大河ドラマ『光る君へ』の魅力を脚本家・大石静に聞いた!「戦乱の世と同じくらいスリリング」

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2024年01月14日 18:10  週刊女性PRIME

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『光る君へ』日曜夜8時〜(NHK総合)ほか

 '24年の大河ドラマ『光る君へ』がいよいよ1月7日、スタートした。

 主演は吉高由里子。『源氏物語』の作者である紫式部(役柄名・まひろ)を演じる。その“ソウルメート”の藤原道長役には柄本佑。平安時代は戦乱のほとんどない雅やかな世の中。歴史の授業でもさらっと流されてきた。どんな物語になるのか? 脚本を手がける大石静に見どころ&魅力を尋ねた。

脚本家・大石静に聞いた『光る君へ』の見どころ&魅力

 第1回は子役での展開、本役(吉高由里子、柄本佑)は第2回から登場する。

「このふたりは、最後まで赤い糸&因縁で結ばれていくんですが、ラブラブな話ばかりではありません。藤原三兄弟の骨肉の出世争い、道長の父・兼家による一か八かのクーデター、一条天皇即位時の高御座の生首など、生々しい権謀術数、男の政の世界がたくさん出てまいります」

 大石は、平安時代の男女関係についても触れていきたいと意気込む。

そこはかとなく漂うエロスの雰囲気は出したいと考えています。当時、天皇が子孫を残すことは政と同じぐらい大事なこと。性的行動が間近にあるんです。もちろん、お子さんも見られるように作ってありますし、胸キュンシーンもいっぱいあります

『源氏物語』執筆以前の紫式部の資料は、ほぼ現存しないという。

「幼き日に母を亡くし、貧しい暮らしだったらしいんです。そんなところから、生きることは不条理に苛まれていくことだと知ってしまった女の子です。そんな沸々としたものが文学者としての萌芽であって、“それを表現してみたい”“私の使命は何なのか”と考えるようになっていく。知的レベルの高い女性だと思います」

 まひろという役柄名を含め、脚本はオリジナルだ。

「何が本当かはわからないけど、私は“きっとこうだっただろう”と思うことを描きたい。紫式部という文学者は権力批判の考え方の強い人。

『源氏物語』は男女が寝たり起きたり……という印象かもしれませんが、そうではなく、その行間に彼女が込めた深い人生哲学があることを描きたいですね」

藤原道長の認識を改めたい

 前作『どうする家康』なら関ヶ原の戦いなど、史実から物語の山場が予想できたが、本作はイメージしにくい部分も。

「“本能寺で織田信長が死ぬ”とわかっている話より面白いかもしれないじゃないですか? 

 史実の詳細は平安オタクの人しか知らないと思うので、先がわからないという面白さ。そこを逆手に取らないと、勝負はかけられませんから。

 宮廷の中は、会社みたいなもの。偉くなりたい人はいるし、誰かを陥れたり、失脚させたりということは同じようにあるんですよね。そんな平安の権力闘争、葛藤、足の引っ張り合いは、戦乱の世と同じぐらいスリリングだと思いますよ」

 その中心には、藤原道長。“この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば”の歌が有名だが、

「藤原家が横暴な政治をしたわけじゃない。時代考証の先生もレベルの高い政治をしていたとおっしゃっています。特に、道長は長い歴史の中でも優秀な政治家のひとり。みんなの気持ちをまとめる能力に優れた人として描き、道長の認識を改めたいと思います」

 1年後、平安時代のイメージは激変しているかもしれない。

吉高由里子の持ち味

「吉高さんは、もう何本もやっている仕事仲間。“こう演じてほしい”と私から言うことはありません。彼女の持ち味は、普段はすごく明るいけど、ふとした瞬間に陰を見せることもあり、陽と陰が同居している役者だと思います。はじけた感じと、悲しさ・寂しさみたいなもの。紫式部のちょっと気難しい感じには合ってるなと思って。そこはのびのび演じてくれれば、出ると思います」

柄本佑の持ち味

「柄本さんはいわゆる二の線に分類される人じゃない(笑)。でも、ドラマ『知らなくていいコト』('20年)ではすれ違うだけで“うっ”となるくらいセクシーで素敵でした。本当に、イイ男をさりげなくやる。それで今回、道長をやってほしいなと思いました。ニ枚目、とぼけた感じ……自分の見せ方をすごく計算している人だと思います。台本もそれを表現しているけど、柄本さんはそれ以上に考えて見せてくれる。すごい役者です」

『光る君へ』日曜夜8時〜(NHK総合)ほか


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