平野紫耀、イヴ・サンローランのアンバサダー就任で「ファン大行列」識者が囁くのは熾烈な“顧客獲得競争”

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2024年01月16日 16:41  リアルサウンド

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大人気となった『エル・ジャポン 2023年11月号増刊 平野紫耀特別版』(ハースト婦人画報社)
■辞めジャニが相次いでアンバサダーに

  元「King & Prince」のメンバーで、「Number_i」の平野紫耀がイヴ・サンローラン・ボーテのアジアアンバサダーに就任した。1月10日に正式に発表があると、開店前から表参道にある店舗に大行列ができたと報じられ、さらに当日のイヴ・サンローランのアイコンリップ「ルージュ ピュールクチュール」の売上げが、ECサイトなどで前日比の約540倍になったとも報じられている。


  平野紫耀の影響力は凄まじく、広告に出演したブランドや、インスタなどで使用した商品が爆売れする現象はこれまでたびたび起こってきた。また、出演するだけでテレビ番組の視聴率が通常より数パーセントUPするなどといった伝説もささやかれてきた。平野は男女問わず人気が高い人物であり、起用の背景には、率直に高級ブランド側がインフルエンサーとしての力に頼り、世間への認知度を高めたい狙いがあるのだろう。


  2020年に旧ジャニーズ事務所を退所した山下智久は2021年にブルガリのアンバサダーに就任したように、海外ブランドの間でいわゆる“辞めジャニ”がアンバサダーに起用される動きが相次いでいる。なぜ、辞めジャニに声がかかるのか。国内ブランドの広報担当者はこう分析する。


 「辞めジャニは旧ジャニーズ事務所の縛りから外れている一方で、依然として熱狂的なファンがいることが多いため、高級ブランド側としても純粋に起用しやすいのだと思います。しかも、今回の平野さんのように目に見える形で宣伝効果が表れるのだから、費用対効果も抜群でしょう」


  そして、辞めジャニのファンがもつ拡散力も高級ブランド側からしてみれば魅惑的である。渋谷駅や新宿駅の通路に巨大なポスターを掲示するだけで、ファンは足を止めてスマホで撮影、すぐさまSNSに投稿する。これだけで膨大な宣伝効果が見込まれるのは言うまでもない。タレント自身の魅力はもちろんだが、ファンが圧倒的な拡散力を持っていることが、辞めジャニが起用される要因になっている。


■海外ブランドの知名度は下がっている?

 世界に蔓延したコロナパンデミックを経て、伝統ある高級ブランドも決して安泰とはいえない状況にある。確かに、パンデミックの中、高級ブランドの中には過去最高レベルの売上げを記録した例は数多い。国内でも投資家や開業医を筆頭に、巨大な利益を生んだ業種では相次いで高級ブランドを買い漁る人が多かった実態があるのだ。その一方で、一般庶民の生活は破壊され、所得は著しく減少してしまった。


  そのうえ、近年の円安によって高級ブランドは相次ぐ値上げを展開している。ブランドによっては年に2回も値上げに踏み切った例もある。一昔前であれば、若者は誰もが高級ブランドを手にしていたような時代があったが、現在では簡単に手が届く存在ではなくなってしまった。高級ブランドをしばし購入する開業医は、クリスマスなどの時期にブティックを訪れる若者の姿が10年前と比べると明らかに減ったという印象を持つと話す。


 「ファストファッションの台頭も続いており、ブランドにこだわらなければ、質の高い商品を手にすることは可能になってしまいました。ファストファッションを購入する層と、高級ブランドを購入する層は被らないと思う人も多いかもしれないが、実際は熾烈な顧客獲得競争に陥っているとも聞きます。高所得層でも、高級ブランドに関心がない人も増えていると思います」


  そして、人々の意識の変化についてもこう考察した。


 「私が大学生だった1990年代半ばは、大学生が無理をしてでもブランド品を買おうという風潮が健在でした。今や、ブランド品を無理して買おうと思う層は少数派になっていますよね。我々の世代なら誰だって知っていたようなブランドも、若い層では知らない人の方が多いですよ。だから、高級ブランドが著名人にアンバサダーを務めてもらい、知名度を復活させることに躍起なのだと思います」


  相次ぐ辞めジャニの起用は、それまで高級ブランドに関心がなかった層に目を向けさせたいという思いが、今まで以上に見え隠れすると、この開業医は語る。高級ブランドが10年、20年後も憧れの存在として存続することができるのかどうか。生き残りをかけた熾烈な攻防が始まっている。


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