「市販車との関連性を維持することが必要」とFIA

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2024年01月09日 18:30  AUTOSPORT web

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2023年F1第21戦サンパウロGPスプリント グリッド
 FIAは、F1におけるエンジンとパワーユニット(PU)開発の将来の方向性は、市販車に取り組むマニュファクチャラーと関連のあるものでなければならないと述べている。

 2026年に施行される新たなエンジンルールと仕様は、バッテリー電源への依存度を高め、電源と内燃機関の割合をほぼ半々にすることを目指している。これは世界中の市販車の変化に沿ったものだ。多くの国々が従来のガソリンエンジンを使用した新車販売の禁止を検討しており、完全な電気自動車への転換が求められている。

 自動車メーカーがF1に投資するのは、F1が営利事業に貢献する場合のみだ。つまりF1は、完全電動レースの独占権を持つフォーミュラEの存在に関係なく、自動車メーカーと同じ方向性をとる必要がある。F1は、その代わりに水素エネルギーとバッテリー技術の開発に集中することができる。昨年末にFIAのシングルシーター担当ディレクターであるニコラス・トンバジスが語ったように、2026年以降に向けてあらゆる選択肢が検討されている。

「2026年までの段階は決まっているが、その後の次のステップについてはまだ議論の余地がある」とトンバジスは最近の会見で一部メディアに語った。

「まだ多くの選択肢が残っている。よりサステナブルな合成燃料(e-fuel)か、FIAで非常に多くの取り組みが行われている水素か、それともより電気を使うものにするかどうかだ」

「しかし我々は、参加しているOEM(Original Equipment Manufacturers)が行いたいことと常に関連を持ち続けたいと考えている。市販車と関係のない、完全に思いつきの方向へ進むことはできない。市販車との関連性を維持する必要がある。それが重要な目標だ。パドックを歩き回っている者なら誰でも、対処すべき課題が膨大にあることが分かると思う」

 F1は2030年までに二酸化炭素排出量ゼロを実現する目標をすでに掲げているが、マシン自体からの排出量はF1が環境に与えている影響のほんの一部にすぎない。

「全体的な二酸化炭素排出量のなかで、マシン自体の要素が占める割合は非常に低い。全体の2%未満だと思う」とトンバジスは指摘した。

「このスポーツに対する我々の全面的な責任から、残りの98%にも取り組む必要があるのは明らかだ。そのためには物流、素材、部品数、カレンダーなど、多くの事柄をカバーしなければならない」

「しかし参加しているOEMが技術に取り組むことができるという点で、技術的観点からもマシンの側面は重要だ」
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