青木さやか、幼稚園のお迎え連絡に「今からロケです…」は通用しない シングル子育て時代の緊張感

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2024年01月29日 08:00  ORICON NEWS

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青木さやか (C)ORICON NewS inc.
 50歳を迎えた青木さやかが、等身大の自分を見つめて率直につづったエッセイ本『50歳。はじまりの音しか聞こえない』(世界文化社刊)。勝ち組になれなかった駆け出しのころの心境や、「どこ見てんのよ!」というキレ芸が生まれたきっかけ、バツイチでシングルマザーという現状、マッチングアプリの体験談など赤裸々に明かしている。ここでは同書から、青木がつづったエピソードを一部抜粋。仕事と育児の両立と、シングル子育てで実感したご近所づきあいへの思いについて紹介する。

【写真】「辻ちゃん似でかわいい」12歳愛娘との2ショットを公開した青木さやか

■わたしは“バツイチ”、“シングルマザー”

 うちには、いま中学2年生の娘がいる。いわゆる"シングルマザー"というやつだ。結婚したときは、もちろん離婚なんて考えていなかったが、結果離婚したということは、お互いにハンコを押したということだ。

 離婚したとき、「離婚なんてして」という声もあったし「離婚できて羨ましい」という声もあった。さやかさんは仕事をもってるから離婚できていいね、ということでもあるのだと思う。

 それはそうかもしれないが、旦那さんのお金で生活ができてありがたいという謙虚さがわたしにはそもそもなかったのだと思う。だから、自分では金銭面で生活できない、というのは離婚へのストッパーになるからいいんじゃないかな?と思う。

 そう。わたしは離婚反対派である。それは、よりを戻したいという思いからではない。ただ、単純に、シングルマザーって大変だ!という10年以上の思いから、今からシングルマザーになろうとしてる人、考え直せるならしてみたらいいのではないか派である、ということだ。

 娘が2歳のときに離婚をした。離婚したあとは、うちは2人暮らしになった。2人というのは気楽だが、小さな子どもがいると決して体調を崩すわけにはいかないというプレッシャーが大きい。わたしが寝込んだ日には、一体誰が幼い娘のごはんを作り寝かしつけてくれるわけ〜となるので、倒れられない!と緊張しながら生活をしていた。

 離婚もしているものだから簡単に元旦那さんにお願いできないし(自業自得)、実家の母ともうまく行っていなかったので来てほしいとか助けてなんて口がさけても言えない(超自業自得)。

 娘が体調を崩すと、保育所や幼稚園から即連絡が入り「迎えに来てください」となる。え、迎えに?いまロケですけど。だが、子どもの世界では、「ロケだからなんですか?来てください」が当たり前なのである。わたしは、仕事なの、と言えば、他の約束は遅れても許されると思って生きてきたのだ。

 わたしは当時、パニック症の薬を飲んでいた。家でもたまに意識を失うのではないかという不安にかられた。幼い娘がいることで、わたしが倒れたらこの子はどうなるの?というプレッシャーでさらに倒れそうになるのだ。

 三軒茶屋の細長い戸建てに2人で住んでいた。1階の狭い部屋にセミダブルのベッドをぎゅーぎゅーに置いて2人で寝ていた。夜は小さな窓を網戸にしていた。格子があり開けていても危険ではなかった。娘には「もしママに何かあったら窓から大声で助けて、と叫びなさい」と教えていた。声が聞こえてくるほどの近い距離に隣家はあった。隣の家のご家族とは、仲が良かった。

 子どもをもつまでは考えられなかった近所との交流。全く必要がなかったのだ。むしろ、誰にも会わずに駐車場から部屋まで行けるマンションを希望した。ご近所さんとの立ち話なんて無縁の世界にいた。

 しかし、子どもをもち、シングルになってみると、ご近所さんが娘の存在や名前を知ってくれていることは防犯上大きな安心感に繋がった。

 それにわたしのような面白いがバランスの良くない人間が、一人の考えで娘を育てるより、多くの方の考えを娘に入れてほしかった。パパやパパの家族、地域、学校、娘と関わってくれる人が少しでも娘を大切にしてくれるような関係作りがわたしの仕事の一つになった。

 共生、共存。生活していくには、必要不可欠なことだという考えにシフトした。

■プロフィール
青木さやか/タレント、俳優、司会者。1973年愛知県生まれ。「どこ見てんのよ?」の決め台詞でブレイク。その後バラエティ番組や数々のドラマ出演で活躍。NHK『あさイチ』やテレビ東京系『なないろ日和』にも出演している。舞台出演、講演も行う。仲間との動物保護活動にも力を入れている。2021年刊のエッセイ集『母』(中央公論新社)が版を重ねた。他の著書に『厄介なオンナ』(大和書房刊)、『母が嫌いだったわたしが母になった』(KADOKAWA刊)がある。

このニュースに関するつぶやき

  • ママ友の助けがあると凄く助かるよね 仲良くしておく必要はあると思う それも小学生の頃までかなぁ あとは親同士が仲良しだとずっと付き合いが続く それはそれで楽しい
    • イイネ!3
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