年中食べられるブロッコリーですが、11月〜3月頃と冬が旬の食材です。栄養価が高く、ダイエットの代表的な食材として人気があります。この時期、紫がかったブロッコリーを目にし、「傷んでいるのでは…」と思う人もいるでしょう。ブロッコリーの正しい選び方を始め、洗い方や皮のむき方、おいしく食べるための秘訣について、野菜ソムリエプロで管理栄養士の小島香住さんに聞きました。
【画像】美味しいブロッコリーの選び方! むくみ改善も…管理栄養士が解説◆ブロッコリーの小房は包丁で切らないで…皮のむき方は“うすい線”が目安
――ブロッコリーは、「水で洗っただけでは、小さな虫やゴミを取り切れない」と言われています。正しい洗い方を教えてください。
【小島香住さん】 ブロッコリーの表面は油膜で覆われているため、水を弾いてしまい、流水ではよく洗うことができません。大きめのボウルに水を入れ、ブロッコリーを逆さまにして入れます。軸を持って手首をまわし、水の中でよくふり洗いをしてください。
――ブロッコリーの軸は、どこまで皮をむいたら良いのでしょうか?
【小島香住さん】 ブロッコリーの軸は、外側の筋がある部分を取り除いて食べることができます。切り口を見ると、うすく線があるのが見えるので、その線から外側を切り落とすのが目安です。立てて包丁で削ぎ落とすようにすると、安定して作業ができます。
――ブロッコリーを切る際に、ボロボロになってしまうこともあります。無駄なく小房にする方法を教えてください。
【小島香住さん】 小房に分ける時は、包丁で切ってしまうとボロボロになってしまいます。まずはブロッコリーをまわしながら、軸から房を切り離していきます。大きいものは、茎の方に包丁で切り込みを入れてから、手で割いて房の大きさを調整しましょう。
――小島さんのInstagramでは、「水分の少ない加熱方法」を説明しています。「茹でる>蒸す>焼くの順」とのことですが、栄養の面での違いなど、教えてください。
【小島香住さん】 ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンCや葉酸は水溶性のため、たっぷりのお湯で茹でてしまうと、茹で汁の中に栄養素が流出してしまいます。そのため、少量の水で加熱ができるフライパン蒸しの方が、水溶性ビタミンの損失は少なく済みます。水を使わずに油で調理すれば、水溶性の栄養素の損失はかなり少なくなり、さらにβ-カロテンなどの脂溶性ビタミンの吸収率アップが期待できます。
◆たっぷりのお湯で茹でると、栄養素が流出してしまう… 焼き調理ならビタミン吸収率UP
――「ブロッコリー」にまつわる豆知識を教えてください。
【小島香住さん】 冬になると、表面の一部が紫がかっているブロッコリーを見ることがあります。寒さにさらされると防衛本能で糖を生成し、ポリフェノールの一種であるアントシアニンという青紫色の天然色素が生成されます。ブロッコリーが寒さから身を守るために、栄養素を蓄えているので、冬にだけ見られる美味しさのサインなのです。
小島香住(こじま かすみ)さん
野菜ソムリエプロ/管理栄養士
食品メーカーで営業・商品企画開発・メニュー開発などに従事したのち独立。管理栄養士の知識と育児経験を活かし、企業のレシピ開発やコンテンツ制作、野菜・果物の解説や時短&簡単レシピなどのコラム執筆、セミナー講師としても活動する。