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前回からの続き。
私は木村ワカコ(27)。夫のユイトと4歳の娘スズと3人で暮らしています。ユイトとは、私が学生のときに知り合いました。2歳年上のユイトのおおらかさに私が惹かれ、アプローチ。私の大学卒業を待って結婚し、すぐに娘が生まれました。幸せな暮らしをしていますが、私は会社に勤めて働いた経験がありません。そのためユイトが毎日会社に行ってどのようなことをしているのか、想像がつかないのです。
バレンタインデーの時期。ユイトはおととしから「坂下さん」という方からバレンタインに高級チョコレートをもらうようになりました。どういう関係なのか、どういう気持ちなのか……。モヤモヤした私は、ユイトに思い切って聞いてみようと決心しました。ちょうどそのとき、出掛けていたユイトとスズが帰ってきました。
水族館から帰ってきた娘のスズの腕には、大きなぬいぐるみが抱えられています。ユイトとスズとの幸せな生活。たかがチョコレートでモヤモヤするなんて、私はどうかしていました。
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![バレンタイン高級チョコ 3_1_2](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541146-7b21c46d11a98915c105ef9b39984928-1200x513.png)
だけど、毎年モヤモヤするのはもうやめたいんです。意を決し、「ユイト、ちょっと聞きたいことがあって……」私は話を切り出しました。
![バレンタイン高級チョコ 3_2_1](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541151-ca75fd5428118a6be8e18dd2831652a3-1200x545.png)
「どういう関係なの?」私は坂下さんについて率直に尋ねます。ユイトは不思議そうに「関係……? 部下だけど」
「でもただの部下が毎年あんな高級チョコレートをくれるものなの? カードも添えて……」
するとユイトは……。
![バレンタイン高級チョコ 3_2_2](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541154-528271960ff04e1ea6506c4319b344f7-1200x510.png)
ユイトは黙って私の話を聞いていましたが、急に笑い出しました。
![バレンタイン高級チョコ 3_2_3](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541159-8f68ee663fc756e236949e35937f9d8d-1200x545.png)
ユイトは大笑いしたあと、涙をぬぐいながら話してくれました。「坂下さんはおれの部下。ワカコより1つ下かな? 真面目な子でさ、会社に入って1年くらいで、ストレスで体調を崩してしまって……」
![バレンタイン高級チョコ 3_3_1](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541162-63988fd7d67fdd4de16de299ea7e7502-1200x546.png)
![バレンタイン高級チョコ 3_3_2](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541166-eb8aa280032e2ce6e19f4627622ddfec-1200x510.png)
ユイトは優しい顔で微笑みます。ああそうだ。私はユイトの優しいところが大好きなのです。それなのに勝手に想像をふくらませて……。恥ずかしくて顔が熱くなりました。
![バレンタイン高級チョコ 3_3_3](https://image-select.mamastar.jp/interspace/wp-content/uploads/1706541168-4f43fdda4993feea342ae166d49d7e83-1200x544.png)
ユイトが明るく返事をしてくれて、事情も聞けたので私の気持ちもすっかり晴れました。モヤモヤしたままでいなくてよかった、心底そう思いました。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・もえこ 作画・春野さくら 編集・塚田萌