追悼・八代亜紀、異色のコラボ漫画『とっても!ラッキーマン』しみじみ沁みる忘れられない名セリフと主題歌

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2024年01月10日 13:11  リアルサウンド

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とってもラッキーマン DVD−BOX 2/ガモウひろし(原作)鍋島修(監督)

  演歌界の大御所である歌手の八代亜紀が、2023年12月30日、死去していたことが明らかになった。73歳だった。1月9日、所属事務所が公式サイトを通じて発表した。


(参考:【写真】小林幸子、のん、久住昌之、くまもん…親交深かった各界の著名人の写真やコメントなど


 八代亜紀は演歌歌手として数々のヒット曲を生み出し、さらには画家としても知名度が高かった。そんな八代だが、「週刊少年ジャンプ」全盛期に連載されていた、あの少年漫画と異色のコラボを行っていたことでも有名である。


  その作品とは、1993年に連載が始まったガモウひろし原作の漫画『とっても!ラッキーマン』である。ガモウひろしは何かと謎の多い漫画家である。某有名サスペンス漫画の原作者の正体などとも噂されていたと思えば、絵がジャンプで一番下手だなどとしばしネタにされていたが、ジャンプを代表する漫画家であることは間違いない。


  さて、『ラッキーマン』はガモウの代表作であり、1994年にはアニメ化もされた。ラッキーマンは日本一ついてない中学生・追手内洋一が変身するヒーローなのだが、登場する際に「ラッキー、クッキー、●●キー」と、語尾に「キ」がつく言葉を言いながら登場するのが定番になっている。


 「●●キー」の●●の部分は「餅つきー」「思いつきー」などのように毎回変わるのだが、その中に「ラッキー、クッキー、八代亜紀」というパターンが存在するのだ。初期に登場したネタであり、その語感の良さからラッキーマンの象徴的なセリフとなっていた。


 そして、なんとこのギャグが縁となり、『ラッキーマン』がアニメ化された際に主題歌を八代亜紀が歌うことになったのだ。しかも、オープニングもエンディングも八代が担当したのである。当時、演歌歌手が少年漫画発のアニソンを歌うケースは少なく、「ジャンプ」読者の間で大いに話題になった。


 ちなみに、オープニングの「ラッキーマンの歌」は、作詞をガモウひろしが自ら手がけているというこだわりようである。当時、記者は小学生であったが、八代については詳しく知らなかった。だが、アニメが始まると八代の歌唱力に驚かされ、いい曲だなあと思ったものである。


 なお、余談であるが、同じく「ジャンプ」で連載されていた漫画『ハイスクール!奇面組』にも、八代の名前を使った「三畳紀 ジュラ紀 白亜紀 八代亜紀」というギャグがあった。意外にも「ジャンプ」と八代亜紀の親和性が高いようである。


 正統派な演歌からアニソンまで、圧倒的な歌唱力で幅広い歌を手掛けた八代亜紀は、まさに歴史に残る歌手だったといえるだろう。そして、当時のジャンプ読者の子どもたちに八代亜紀の名を知らしめたという点で、『ラッキーマン』は特別な作品と言っていいのかもしれない。


(文=元城健)


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