俳優の土屋太鳳が主演、Snow Manの佐久間大介が共演する映画『マッチング』(23日公開)で原作・脚本・監督を務めた内田英治氏とキャストの現場での姿をとらえたメイキング写真が公開となった。
【写真】土屋太鳳と対話を重ねる内田英治監督
映画『ミッドナイトスワン』(2020年)、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(2023年)など国内外で評価の高い内田監督・脚本による今作は、マッチングアプリによって増えた“出会い”の裏に仕掛けられた“罠”の恐怖を完全オリジナルで描く、新感覚サスペンス・スリラー。
“マッチングアプリ×サスペンス“という企画の発端は、5年ほど前にさかのぼると内田監督は語る。「サスペンスやスリラーを撮ってみたいと考えたとき、マッチングアプリを題材にしたら面白いと思いつきました。『ミッドナイトスワン』が公開される頃だったでしょうか、今度は感動を与えるヒューマンものではなく、サスペンスやスリラーをやってみたいと思ったんです。その題材にはマッチングアプリがピッタリと感じました。日常化しているとはいえ、出会う人の素性がわからず、そもそも顔も登録されている写真通りかも、わからず、謎に包まれていますから、これほどふさわしい題材はないなと」と制作経緯を明かす。
今回、内田監督にとって初めてのサスペンス・スリラー作品となったが、脚本作りについては「結論としては、サスペンスは大変だと感じました。従来撮ってきたヒューマンドラマと比べ、脚本づくりに倍ほど時間がかかりました。愛憎――反転した愛情も描きつつ、エンターテイメント性を大事にしようと思って、犯人を決めずに書き始め、マッチングアプリに絡んでくる事件の内容やその結末をどういうふうにしたらいいか頭を悩ませました。そもそも、最初はストーリーが全然違っていて、書きながら、変更していったんですよ。オリジナルのサスペンス・スリラーを作ることは大変ではありますが、原作ものだと結末がわかったうえで見る人が多くなるので、ネタバレのないオリジナル脚本の映画を作る意義があると思っています。僕は、日本でも『セブン』や『シックス・センス』のようなサスペンスを作りたいですね」と、オリジナル作品への矜持と意義を語る。
キャストが口をそろえて「監督とすごく話し合いをした」と話している通り、オリジナルだからこそ、キャストやスタッフと現場で密にコミュニケーションをとりながら柔軟に作品を作っていくことができ、それが内田監督が作る作品の魅力につながっているのではないだろうか。