クラファンで2億円を調達した薄毛対策ウェアラブルデバイス「niostem」がすごそうだけど…

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2024年02月17日 12:03  Techable

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2021年から2026年までに約5%のCAGRで成長するという予測がある世界の脱毛症治療市場。高齢化、ストレスの多い生活や栄養バランスの乱れといった脱毛要因の増加がマーケットの成長促進につながっている。ヘルスケアへの関心と、再生医療を含めた副作用の少ない療法への需要が高まる中で、そうした需要に応えるかのように2023年5月に登場したのがウェアラブルデバイス「niostem」だ。

開発を手掛けたドイツのスタートアップniostem社によると、毛幹細胞に刺激を与えることで自然な発毛と髪質改善を促し、頭部に装着するだけで使用も簡単、副作用もない…とのこと。1台約20万円と決して安くはない製品だが、Indiegogoのクラウドファンディングプロジェクトで2億円以上の支援を獲得している。[caption id="attachment_226948" align="aligncenter" width="848"] niostem公式サイトより引用[/caption]1日30分装着するだけ、専用アプリの機能で毛髪再生状況を追跡niostemは脱毛の症状に対して文字通り「根本的に」働きかける製品で、微細な生体電気刺激によって毛包幹細胞を再活性化させるもの。目に見えない刺激のネットワークが均一に広がって頭頂部や生え際を覆い、薄毛が気になる部分を狙い撃ちにする。

加齢に伴い生じる「毛包のミニチュア化」という現象では、毛包が小さくなって生えてくる毛も細く短くなる。しかし、脱毛の症状が進んだ人の頭皮にもミニチュア化した毛包が10万個存在し、再活性化の可能性がある毛幹細胞を含んでいるとのこと。niostemの刺激によって、ミニチュア化毛包から太く健康な髪が生えてくるという仕組みだ。

niostemの使用方法はいたって簡単。アプリのガイダンスに基づきデバイスを頭部にのせる。そのまま頭皮と接触させた状態で30分着用するだけなので、家事や仕事など作業をしながら使用可能だ。セッションの終了もアプリが知らせてくれる。

[caption id="attachment_226944" align="aligncenter" width="800"] Indiegogoプロジェクトページより引用[/caption]
[caption id="attachment_226966" align="aligncenter" width="695"] Indiegogoプロジェクトページより引用[/caption]デバイスに搭載されたスマートセンサーがベストな装着位置をガイドし、電極の接触状態についてリアルタイムな触覚フィードバックを行うという。アプリの進行追跡機能を使えば、頭部の自撮りギャラリーによる毛髪の再生進行状況も記録できる。
研究開発に10万時間、実証実験で効果を確認niostemの有効性および安全性については実証実験で確認されている。年齢も薄毛の進行度もさまざまな22名の男性を対象に6ヵ月間テストを実施した。結果、毛髪の太さは平均9.1%増加、毛髪密度は平均19.1%増加(1センチ四方あたり髪の毛が42本増加)したことが確認された。

[caption id="attachment_226639" align="aligncenter" width="650"] Indiegogoプロジェクトページより引用[/caption]niostem社はドイツのディープテック・スタートアップで、「再生医療技術によって新時代の自己回復を実現する」というビジョンを掲げている。今回の製品に関しては、4ヵ国の医師や科学者、エンジニアによって開発・検証が行われ、研究開発に10万時間以上を費やしたという。開発チームが着目したのが数十年の歴史を有する幹細胞研究だった。

クラウドファンディングページで紹介されている「専門家の声」では、ドイツのRefoxy Pharma社創業者兼COOであるVictor Bustos博士が「毛髪幹細胞の再生能力を回復させることが発毛につながる」と認めたほか、オーストリアのMoser Medical社創業者Karl Moser博士は、「niostemの再生技術は薬を使わず薄毛に取り組む新しいアプローチだ」と発言。また、スペインの皮膚科医・毛髪研究家・毛髪外科医にしてヨーロッパ毛髪研究協会事務局長を務めるSergio Vañó Galván医学博士は、「脱毛症への毛髪幹細胞技術の利用は、この分野で非常に有望な新しいアプローチ」とコメントを寄せている。

科学的な根拠に基づき、医師や科学者、エンジニアが協力して開発したniostem。「薄毛に悩む人々のために革命を起こす」をミッションとしている同社だが、現在クラウドファンディングのプロジェクトページには製品が届かないという支援者からの問い合わせが複数見られる。金額が金額だけに、支援者たちの声への対応が期待される。

引用元:niostem
Indiegogo

(文・根岸志乃)

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