サインツが総合優勝に王手。ローブは足回り破損とタイヤパンクで1時間以上ロス【ダカールラリー】

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2024年01月19日 10:40  AUTOSPORT web

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ステージ序盤で大きな石にヒットしサスペンションにダメージを負ったことで1時間以上のタイムを失ったセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)。これにより優勝争いから脱落することに
 1月18日、W2RC世界ラリーレイド選手権第1戦『ダカールラリー2024』のステージ11が行われ、オーバードライブ・レーシングのゲラン・シシェリ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がトップタイムを刻み、前日に続いてスペシャルステージ(SS)2連勝を飾った。

 アル・ウラからヤンブーへかけて、420kmのSSを含む計527kmを戦いの舞台としたステージ11。最終決戦となるステージ12の前哨戦ともあって、総合優勝を争うチーム・アウディスポーツのカルロス・サインツSr.(アウディRS Q e-tron E2)とバーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)、このふたりの頂上決戦に注目が集まった。

 ステージ序盤の43km地点では、トップタイムで駆け抜けたサインツに対し、ローブは8番手。遅れを取ることになったローブは、総合優勝に手を懸けるべくペースアップを開始し93km地点をサインツに次ぐ2番手で通過した。好ペースのままトップに躍り出るかと思われたが、132km地点でまさかのストップ。大きな石にヒットしたことでフロントサスペンションにダメージを受けてしまう。

 同型のマシンを駆るナッサー・アル-アティヤ(プロドライブ・ハンター)が前日に撤退したことも災いし、チームに助けを要請するもすぐに救いの手が届くことも難しく、トラブル発生地点にて1時間以上が経過。最終的には、同じマシンを使用するユンシャン・レーシングのジ・ユンガンにスペアパーツをもらい受け、ローブは破損部分を修復してステージに復帰して1時間28分15秒遅れの36番手でステージを走破した。

 長いラリーの最終盤に、総合優勝への権利を失ってしまったローブは、「難しいステージだった。岩の上に座り込んで1時間以上を失ってしまった。その時は、完全に終わったと思っていたが、同じハンターに乗ったジ・ユンガンが必要なスペアパーツを渡してくれたので、それを受け取ってリスタートできたんだ。しかし、パンクにも悩まされた。ゆっくり走っていても、何度もパンクが起きて、最後は3本パンクしたまま走ったほどだった。そのまま、なんとかゴールまでたどり着いたよ」と運命を分けたステージ11を振り返った。

■総合3番手でステージ11を迎えたトヨタGRのモラエスにも試練

 対するサインツは、333km地点で首位に立つ好ペースを見せ、ローブとの差をさらに広げにかかる。残るステージでも快走を続け、結果としてはシシェリとオーバードライブ・レーシングのギヨーム・ド・メビウス(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)に先行を許したものの420kmのSSを3番手タイムでフィニッシュした。

 最終ステージを残すのみとなった18日終了時の総合首位はサインツ。メカニカルトラブルなどで後退を余儀なくされたローブは、1時間36分02秒差の総合3番手にダウン。代わってステージ11を2番手で走り抜けたメビウスが、1時間27分06秒差の総合2番手に浮上している。

 TOYOTA GAZOO Racing勢は、ステージ10終了時に総合3番手につけていたルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U)が360km地点で約25分を失った。最終的には2時間以上の後れを取りステージ100番手に沈んでしまう。これによりモラエスは表彰台圏内から総合でも9番手にダウン。代わってTGR勢最上位となったのは、ステージ11を10番手でフィニッシュしたガイ・ボッテリル(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U)で総合9番手から6番手へとポジションアップしている。

 二輪部門では、総合2番手につけるヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)が今大会2度目のステージウインを飾った。32秒差の2番手には、ブランチと総合優勝を争うモンスターエナジー・ホンダ・チームのリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)が続き、最終日を前にしたふたりの差は10分22秒差となった。ステージ3番手には、モンスターエナジー・ホンダ・チームのエイドリアン・ファン・ベベレン(ホンダCRF450ラリー)がつけ、総合順位でも3番手をキープしている状況だ。

 日本勢は、日野600シリーズでトラック部門に挑む菅原照仁(日野チームスガワラ)が今大会最上位となるステージ6番手タイムを記録。部門総合順位では7番手をキープしている。そしてトヨタ・ランドクルーザーGRスポーツで市販車部門に参戦するチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ロナルド・バソが7時間21分2秒でステージウイン、チームメイトの三浦昂が36秒差のクラス2番手で続いた。部門総合順位では三浦が首位、バソが2番手でワン・ツーを保持したままラリー最終日に臨む。

 ダカールラリー2024の最終日となる19日(金)は、ヤンブーを起点として円を描くようなループルートが舞台となり、175kmのスペシャルステージを含む計328kmの行程で争われる。

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