鈴木おさむ氏、篠田麻里子“不倫妻”役の真意「ブレイクすることが目標」 脚本家としての本分「バズらせることが大事」

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2024年02月18日 09:00  ORICON NEWS

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鈴木おさむ氏 (C)ORICON NewS inc.
 放送作家の鈴木おさむ氏(51)による“地上波連ドラ最後の脚本作品”であるテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『離婚しない男』(後11:30)。今年3月31日をもって、32年間活動してきた放送作家業と脚本業を辞めることを発表した鈴木氏に、本作に懸ける思いを聞いた。

【場面写真】SNSで大バズリ!超過激体当たりシーンを演じた篠田麻里子

 ドラマ放送前のコメントで「最後なので、肩が壊れるかもってくらいでフルスイングで投げております。1月ドラマは各局のドラマも話題作ばかりですが、正直、色んな意味で話題作になり、問題作となると思います。放送初回から、かなり驚きのことが連発すると思います」と告げていたとおり、初回で篠田麻里子が不倫をする妻を演じることがサプライズで明かされると、SNSでは即トレンド入り。篠田をはじめとしたキャスト陣の振り切った地上波ギリギリの演技が注目を集めた。

 鈴木氏は、長年付き合いのあるスタッフから「辞める前に、深夜でとにかく話題になる“バズるドラマ”を作ってくれないか。それで辞めてほしい」と言われ、脚本の執筆に当たった。「結局、妻のキャスティングがめっちゃポイントだなと思ってて。僕は最初に篠田さんの名前を挙げたんですが、絶対受けてくれないだろうなと思ってたところ、引き受けてくれた。綾香のキャラが弾ければ弾けるほど、ほかのキャラも弾けてくるんで、とにかく綾香を誰がやるかっていうところが1番ポイントでした」と明かす。

 キャスティングが決定してから脚本を書き始め、綾香においては「バリバリ当て書き」である。「ちょっと弱くて、間抜けな感じがいいなと思って。篠田さんが弾ければ弾けるほど、それって夫(伊藤淳史)に返ってくる。それが大事かなと思ったんです」。

 本作では、毎話体当たりなベッドシーンが描かれるが、鈴木氏は「テレビの地上波で、こんなにベッドシーンを描くドラマって最近ほとんどない。しかも、ただのベッドシーンじゃなくて、それがなんか面白くて笑ってしまうような。特に序盤のベッドシーンの細かいセリフには気合いを入れました」と脚本で特にこだわったポイントを教えてくれた。

 ちなみに、初回放送まで篠田の出演が伏せられていたのはドラマチームのアイデアで、「番宣を見たらヒロインの顔が隠されていてびっくりして、挙げ句の果てにポスターは顔が切れてるっていう(笑)。でも、すごく面白いなと思いました」とにやり。

 個別で行ったインタビューで、篠田が「今だからできる役」と出演への決意を語っていたことを伝えると、鈴木氏は「やっぱりこの役をやるって、なかなか覚悟がいるじゃないですか。普通、100人に聞いたら100人が断る役だと思うんです。それを決断してくれたのはやっぱりすごいことだと思いますし、これをきっかけにブレイクしてほしい」と期待を寄せた。

 「単純に芝居がうまい」と篠田の俳優としての才能も評価しつつ、鈴木氏脚本の『M 愛すべき人がいて』(2022)の怪演でブレイクした田中みな実を引き合いに「認知度もすごく高いので、ブレイクしたら売れるまでが早いと思うんです。僕にとって篠田さんが女優としてブレイクすることが目標であり、この作品の面白さだと思っています」と先の展開も見据えていた。

 『奪い愛』シリーズ、『M 愛すべき人がいて』、『先生を消す方程式。』など、これまでさまざまな角度で“話題作”を作り続けてきた鈴木氏だが、“バズらせる”ことを常に意識しているという。

「僕は、絶対にその日のトレンドにどのくらい入るのかというのをすごく考えている。テレビにおいて、午後11時台に視聴率が下がってしまうのはしょうがないので、まずバズらせて振り向かせることが大事。振り向けばTVer(配信)も爆発するはずなんです」

 その言葉通り、SNSをはじめネットニュースでも数多く取り上げられた同作は、1〜3話の配信総再生数が1000万再生を突破(2月5日時点 ビデオリサーチにて算出)し、テレビ朝日の歴代最高記録を更新し続けている。

 最後に、30年以上続けてきた放送作家としての仕事に“淋しさ”はあるのか、と鈴木氏に問うと「まったくない。後悔も1ミリもない」ときっぱり。「でも、最後にこのドラマができて良かった。もし、最後にこのドラマをバズらせることができれば『やっぱりこの人は最後までバズるドラマを作れるんだ』を思ってもらえる。最後までしっかり結果を残したい」と本作に懸ける思いを吐露した。

 実際に、テレビ朝日歴代トップの配信数を記録し“激バズり”した同作。まだドラマは中盤だが、鈴木おさむ氏最後の地上波連ドラは“有終の美”を飾ったのではないだろうか。いや、今後その予想をさらに上回る展開が待ち受けていそうだ。

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