結婚式で新婦が学会発表!? 研究者夫婦のユニークすぎる式が話題に、両親への感謝込めたプレゼン「本研究の目的は…」

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2024年02月02日 07:10  まいどなニュース

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新婦による「娘からの手紙」ならぬ「娘からの研究発表」の様子(れごさん@FluffyHerniaのXより)

研究者同士で結ばれたカップルのユニークすぎる結婚式の様子が、Xで話題になっています。新婦が読む「両親への感謝の手紙」は学会発表のプレゼン風、さらにウェディングケーキは二人の専攻にちなんだロケットのデザイン…。式の様子を新婦がXに投稿すると1.8万件以上の「いいね」が集まりました。こだわりが詰まった式について取材しました。

【写真】結婚式で新婦から両親へ宛てた「学会発表」のスライド資料… 笑えるのに、泣ける

専攻にちなんだ「ロケットケーキ」

れごさん(@FluffyHernia)は自律移動ロボットの研究者で、夫は素材技術や宇宙産業に携わる研究者。出会いは大学時代、航空宇宙工学専攻でクラスメイトだった時です。そんな二人が今回、ウェディングケーキのモチーフに選んだのはロケットでした。

「私たち自身が宇宙好きであるのはもちろん、話題のSLIM(小型月着陸実証機)にも深く関わっている恩師の先生方や、同じ専攻のクラスメイトも多く招待するなど、参列者の多くが宇宙好きだったこともあり、この形を選びました」とれごさん。自身がかつて留学先で「ロケットサークル」に所属し、モデルロケットを手作りしていたことも決め手になりました。人工衛星や探査機の打ち上げミッションに使われている日本の大型主力ロケット「H-llAロケット」を模したデザインにしました。

ただ形をロケットにしただけではありません。あらかじめJAXAのロケットの発射カウントダウンのアナウンス音源を録音して用意し、カウントダウン時に流しました。さらにケーキの下でドライアイスの煙を噴射し、ロケットエンジンの点火を再現する手の込みよう。「発射」のアナウンスに合わせてケーキカットを行い、会場は大盛り上がりだったといいます。

笑えるのに泣ける!?「新婦からの研究発表」

結婚式で定番の「新婦が両親に贈る感謝の手紙」は、感動的な演出が一般的ですが、ここでも二人ならではの工夫が光りました。

会場には「人生を楽しく歩んできたことについての研究報告」というスライドが映し出されました。れごさんがその前に立ち「それでは『人生を楽しく歩んできたことについての研究報告』と題しまして、新婦○○(本名)が発表いたします」と、さながら学会発表のように“プレゼン”を始めたのでした。

目次で示されたのは、目的▷手法・結果▷まとめ▷今後の展望、という項目。まず目的は「私が幸せな人生を送ること」で、その手法や結果として「両親からの影響」「私がどのように育つことができたか」を紹介するという流れです。

ゲストには大学の研究者、理系の大学院を出て学会発表を経験した人が多く、会場は笑いに包まれました。中には、自主的にベルを鳴らす(※一般的に学会では発表終了の時間を知らせるベルが鳴る)ゲストもいるなど大盛り上がり。れごさんは次のように、両親への感謝を伝えました。

「パパはユーモアがあっていつも面白いことを言って私たち家族を笑顔にしてくれるところが大好きです。私もパパを見習って人を楽しい気分にさせるような人になりたいです」
「また、私がエンジニアの道に進んだのはパパが子供の頃から実践的な指導をしてくれたおかげです。小学生の夏休みには一緒に電子工作教室に通ってくれたり、大人になってからも、突然私に洗濯機を分解しようと持ち掛けてくれました。このように手を動かして色々なものに触れさせてくれたおかげで、テクノロジーに興味を持つようになりました。将来、いつか車を分解してみたいので、その時はぜひ監督よろしくお願いします」

「お母さん。お母さんはいつも私のよき理解者で、親友のように接してくれるところが大好きです。小学生の時、留学というものがあることを教えてくれたのはお母さんでした。提案を受け、一年間一人でイギリスに留学してから帰国したときは、漢字と日本史が全然できなくなっていました。でも、お母さんは私の隣で、私と一緒に勉強してくれたり、日本史に至ってはなんと、独自教材を作ってくれました。仕事が忙しいにも関わらず、私と向き合う時間をたくさん取ってくれたおかげで、私はここまでやり遂げることができました」
「もう一つ、お母さんは私の人生を大きく変えるきっかけを作ってくれました。高校生向けの宇宙キャンプの記事を雑誌から、お母さんが見つけ出していなかったら、私は今頃宇宙に想いを馳せることもなかったと思います。大きな、大きな夢を持つチャンスをくれてありがとう」

その後、今後の展望・まとめとして、笑顔が溢れる楽しい家庭を築くことを約束したれごさん。「以上で新婦からの研究発表を終わります。ご清聴ありがとうございました」と結び、会場から大きな歓声と拍手が送られました。

両親「そう来たか!」

式が終わった後、ご両親に感想を聞いたところ「性格からして結婚式でも普通とは違うことをするとは想定していたけれど、いざ発表が始まると『そう来たか!』と驚いた」「資料付きでプレゼンされてこっぱずかしかったけれども、よくまとまっていて分かりやすかった」と喜んでいたそうです。

れごさんは「いかに学会発表らしい構成にできるか苦心した」とし、「両親にはこれまでのエピソードと感謝の気持ちを伝えたかったのですが、内容を目的・手法・結果・まとめ・今後の展望という型にはめるのがなかなか難しかった」と振り返ります。ちなみにこの後には新郎挨拶用にもスライドが用意されており、ゲストに向け「論文っぽい」文体の謝辞をスライドに出しました。新郎の締めコメント「質問のある方は二次会にてお受けします」も大ウケだったそうです。

式の様子をXに投稿すると「個性を生かした結婚式で素敵」「センスありすぎる」といったコメントが寄せられました。

反響について「ここまで大きな反響を頂けるとは思っていませんでした。学会に参加する機会の多い理系の方からリポストやいいねが多かった印象があります」とれごさん。「自分の結婚式でもやりたいとの反応が案外多く嬉しかったです。式の会場である淡島ホテルに注目が集まったことも嬉しく思いました」「他にも、学会発表の質疑応答の際の枕詞ともされている『素人質問で恐縮ですが…』というコメントも多く、くすっと笑いました」と話しています。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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  • こんな結婚式なら夫婦の共同作業として楽しいだろうな。
    • イイネ!4
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