【漫画】カニが案内する沖縄ツアーに参加したら……不可思議で哀愁漂うSNS漫画『琉球蟹探訪』が話題

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2024年01月21日 10:10  リアルサウンド

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『琉球蟹探訪』より

 沖縄旅行で出会ったのは「蟹ツアー ¥2000」と描かれた看板を持つ1匹の蟹。そんな蟹と主人公の短い旅を描いた漫画『琉球蟹探訪』が2024年1月にXで投稿されると、1.1万いいねを超えるなど、大きな反響を呼んでいる。


(参考:カニが案内する沖縄ツアー『琉球蟹探訪』を読む


 本作は作者・さとかつさん(@satokatu031)が沖縄へ旅行した体験を元に描いた作品なのだという。本作を創作したきっかけ、蟹に対して思うことなど、話を聞いた。(あんどうまこと)


ーー本作を創作したきっかけを教えてください。


さとかつ:昨年、沖縄に旅行したのですが、その際に「シオマネキ」という片方のはさみが大きい蟹を目にしました。存在は知っていたのですが、実際に見たのは初めてで。


 片方のはさみが大きいシオマネキはオスだけなのですが、おそらく繁殖目的ではさみを振るんです。自分はその光景が人間に何かを呼び掛けているように見えました。


 シオマネキとの出会い、そして沖縄の街並みを歩くなかで本州とは異なる雰囲気を感じたことも含め、沖縄で不思議なことがあったら面白いだろうと思いながら本作を創作しました。


ーー本作の最後、シオマネキが手を振るシーンが印象に残っています。


さとかつ:このシーンは本作を描くなかで最初に思いついたシーンです。シオマネキが沖縄の街を案内してくれて、別れる際に手を振ってくれたらいいなと思いながらストーリーを膨らませました。


ーーさとかつさんが蟹に抱く印象を教えてください。


さとかつ:蟹って人間っぽいところがあると思います。目をパタパタさせたりなど、生き物のなかでは表情があるように感じて。自分が沖縄へ行ったのは蟹を見るためで、シオマネキだけでなく体の小さいチゴガニと会えたり、本作の終盤に出てきたオカガニが道路を歩く光景を見ました。蟹たちと出会うなかでこの体験を漫画として描きたいなと思ったことも、本作を創作したきっかけです。


 旅行では沖縄にあるほとんどの水族館に足を運び、人間の都合で自然が犠牲になってしまう沖縄の現状を知って。蟹のことと住人の暮らしや安全を天秤にかけたら自然が犠牲になってしまうことはしょうがないと思いますし、自分も現地に住んでいたら蟹のことなんて考えることができないかもしれません。ただ本作を通じて蟹のような命の存在を知っていただけたらといいなと思っています。


ーーさとかつさんの好きなものは?


さとかつ:魚、とくに海が大好きです。どんな漫画でも、まずは海の物語を描きたいというところから創作しています。そこから人間・生き物の関わりへと話を広げていますね。


 自然のものは深く調べれば調べるほど未知のものが出てくるのですが、そのなかでも海の世界はまだまだわかっていないことが多いです。底が知れないと言いますか……。そんな神秘性が漫画の題材としても使いやすいですし、単純に僕が海へ出かけるなかで感じていることでもあるので、海を題材とした漫画を多く描いています。また自然や生き物以外にも船などの乗り物も好きです。


ーー作品を描く際につかっている画材は?


さとかつ:細かな修正などはデジタルツールを用いていますが、作画はすべて紙とペンで行っています。自分は質感が伴った漫画が好きで、デジタルツールではなくインクとペンで描くことで質感のある作品を生み出せると思っています。


 またインクとペンで描くと、インクのにじみや線のカスレといった、自分では予測できない部分も描かれてしまいます。そんなアナログツールだから表現できるものもあるかと思い、頑なに紙とペンで漫画を描いています。現在は商業媒体で漫画を描くことも視野に入れていますが、それでもアナログなツールで漫画を描いていくと思います。


ーー今後の目標を教えてください。


さとかつ:2年ほど同人活動として漫画を描いてきたなか、ありがたいことに商業媒体で作品を描かないかというお声も頂いています。自分は漫画の単行本が好きなので、いつか自分の単行本が出版されたらいいなと思っています。


(取材・文=あんどうまこと)


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