馬蹄型のホールが醸し出す雰囲気、そしてヘッドセット式マイクの導入がもたらしたアクションの自由度により、ライブ自体もロックオペラ然とした空気をまとう。特に「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」での佐々木と高尾が互いに視線を向けながら歌った1シーンなどは、こうした機材の変更が大きく奏功した場面となった。
岡田のメインベースは、SCHECTER GUITAR RESEARCH(以下、SCHECTER)製EXBASS Ave Mujica Proto Model。ピック弾きを基本スタイルとし、指板上をワイドに使ったグルーヴィーなフレーズをハジき出した。また、ミニスイッチでアクティブ/パッシブの切り替えやスラップスイッチのON/OFFが操作できる特性も活用し、「KINGS」などでは強烈なスラップ奏法も叩きつけた。
渡瀬はSCHECTER製EX-24-7st Ave Mujica Proto Modelを手に、重厚さとソリッドさを両立させたミュートバッキングやリフなどをプレイ。スパークルを施したボディーやオリジナル形状のピックガードでかわいらしい印象を醸し出すギターだが、SUPER ROCK Jシリーズ製ハムバッカー由来のヘヴィな音色、ピッキングのニュアンスで歪み具合を細かく変化させる渡瀬のスキルによって生まれるギャップも注目点となった。
佐々木はブラックボディーにゴールドパーツが映えるSCHECTER製AR-07 Ave Mujica Proto Modelを起用。歌唱しながらソロやリードを取る技巧派っぷりも見せつけつつ、「堕天」などでは渡瀬と背中を預け合いながらフレーズを絡ませ、演奏/パフォーマンスの両面でファンを楽しませる。歌唱面では曲ごと、セクションごとに声色を変える多彩さも提示。さらに「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」での絶叫など、前述のヘッドセット式マイクの導入によって、歌唱を“演技表現”の1つへ昇華させていた。