懐かしいメンバーの顔を見て思わず顔もほころびます。30代になった友人たちはそれぞれ仕事で活躍していたり、結婚していたり、子どもがいたりとさまざまです。すると仲良しだったサキが私の姿を見つけて声をかけてきました。
サキが遠方の大学に進学したこともあり、ずいぶん会っていませんでした。久しぶりの再会に私たちは大興奮です。
会うなり一瞬で、仲良しだった高校時代の感覚に戻った私たち。「今どの辺に住んでるの?」「大学を卒業してから何してるの?」などお互いの近況を話して盛り上がりました。そして……。
「ニューヨーク……!?」私は驚いて聞き返しました。
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思わず驚いてしまいました。しかしそれは純粋な驚きではありません。嫉妬も入り混じった感情でした。サキはそんな私の気持ちに気付かず、さらに話します。
さっきまで楽しかったはずの同窓会が、なんだかぼんやりと色あせて見えはじめました。自分のショックの原因が「サキが遠く離れた場所へ行ってしまうこと」ではないと、わかっています。
サキは海外赴任を任されるほどになっているのです。なんだか置いて行かれたような気持ちです。高校時代はむしろ私よりも成績が下だったサキ。いつの間にか逆転されて、それどころかずいぶん差がついてしまったような……。
留学を断念したときの悔しさがよみがえります。自分のなかでぐるぐる回るイヤな感情が止められなくなってしまいました。
高校生の頃には同じように過ごしていたサキと私。ところがサキはニューヨーク赴任という華々しい道を歩き、一方で私は英語ができずに仕事のたびに同僚に頼りきっている始末。しばらく会っていなかったとはいえ、なんだかずいぶん引き離されてしまったような気がします。はからずもコンプレックスを刺激されて、私はイライラを抑えきれません。私だって留学したかった……。どうしたらこの気持ちを鎮められるのでしょうか。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・なかやまねこ 編集・井伊テレ子