「ハリー・ポッター」ファンの“裏側”を知りたいニーズを証明した「スタジオツアー東京」

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2024年02月02日 20:30  ORICON NEWS

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ピエール・ボハナ氏=「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」にて (C)ORICON NewS inc.
 旧としまえん跡地(東京都練馬区)に誕生した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」に展示されている、映画「ハリー・ポッター」と「ファンタスティック・ビースト」両シリーズの小道具制作ヘッドを務めた、世界的な映画制作者のひとり、ピエール・ボハナ氏が1月下旬に来日。多くの来場者でにぎわう同施設のヒットの舞台裏を探った。

【画像】『ダンブルドアの秘密』に登場したベルリン行き列車の展示

 映画「ハリー ポッター」シリーズ最後の作品(現時点)『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011年)が公開された翌年(12年)、英ロンドン近郊に「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン- メイキング・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。実際に撮影で使われたセットや小道具、衣装などを間近で見学でき、その世界に没入した体験ができるその施設は、映画シリーズ完結で“ハリポタロス”に陥っていたファンに熱狂的に受け入れられ、その熱は10年以上経っても冷めることなく、いまだに人気を博している。。

 そして、世界的にみても群を抜いて人気が高い日本に2例目となる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京- メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が23年6月16日にオープンした。

――「スタジオツアー」のような施設を作ってよかった、と思ってることは?

【ピエール・ボハナ(以下、P・B)】オリジナルのロンドンの施設は、そのコンセプト自体に存在意義があることを証明できたと思います。映画「ハリー・ポッター」シリーズに対して、原作者であるJ・K・ローリングが生み出した物語に対して、そして映画づくりに対して、多くの人々が関心を持っていることが証明された。映画に関するミュージアム的な施設はほかにもありますが、「ハリー・ポッター」と「映画づくり」の掛け合わせであることがポイントで、非常に熱量の高いファンがたくさんいることが証明できました。

 東京の施設に関しては、ロンドンの施設で証明できたものをベースに、「ハリー・ポッター」シリーズや「映画づくり」というものをより祝福するような、そういう施設になってると思います。2つ目ということで、改善したところもありますし、かなり洗練されたものになっていますね。実際にセットの装置の中に入り込む没入感も体験できますし、一歩下がってどうやって作られたのか、モノづくりの裏側を見る楽しみも提供できていると思います。

――ロンドンがオープンした時には、シリーズが始まっていなかった「ファンタスティック・ビースト」シリーズ(1作目の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は2016年公開)に関する展示は「東京」の方が充実していますね。「ハリー・ポッター」と「ファンタスティック・ビースト」は同じ“魔法ワールド”のフランチャイズ作品で、世界観を共有していますが、小道具制作おいての相違点は?

【P・B】「ハリー・ポッター」シリーズは、小説に書かれた魔法の世界をビジュアル化するプロセスが大変でしたが、「ファンタスティック・ビースト」では出来上がっている世界観を拡張していく感じでした。ただ、「ファンタスティック・ビースト」は一種の“時代もの”なんですね。「ハリー・ポッター」の1作目(1991年が舞台で、主人公のハリー・ポッターは11歳、ロンドン近郊に住んでいた)の約70年前、1926年の米ニューヨークが舞台です。なので、すでに存在しないものや場所がかなり出てくる。そういったものをゼロから作っていく作業が多く、「ハリー・ポッター」の時とは違うチャレンジがありました。

――昨年4月、「ハリー・ポッター」シリーズのドラマ化が正式発表されました。原作者であるJ・K・ローリングが製作総指揮を務め、キャストも一新して、原作に忠実に1シーズン1巻のペースで10年にわたるシリーズとしての制作が予定されています。どのようなところに期待していますか?

【P・B】「スタジオツアーロンドン/東京」にあるような世界観になるのか、または全く違う魔法ワールドを創造するのか、ドラマについてはまだ時期早尚といいますか、私にもわからない。ただ、楽しみに待ちたい気持ちは皆さんと一緒です。

■『ダンブルドアの秘密』ベルリン行きの列車を再現

 「スタジオツアー東京」には、ロンドンにはない展示の一つとして、22年に公開された『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』に登場した、ドイツのベルリンに向かう旅客列車が展示されている。映画づくりにおいて、切っても切り離せないものが“予算とスケジュール”。これにまつわる裏話も紹介されている。ニュート・スキャマンダー、ジェイコブ・コワルスキー、テセウス・スキャマンダー、ユーラリー・“ラリー”・ヒックス、バンティ・ブロードエーカー、ユスフ・カーマの衣装も展示されている。「9と3/4番線」と「ホグワーツ特急」のエリアにある。
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