土屋太鳳、佐久間大介と10年越しの共演 緊迫した難役とそれぞれに向き合う【インタビュー】

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2024年02月14日 07:00  ORICON NEWS

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映画『マッチング』で共演する佐久間大介、土屋太鳳  撮影:山崎美津留(※崎=たつさき)(C)ORICON NewS inc.
内田英治氏が原作・脚本・監督を務めた映画『マッチング』(2月23日公開)で、究極まで追い込まれる女性と、闇を抱えた“狂気のストーカー”役として共演を果たした土屋太鳳(28)とSnow Manの佐久間大介(31)。スリリングな世界に飛び込み、互いにイメージを覆すような新鮮な表情をたっぷりと披露した作品となり、「改めて俳優業への意欲を確かめた」と充実感をにじませる。撮影現場の様子や、ストーカー役に対するSnow Manのメンバーの反応。多忙な日々を過ごす2人の“今”について語り合ってもらった。

【写真】イメージ一新“ストーカー”を熱演した佐久間大介

本作は、マッチングアプリを題材に“出会い”の裏に仕掛けられた恐怖を完全オリジナルストーリーで描くサスペンススリラー。恋愛音痴な主人公・輪花(土屋)がマッチングアプリを通して吐夢(佐久間)という男と出会い、彼のストーカー行為に恐怖を感じる一方、時を同じくして”アプリ婚”した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。事件の魔の手が、輪花にも迫っていくさまを描く。

■念願の内田英治監督とのタッグに喜び、「絶対にいい作品になる!」

――映画『ミッドナイトスワン』(2020年)など国内外で評価の高い内田監督による最新作。次第に輪花を取り巻く人々の“本当の顔”が明かされていくなど、ゾクゾクするようなサスペンス映画です。まず、オファーを受けた感想から教えてください。

【土屋】『ミッドナイトスワン』を観させていただいていたので、内田監督とはずっとご一緒したいと思っていました。また佐久間さんは18歳の時に『滝沢歌舞伎』で拝見して、すごく感動して以来、ご活躍を拝見してきたので、お話をいただいた時は「ぜひ!」とすぐにお答えしました。まさかその感動から10年越しで共演をさせていただけるとは思っておらず、すごくうれしかったです。ただ内容的には、すごく難しいなと感じて。マッチングアプリを開発したり、利用している方々には誠実に向き合っている方々がいらっしゃるので、マッチングアプリのどんな面に焦点を当ててサスペンスにするのか、それをちゃんと理解して演じないと偏見のような内容になってしまう気がして。丁寧に解釈したいなと思っていました。

――佐久間さんは初の実写映画単独出演となった本作で、暗いオーラをまとった“狂気のストーカー”役にチャレンジ。バラエティー番組などで見せる佐久間さんのイメージとは、まったく違うキャラクターを演じることになりました。

【佐久間】マネージャーから「佐久間くんに映画の話が来ているよ」と聞いて、「そのお話はどういう経緯で来たの?本当に僕を指名してお話をくれたの?」と驚きました。そこで、「バラエティー番組や歌番組で目にする“明るくて元気”というイメージの、さらに深い“陰”の部分を表現しているところを見たい」と思ってくださっていると聞いて。ものすごくうれしかったです。さらに「監督は内田英治監督」と聞いて、「絶対にいい作品になる!」と。続いて「主演は土屋太鳳さん」と聞いて、「うわ!絶対に面白くなる!超楽しみ!」とワクワクしました。

――ドキドキする展開の連続となる本作ですが、輪花と吐夢、金子ノブアキさん演じる影山の激しい格闘シーンも印象的です。

【土屋】輪花が「私だってつらかったんだよ!」と感情をあふれさせるシーンで、「どうやって感情を作っていこう」と悩む場面でもありました。でもお2人はめちゃくちゃ楽しそうにされていて(笑)!少年のようなお2人だなと思いました(笑)。

【佐久間】ワイワイしていたね(笑)。金子さんとは初共演で、実は撮影でご一緒できたのもあの日だけだったんです。

【土屋】ええ!?もうマブダチなのかと思った!

【佐久間】あはは!子どもの頃のことなど、いろいろなお話をさせていただきました。以前、金子さんが出演されていた作品で、Snow Manのみんなでハマった作品があって。本作に出演が決まって、メンバーに自慢しました。「俺、金子ノブアキさんと戦うぜ!」って。とても気さくな方で、僕も金子さんも話好きなところがあるので、意気投合しました。

【土屋】お2人は本当に明るくて、切り替えがとても上手。それまで明るくお話をされていたとしても、本番でしっかりとお芝居をされる。「舞台を踏まれている方って、こうだよな。さすがだな」と思いました。現場がねっとりとしていなくて、ありがたかったです(笑)。佐久間さんは、差し入れもご自身で用意してくださって。キャラメルのお菓子、すごくおいしかった!並んで買ってきてくださったんですよね。

【佐久間】そうですね。あそこのお菓子、おいしかったなと思って。太鳳ちゃんが用意してくれたケータリングもめちゃくちゃおいしかった!

■土屋太鳳、大切にしていることは?「その瞬間を味わいたい」

――輪花は、どんどん恐ろしいことや悲しいことに巻き込まれていきます。絶叫するシーンや号泣するシーンもあり、演じていても大変な役どころだったのでは…と感じます。そういった役柄に向き合った経験は、土屋さんにとってどのようなものになりましたか。

【土屋】大変というか、本当につらかったです。家に帰っても輪花が全然抜けなくて、家族も心配するくらい憔悴(しょうすい)していました。輪花のように辛いことばかりが起きると、光を探す時間がなくなって、下を見つめているというか、まるで(自分の)“脳を見ているような表情”になると思うんです。私自身そういった表情を常に意識していたので、精神的にはとても辛かったのですが、現場に行くとこちらのそういった気持ちをすべてキャッチしてくれるような場所が出来上がっていて。集中できる環境をキャストさん、スタッフさんも作ってくださっていたので、「ここで輪花として生きたい」と思うことができました。改めて、周囲の方がいることのすばらしさを感じられた現場です。

【佐久間】“脳を見ているような表情”って、ものすごくわかる。本当にそういう目をしていたよね!

――今、大変お忙しい時期を過ごしていると思いますが、日々の生活やお仕事にどのように向き合っていきたいと思われていますか?大切にしていることがあれば教えてください。

【土屋】時間って、本当に過ぎるのが速いものですよね。いつも「振り返るとあっという間だな」と思うことばかりなので、とにかく今を大切に、その瞬間を味わいたいなと思っています。生活の中でグッと堪えることがあったとしても「今はこれでいいんだ」と認めることが大事なのかなと思っています。

【佐久間】すごくいいね。すてきな話だな。

■佐久間大介、“愛が重い”ストーカー役に対するSnow Manの反応に笑顔「めっちゃ似合うじゃん!」

―― 一方、佐久間さんが演じた吐夢は、ヤバい男でありながら、観ているこちらとしてもどこか愛着を感じてしまうようなキャラクターでした。

【佐久間】そうですよね(笑)!吐夢はだいぶ変わっていますが、愛される要素があって、なんだか憎めないような存在だなと思っています。輪花への愛のぶつけ方も変わっていますが、彼なりに一生懸命になって「好きだ」ということを伝えている。かわいいですよね。

――佐久間さんはグループ活動、タレント業をはじめ、あらゆるジャンルに活躍の場を広げています。本作で“吐夢”という興味深い役に出会えたことで、改めて「役者業って面白いな」と感じたことはありますか。

【佐久間】僕はもともと、お芝居が好きで。いろいろな方と関わることができたり、作品や役に向き合って、深く考えていく時間もとても楽しいものだなと思っていましたが、本作を通して改めて、役者業に対する意欲が湧いてきました。王道の役というよりかは、吐夢のような、癖のある、ちょっと変わった役も演じてみたいなと思っていたので、そういった意味でもとてもうれしかったですし、たとえば辛いことがあった時にも「この感情をお芝居で活かすことができるかもしれない」という考え方ができるのではないかと感じています。

――本作への出演に対して、Snow Manのメンバーの皆さんはどのような反応をされていましたか?

【佐久間】みんなすごく「公開が楽しみだ」と言ってくれています。「愛が重過ぎるストーカー役、めっちゃ似合うじゃん!」と言われました(笑)。

【土屋】ええ!?

【佐久間】僕、大好きで尊敬する先輩に対しての愛が重かったりするので…。

【土屋】どなたですか?

【佐久間】宮田俊哉(Kis-My-Ft2)くんって言うんですけど。いつもあの人なりの考え方、動き方をされていて、とても尊敬しています。たしかに吐夢の“愛が重い”という点は、僕と似ているかも知れません!
(文/取材、成田おり枝)
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