ペン付きの堅実なスペックで実売6万9800円! 2in1モデル「ASUS Chromebook CM30 Detachable」を試す

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2024年02月14日 11:21  ITmedia PC USER

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ASUS JAPANの「ASUS Chromebook CM30 Detachable」(CM3001)

 ASUS JAPANの「Chromebook CM30 Detachable」(CM3001DM2A)は、2in1タイプのChromebookだ。画面サイズは10.5型で、キーボードを含めた総重量は1kgを切っており、気軽に持ち歩いて使えるのが特徴だ。


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 一時期に比べてその名を聞く機会の減ったChromebookだが、最近はCPUやメモリなどが指定の水準を満たした上位ブランド「Chromebook Plus」が発表され、再び注目を集めつつある。


 本製品はこのChromebook Plusには該当しないものの、メモリやストレージなどのスペックはそれらの基準を満たすなど、廉価なChromebookと比較してもスペックは高めだ。それでいて実売6万9800円(税込み、以下同様)というリーズナブルな価格を実現しているのが特徴だ。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。


・久々にChromebookに触れて印象が変化! ビジネス実用レベルでコスパに優れたLTE搭載「ASUS Chromebook CM30 Detachable」


●一般的な2in1タイプでタブレットとしても利用可能


 まずは外見から見ていこう。本製品は、着脱式のキーボード部と、背後から支えるキックスタンドを、本体に当たるタブレット部に磁力で取り付ける構造になっている。全てを合体させた状態でも重量は実測988gと1kgの大台を切っており、持ち歩きやすい。


 スタンドの角度調節は無段階で行える。キーボードと画面の角度は固定されるわけではなく、フリップでつながっているだけなので、膝の上などにおいての作業は難しい。どちらかというと机の上で使う製品だろう。キックスタンドだけを取り付け、動画鑑賞などの用途に使うこともできる。


 実際に使っていて若干気になったのが、キックスタンドの磁力がそれほど強くなく、角度を変更しようとした際に本体から分離しやすいことだ。もう少しマグネットを広く配置していればこうはならないはずだが、重量などとの兼ね合いかもしれない。利用にあたって注意したいポイントだ。


 次に、PC本体を見ていく。


●画面は10.5型とコンパクト Google Playストアが利用可能


 続いて、本体にあたるタブレット部をチェックしていこう。画面サイズは10.5型で、解像度は1920×1200ピクセルだ。パネル表面はグレア調で、映り込みがかなり目立つ。また、視野角は水平/垂直ともに170度とされているが、斜め方向からは画面が暗く見える傾向は強い。


 ポートやボタン類は左側面に集中している。キーボードおよびキックスタンドを装着した状態では、画面および背面は保護されるが、この側面はガラ空きになるので注意したい。重量は実測615gと、10型クラスのタブレットとしてはやや重めだ。


 なおUSB Standard-A端子は搭載せず、HDMI端子も備えないなど、標準のポート類は制限がある。USB Type-C端子も1つだけで、電源アダプターを接続すると余りはなくなってしまうため注意したい。


 スペック回りも見ていこう。CPUはMediaTekのKompanio 520(8186)で、Chromebook Plusの基準(第12世代Intel Core i3以降、またはAMD Ryzen 3 3700シリーズ以降)からは外れているが、メモリは8GB、ストレージは128GBで、この2つはいずれもChromebook Plusの基準をクリアしている。


 カメラは、イン/アウトともに約503万画素、アウトカメラのみオートフォーカスに対応する。こちらはChromebook Plusの基準である1080pには及ばないが、TV会議などの用途には問題なく対応できる。アウトカメラはやや出っ張っているが、キックスタンドを装着すれば段差は解消可能だ。


 バッテリーの駆動時間は、公称12時間(Google独自の測定法で算出)で、充電は最大45WのUSB Power Deliver(PD)に対応する。スマホなどとともに持ち歩く場合、充電器を共通化できるのは大きなメリットだ。ちなみに、本製品にはUSB Type-C仕様の充電アダプターも付属しているが、プラグが折りたたみ式ではないため、汎用(はんよう)の充電器を使った方が取り回しはよい。


 プリインストールされているアプリは以下の通りで、一部にASUS JAPAN独自のものもあるが、基本的にはGoogle製がメインだ。言うまでもないが、Google Playストアからアプリをインストールして利用できる。


 続いて、キーボード回りを確認しよう。


●文字キーは広めのピッチを確保 スタイラスは本体に内蔵


 続いて、キーボード回りについて見ていこう。キーはファンクションキー列も含めて6段あり、キーピッチは約18mmとそこそこ広い。キーボードが画面のカバーを兼ねており、横幅があらかじめ決まっている割には健闘している部類だろう。


 キーは日本語JIS配列で78キーだ。ファンクションキー列も含め、配列はレノボ・ジャパンのChromebook「Ideapad Duet」と同じだ。Enterキー回りのキーの幅を詰めるのではなく、文字キーの幅は変えずにそのぶんEnterキーやTabキー、Shiftキーなどの幅を詰めるタイプだが、テキスト入力では指の運びで迷うことがない。キーストロークも約1.5mm確保されており、タイプ感も良好だ。


 さらにキーボードの手前にはタッチパッドも用意されている。タッチパッドは横幅が96mm、高さが49mmと広く、操作性は高い。左右ボタンはやや固く、クリックした瞬間にポインタが動いてしまうことも若干あるが、このあたりは慣れで解決できる部分だ。


 指先によるタッチ操作の他に、スタイラスこと「ASUS USI Pen」での入力にも対応している。スタイラスは4096段階の筆圧検知と、最大55度の角度検知に対応するなど、機能は充実している。未使用時は本体右上のスロットに挿入できるので、紛失防止に役立つ。押し込むだけで簡単に取り出せるため、着脱が面倒なこともない。


●スペックはエントリークラスのAndroidタブ並みだがコスパは良好


 最後になるが、ベンチマークテストで本機を測定してみた。Google Octane 2.0でチェックしたところ、スコアは「17699」と、エントリークラスのAndroidタブレット並みの性能だ。


 このように、決してハイスペックというわけではないが、一般的なブラウジングなどはもちろん、YouTubeをはじめとした基本的な動画再生などには問題がない。Chromebook Plusの基準に沿うとどうしてもコストが高くなってしまいがちだが、実売価格ありきでうまくコストダウンを図ったモデルという位置づけが正しいだろう。


 キーボードやスタイラスなど一式を全て込みで実売価格は6万9800円とリーズナブルで、さらにソフトウェアの更新期限も2033年6月までと非常に余裕がある。決して派手ではないものの、価格と性能のバランスが取れており、長く安心して使えるChromebookを探しているユーザーは、候補に加えておきたい1台だ。


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