激闘の“マドリード・ダービー”はレアルに軍配！　シーソーゲームを制してスーペルコパ決勝進出

　スーペルコパ・デ・エスパーニャ（スペイン・スーパーカップ）準決勝が10日に行われ、レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードが対戦した。

　昨シーズンのコパ・デル・レイ（国王杯）の優勝および準優勝チームと、その2チームを除いたラ・リーガ上位2チームによって争われるスーペルコパ。スペインの首都に本拠地を置く2チームによる“マドリード・ダービー”がサウジアラビアで開催された。

　試合は、開始早々にアトレティコ・マドリードがスコアを動かす。6分にサムエウ・リーノのシュートから右サイドでコーナーキックを得ると、キッカーを務めたアントワーヌ・グリーズマンのクロスにマリオ・エルモソが頭で合わせる。フリーな状況で放ったヘディングはゴールに吸い込まれ、アトレティコ・マドリードが先制に成功した。

　対するレアル・マドリードも、20分にジュード・ベリンガムが放ったシュートから右サイドでコーナーキックを獲得。ルカ・モドリッチの送ったボールを、ワンテンポ遅れて飛び込んできたアントニオ・リュディガーがヘディングで押し込み、貴重な同点弾をマークした。

　さらにレアル・マドリードは29分、華麗なパスワークでアトレティコ・マドリードを押し込み、中盤を経由して左サイドから右サイドに展開。ベリンガムのパスをボックス右角で受けたダニエル・カルバハルが、グランダーで斜めに差し込むようなクロスを送ると、左サイドバックを務めるフェルラン・メンディがニアサイドで反応。左足のアウトサイドで流したシュートは、相手選手の股下を通過してゴールネットを揺らした。

　逆転を許したアトレティコ・マドリードだったが、37分にエースが魅せる。中盤に降りてきたグリーズマンが、サウールやコケとパスを交換しながらボールを前進させると、バイタルエリアでの鋭い切り返しでモドリッチとリュディガーを翻弄。逆足に持ち替え、ドリブルで運びながら右足を振り抜き、ニアサイドを打ち抜いて試合を振り出しに戻した。

　打ち合いとなった前半から一転、後半は両者決定機を作れない時間が続く。すると、78分にアトレティコ・マドリードがポゼッションを行いながらレアル・マドリード陣内に押し込むと、エルモソのパスを左サイドのライン際で受けたロドリゴ・リケルメが、右足に持ち替えて鋭いクロスを供給。ゴール前に待ち受けていたアルバロ・モラタが、レアル・マドリードのGKケパ・アリサバラガと交錯する形で競り合い、ケパの弾いたボールは自身の足に当たってからリュディガーにも当たってゴールイン。アトレティコ・マドリーがオウンゴールで再びリードを奪った。

　しかし、直後の85分にロドリゴのスルーパスに反応したヴィニシウス・ジュニオールが左サイドを突破。ボックス内に持ち運び放ったシュートはヤン・オブラクに防がれたものの、こぼれ球からベリンガムがミドルシュートを狙う。相手選手にブロックされて再度こぼれたボールを再びベリンガムがシュート。三度防がれたセカンドボールの先に走り込んできたカルバハルが、豪快にネットへと突き刺し、レアル・マドリードが同点に追いついた。

　そして、延長戦に突入して迎えた116分、ブラヒム・ディアスの大きなサイドチェンジから、カルバハルがDFをかわしてクロスを蹴り入れる。ゴール前にポジションを取っていたホセルが合わせたへディングは、アトレティコ・マドリードのステファン・サヴィッチに当たってゴールマウスへ向かう。オブラクは懸命に左手を伸ばしたものの惜しくも触れず、レアル・マドリードがリードを奪い返した。

　その後は、レアル・マドリードのB・ディアスにも追加点が生まれ、試合は5−3で終了。勝利したレアル・マドリードは、バルセロナvsオサスナの勝者と14日に開催される決勝で対戦する。

【スコア】
レアル・マドリード　5−3　アトレティコ・マドリード

【得点者】
0−1　6分　マリオ・エルモソ（アトレティコ・マドリード）
1−1　20分　アントニオ・リュディガー（レアル・マドリード）
2−1　29分　フェルラン・メンディ（レアル・マドリード）
2−2　37分　アントワーヌ・グリーズマン（アトレティコ・マドリード）
2−3　78分　オウンゴール（アトレティコ・マドリード）
3−3　85分　ダニエル・カルバハル（レアル・マドリード）
4−3　116分　オウンゴール（レアル・マドリード）
5−3　120＋2分　ブラヒム・ディアス（レアル・マドリード）