各局で量産される「カラオケ番組」、飽きられないまま“乱立状態”が続く裏事情

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2024年01月21日 16:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

『千鳥の鬼レンチャン』でMCを務める千鳥

 テレビ東京系の『THE カラオケ☆バトル』やTBS系の『バナナサンド』の人気コーナー「ハモリ我慢ゲーム」など、今、歌唱力を競うようなカラオケ番組が各局で乱立している。特にこの年末年始は、『歌唱王〜歌唱力日本一決定戦』『熱唱!ミリオンシンガー』(共に日本テレビ系)などの特番も花盛り。なぜ、カラオケ番組が増えているのか?

音楽バラエティーが飽和状態に

「今、カラオケ番組だけではなく、音楽バラエティー自体が増えているんです。その中心がカラオケ番組といっていいでしょう」

 こう教えてくれたのは、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さん。ここ1、2年でカラオケ番組などの音楽バラエティーが一気に増え、今や飽和状態になってきているという。

「例えば、『オオカミ少年』(TBS系)では、芸能人がカラオケを熱唱する『ハマダ歌謡祭』が話題となり、メインの企画になったりとさまざまな音楽バラエティーが誕生しています。その火つけ役のひとつとなっているのが、'22年にスタートした『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)。当初は日曜夜8時という大河ドラマの真裏の放送なので苦戦するのではと言われていたんです。

 しかし、楽曲のサビの部分だけを10曲歌い切れば賞金がもらえる企画『サビだけカラオケ』が視聴者にウケて予想以上の人気に。この成功例から各局でさまざまな趣向を凝らした音楽バラエティーが作られるようになりました」(木村さん、以下同)

テレビ局側にもメリットが

 SNSの普及により若者の間で起こった、昭和から平成にかけての音楽の再ブームも人気を後押ししているそう。

「近年、アーティストたちが続々とカバーをしたり、TikTokでもよく使われたりしているので、10〜20代の若い子たちにも昔の曲はキャッチーで耳なじみもある。一方、40代前後の親世代にはど真ん中で懐かしい楽曲ばかり。しかも、歌唱力を競うような番組は採点のドキドキ感も味わえる。そういった部分が視聴者にハマり、ファミリー視聴が見込める数少ないコンテンツとして再評価され、増えています」

 カラオケ番組は、テレビ局側にもメリットがあると木村さん。

「基本的にセットとキャストがいれば成立するので、制作費が抑えられますし、番組の構成もやりやすい部分はあります。何より、番宣を絡めて人気アイドルや俳優などのキャスティングがしやすい。今は歌手活動だったり、ミュージカルにも出るような歌のうまい俳優も多いですし、番組的にも視聴率が見込めるというメリットはあります」

 昨年末の『第74回NHK紅白歌合戦』の視聴率が過去最低を記録するなど、昔ながらの音楽番組が衰退。カラオケ番組のような音楽バラエティーは飽きられずに、今後も増えていくのだろうか。

「今の音楽バラエティーは歌と踊りがメインで、そこにエンターテインメント性を加えていくのが主流になっています。視聴率も悪くないですし、まだまだ見せ方はあると思うので、しばらくはこの人気が続くと見ています

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  • 安上がりな制作費で、そこそこの視聴率も取れる。テレビマンの安易なお手軽仕事。
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