Ave Mujica、1st LIVEで色濃く描き出した“独自性” コンテンツの可能性をも押し広げる圧巻のステージ

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2024年02月10日 12:00  ORICON NEWS

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『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』 Photo by ハタサトシ (C)BDP
 次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれたリアルバンド・Ave Mujica(アヴェムジカ)が1月27日、神奈川・横須賀芸術劇場で『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』を開催した。

【画像】新曲、ライブなど新情報が次々に発表!『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』キービジュアル

 同バンドは、ミュージックビデオやデジタルシングル、映像、SNSを通じて提示される謎をユーザーが紐解くという、“現実”と“仮想”を交差させる形でコンテンツを展開させ、2023年6月4日に『Ave Mujica 0th LIVE「Primo die in scaena」』で初めてファンの前に姿を見せた。

 しかし、この時点ではキャラクター/キャストともに謎に包まれたまま。同年9月14日に放送されたテレビアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』13話でついに“結成”し、佐々木李子(Gt&Vo、ドロリス/三角初華役)、渡瀬結月(Gt、モーティス/若葉睦役)、岡田夢以(Ba、ティモリス/八幡海鈴役)、米澤茜(Dr、アモーリス/祐天寺にゃむ役)、高尾奏音(Key、オブリビオニス/豊川祥子役)の5人からなるバンドであると明かされ、本ライブが発表後初の単独公演となった。

■「今宵、新たな世界の始まり」――強靭なアンサンブルで明示した進化と覚醒

 ライブは、ステージを覆い尽くす紗幕に、前述のアニメ13話のラストで放送されたキャラクターの映像からスタート。紗幕が上がり、舞台上の5人がヘヴィかつダークなアンサンブルを鳴らし始める。そして佐々木の「…ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」というセリフが投げ放たれた。

 1曲目に選ばれたのは、『0th LIVE』のラストで初披露され、アニメでの“結成”時にもキャラクターたちがパフォーマンスしたセルフタイトル曲「Ave Mujica」。前回の単独ライブからの約半年間でブラッシュアップされた演奏スキルはもちろん、テレビアニメでの“結成”を経たことで、ステージパフォーマンスや所作の一つひとつに一層の説得力が宿っていた。

 馬蹄型のホールが醸し出す雰囲気、そしてヘッドセット式マイクの導入がもたらしたアクションの自由度により、ライブ自体もロックオペラ然とした空気をまとう。特に「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」での佐々木と高尾が互いに視線を向けながら歌った1シーンなどは、こうした機材の変更が大きく奏功した場面となった。

 中盤のセクションでは、ライブタイトル『Perdere Omnia(=すべてを破壊する)』の意味を回収するようなキャスト陣の演劇がイントロダクションとなり、新曲「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」を披露。観客の意表を突くとともに、Ave Mujicaの独自性を強く提示していく。また、メンバー1人ひとりの一挙手一投足や立ち居振る舞いも、本ライブを一種の“舞台作品”として見せる大きな要因となっていた。

 高尾はRoland製ステージキーボードのFANTOM-08とV-Combo VR-730を起用し、それぞれをピアノ音色用、オルガンやシンセ系の音色用として使い分けた。2台をハの字に配置するセッティングも特徴的だが、「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」で両機を同時に演奏した際には、まるで堕天使が両手を広げて降臨したかのような幻想的な姿にも映った。

 米澤は、2バス仕様が採られたdw製Collector's Mapleシリーズのドラムキットを使用。メイプルらしい音の温かみと抜けの良さを活かしつつ、1曲内のセクションごとにリズムパターンが目まぐるしく変化するビートを的確に叩き出していく。シンバルはすべてPaiste製で統一されており、両サイドのクラッシュやチャイナの位置が高めに設定されたことで、ダイナミックな演奏スタイルに寄与していた。

 岡田のメインベースは、SCHECTER GUITAR RESEARCH(以下、SCHECTER)製EXBASS Ave Mujica Proto Model。ピック弾きを基本スタイルとし、指板上をワイドに使ったグルーヴィーなフレーズをハジき出した。また、ミニスイッチでアクティブ/パッシブの切り替えやスラップスイッチのON/OFFが操作できる特性も活用し、「KINGS」などでは強烈なスラップ奏法も叩きつけた。

 渡瀬はSCHECTER製EX-24-7st Ave Mujica Proto Modelを手に、重厚さとソリッドさを両立させたミュートバッキングやリフなどをプレイ。スパークルを施したボディーやオリジナル形状のピックガードでかわいらしい印象を醸し出すギターだが、SUPER ROCK Jシリーズ製ハムバッカー由来のヘヴィな音色、ピッキングのニュアンスで歪み具合を細かく変化させる渡瀬のスキルによって生まれるギャップも注目点となった。

 佐々木はブラックボディーにゴールドパーツが映えるSCHECTER製AR-07 Ave Mujica Proto Modelを起用。歌唱しながらソロやリードを取る技巧派っぷりも見せつけつつ、「堕天」などでは渡瀬と背中を預け合いながらフレーズを絡ませ、演奏/パフォーマンスの両面でファンを楽しませる。歌唱面では曲ごと、セクションごとに声色を変える多彩さも提示。さらに「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」での絶叫など、前述のヘッドセット式マイクの導入によって、歌唱を“演技表現”の1つへ昇華させていた。

 「今宵、新たな世界の始まり」「私たちは、本当の私たちに生まれ変わる」と“始まり”を描く演劇を経て、自身初のオリジナル曲「黒のバースデイ」へ。『0th LIVE』の開幕を告げた曲であるがゆえに、メンバーの演奏がさらに練度を増していること、アンサンブルがより強靭なものへ進化していることなどを如実に伝えていく。

 そして、ラストナンバーは最新楽曲「Angles」。ライブを通じて、ドロリス(佐々木)が覚醒へ至るまでのストーリーを紡いだ彼女たちだが、「黒のバースデイ」から「Angles」へとつなぐことで、バンドの“覚醒”も明示。

 2025年にテレビアニメを控える現在だからこそ、キャストとしてのMCやアンコールでのオフトークなどは一切なし。5人は冒頭の宣言通り、“Ave Mujicaの世界”を創出することのみに徹し、静かにステージを後にした。

 しかし目撃したファンにとっては、あまりにも鮮烈で濃密な11曲、約1時間半のライブ。終幕後には、1stシングルの発売や5ヶ月連続配信リリース、次なる単独ライブ『Ave Mujica 2nd LIVE』の開催決定なども発表され、会場では期待に満ちたの歓声と拍手が沸き起こった。

■『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』セットリスト
01. Ave Mujica
02. ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
03. KINGS
04. 素晴らしき世界 でも どこにもない場所
05. 暗黒天国
06. Choir ‘S’ Choir
07. Mas?uerade Rhapsody Re?uest
08. 堕天
09. 神さま、バカ
10. 黒のバースデイ
11. Angles

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