昨年は冬の時点でマシンに納得できなかったフェラーリF1。2024年は「感覚が大きく異なる」と明かす

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2024年01月31日 18:10  AUTOSPORT web

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2023年F1アブダビテスト カルロス・サインツ(フェラーリ)
 フェラーリのアンバサダーで元テストドライバーのマルク・ジェネは、フェラーリの新型F1マシン『SF-24』の感触は昨シーズンのSF-23とはかなり違っており、これはフェラーリがレッドブルとのギャップを縮めようと努力するなかで、楽観視できる根拠だと述べている。

「話せることといえば、シミュレーターから分かることと、シミュレーターに乗ったドライバーの感覚だけだ」とジェネは、『グランド・ガラ』のイベントで『ムンド・デポルティーボ』に語った。

「まだクルマがコースに出るのを待たなければならないが、それは2月13日のことになる。その後バーレーンでプレシーズンテストが始まる。本当の判断をして、最終的な評価ができるのは、コース上だけだ」

 ジェネは1年前と比較して「今年の感覚は大きく異なる」と語り、チームは昨年SF-23に期待できると思われるパフォーマンスについて、驚くほど早い段階から懸念を抱いていたことを明らかにした。

「昨年のこの時点で、シミュレーターで分かったことから、我々がもはやマシンに完全に納得していなかったのは事実だ」

 公には、フェラーリはレースでの勝利とタイトルを争う自信に満ちた雰囲気を醸し出して2023年シーズンに入ったが、そうした期待は最初から完全に打ち砕かれた。昨シーズンが始まるわずか数週間前にフェラーリF1のチーム代表に就任したフレデリック・バスールは、今年のマシンは前モデルとは95%異なっていると述べている。

 新しいデザインでは、引き続きフロントのプッシュロッドとリヤのプルロッドが採用されるが、メディアの報道によると、エアフローを増やしてグラウンドエフェクトを高めるために、“一種のキール”で微調整されているという。伝えられるところでは、“バイパス”ダクトの導入に伴い、ギヤボックスのレイアウトも微調整されたということだ。

 しかしジェネは、現在レッドブルとの間に存在する大きなギャップを2024年に埋めることは、非常に難しい課題になると認めている。

「レッドブルは昨年非常に大きな差をつけたが、彼らは今年のマシンの方がはるかに優れていると言っている。だから彼らが本命であることは明らかだ。(ギャップを埋めるのは)難しいことだ」

「世界選手権タイトルを彼らと争うということは、少々楽観的な見方だ。でもそれは、もう一歩前に進み、彼らとさらに白熱した戦いができるようになったら、ということだ」

 SF-23は予選で好結果を出したが、レースでは順位を落とした。それでもカルロス・サインツはシンガポールGPで勝利を収め、2023年にレッドブル以外で優勝した唯一のドライバーになった。『Sky Sports F1』のプレゼンターであるナタリー・ピンカムは、今月バーミンガムで開催されたオートスポーツ・インターナショナルのイベントで話すなかで、昨年のマシンが初期の期待に応えられなかったことについて、サインツとシャルル・ルクレールの両方と話したことを振り返った。

「シャルルはシングルラップでパフォーマンスを示して見せました。それは疑いの余地がないと思います」と、ピンカムは聴衆からの質問に答えて指摘した。

「1ラップで速さを発揮できるけれど、戦略を通してのレース距離では実際にその速さを出せないというのが、彼らの能力なのでしょうか? それが彼らの原因のようです。私はそれについての答えを持ち合わせていません。彼らも明らかに分かっているとは思いません」

「カルロスにインタビューして、『このマシンのことをさらによく理解できましたか?』と言ったとき、かなり落胆したのを覚えています。彼らはこのマシンが一部の場所では機能し、他の場所ではそうではない理由が分からなかったのです」

「彼がシンガポールで優勝したのを目にしたのは素晴らしいことでした。それは一条の光であり、彼らにとってのライフラインでした。そして、非常に挑戦的で潜在的な危険に満ちたサーキットで彼らが勝てたのは、興味深いことでした」

「必ずしもすべてがレッドブルの思いどおりにいくわけではない状況を彼らが引き続き活用できれば、彼らはうまくやれるでしょう。フェラーリが素晴らしく強くあることは、F1にとって最高のことだと思うので、彼らがトップに戻るのを見たいものです」

「シャルルがタイトルを獲得するところを見たいです。彼がもっとレースに勝つのを見たいですね」

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