“40年前の名機”をオマージュした「AYANEO Retro Mini PC AM01」をセットアップした

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2024年02月21日 12:31  ITmedia PC USER

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片手で持てる超小型デスクトップPC「AYANEO Retro Mini PC AM01」。国内ではリンクスインターナショナルから発売された

 2024年1月、「Macintosh 128K」と呼ばれるようになった初代Macintoshが生誕40周年を迎えた。国内でもそれに合わせたイベントが有志によって開催された。


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 それを意識してかどうかは不明だが、中国でポータブルゲーミングPCを展開するAYANEOが、同社初となるデスクトップPCとしてMacintosh 128Kをオマージュした「AYANEO Retro Mini PC AM01」(アヤネオ レトロ ミニピーシー エーエムゼロワン。以下、AM01)を発表。11月下旬にクラウドファンディングを開始し、12月に始まった発送が一段落したところで、リンクスインターナショナルが国内での取り扱いを開始した。


 ラインアップは3モデルあり、Ryzen 7 5700UのCPUと32GBメモリを搭載した「AM01-5700U-32G/512G」が5万8000円強、同CPU採用で16GBメモリの「AM01-5700U-16G/512G」が5万4000円弱、Ryzen 3 3200Uと16GBメモリを搭載した「AM01-3200U-16G/512G」が3万9000円弱となる。


 一足早くAM01(AM01-5700U-16G/512G)を入手したので、まずは開封からセットアップまでをご紹介する。


●「カワイ〜」と思わず口にしてしまうボディー


 AM01の化粧箱は、ミニPCだけあって非常にコンパクトだ。化粧箱のサイズは約16.9(幅)×16.7(奥行き)×16(高さ)cmで実測値もほぼ一緒となる、公称の重量は約1.3kgと、手の大きめな男性であれば、片手で持てるサイズ感にまとまっている。


 箱の上段には、薄い小箱が入っている。取扱説明書などが含まれている。


そして、その下の仕切りを外すと……。


 AM01本体が顔を出した。


 何、このキュートなボディー! 誰もいない部屋で思わず「カワイ〜」と声が出てしまった。


 今でこそ、筆者はWindows PCのヘビーユーザーだが、最初のPCはライトユーザー向けMacintoshの「Performa 5440」という“Black Performa”第2世代モデルだった。Windowsに移行した後も、「MacintoshのボディーでWindowsを使えたらなぁ」などと考えていたのだが(後に、VMware Fusionでかなえることになるが)、それがこんな形で実現するとは。


●パーツ強化用のアイテムが最初からセットに


 という感慨はさておき、パッケージの中身を確認していこう。


 AM01の下にも少し大きめの箱がある。


 開けてみると、さらに2つに分けられており、片方はACアダプター、他方はコンセント変換プラグ、HDMIケーブル、SATAケーブル、ネジセット、2.5型ドライブ用ブラケット、付け替え用マグネットステッカーなどが入っていた。


 ボディーの開封ツールも入っており、パーツの交換や増強をしやすいのも本機のメリットだろう(ただし、ユーザー自身のパーツ交換は保証対象外だ)。


 この、付け替え用マグネットチップ(マイクロサイズ)は、本体に貼り付けられているものとチェンジできる。「今日は仕事をするから、ロゴ無しのレインボーカラーのものを」「気分を切り替えてゲーム仕様にしよう」などと、シーンに応じて取り替えられるので、気分も盛り上がる。小さすぎて見えづらいのが、老眼の進んだ目には玉にきずといえようか。


 薄い方の小箱には、取扱説明書やステッカー類が入っていた。本体に貼るように、幅広タイプのものだ。いかにも「ディスプレイですよっ」と主張しているブラウン管のように見える黒い部分がただのカバーなので、このステッカーを貼って、各自で楽しんでもらいたいということなのだろう。それであるなら、電卓のようなモノクロLCDでもいいので、何かしら表示する仕組みが欲しかったと思うのは欲張り過ぎだろうか(これは次のモデル「AM02」で早くも実現する)。


 それでは、早速セットアップをしていこう。


●拡張性もバツグン


 開封を終えたところで、PC本体に注目していこう。


 AM01のサイズは、実測値で132(幅)×132(奥行き)×64.5(高さ)mm、重量は503gだ(公称値は約486g)。文字通り片手で持てるサイズなので、ディスプレイを常設しているオフィスやコワーキングスペースなどでは使い勝手が良いだろう。


 ボディー側面はどちらも排気口だ。スペースが十分にあるので、熱がこもることはなさそうである。


 前面には、USB 3.2 Gen 1 USB Type-C端子と3.5mmオーディオ端子がそれぞれ1つずつ配置されている。


 背面には、左からギガビット対応の有線LANポート、USB 3.2 Gen 2 USB Standard-A端子×3、USB 2.0 USB Standard-A端子×1、HDMI 2.0出力端子、DisplayPort 1.4出力端子、電源端子が並ぶ。


 なお、前面に搭載しているUSB Type-C端子には映像出力(DisplayPort Alternate Mode)機能がない。そのため、外部ディスプレイとの接続にはHDMI端子またはDisplayPort端子のいずれかを使う必要がある。モバイルディスプレイでは電力をUSBケーブル経由で供給しなければならないので、AM01にあるUSB端子のいずれかを利用する形だ。


 底面には、広い吸気口とゴム足部分には内部にアクセスするためのネジがある。


 そして、天面部分にあるブラウン管のように見える黒い部分は何も機能せず、その下にあるフロッピーディスクの挿入口のような溝が懐かしさを感じさせる。Macintosh Classicの、フロッピーディスクを取り出すために、広めに開けてあった穴のあった箇所には、電源ボタンが配置されている。こちらはシーソー方式と見せかけておいて、押し込むだけのタイプだ。


 内部にも目を向けよう。CPUはAMD Ryzen 7 5700U(8コア16スレッド)、GPUはAMD Radeon Graphics、メモリは16GB(DDR4−3200)、ストレージは512GB(M.2 2280/PCIe Gen 3.0 x4対応)だ。


 ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応している。有線LANポートは1000Mbps接続で、リモート ウェイクアップ機能(Wake On LAN)に対応する。また、AMD Ryzen 3 3200U(2コア4スレッド)、Wi-Fi 5となる下位モデルも用意される。


●セットアップは通常のWindows PCと同じ


 では、さっそくセットアップしていこう。


 まずはキーボードとディスプレイを接続する。付属の映像出力用ケーブルはHDMI to HDMIケーブルであり、MiniやMicroタイプではない。最近のモバイルディスプレイは薄く軽くするため、Mini HDMIやMicro HDMI端子を搭載しているので、事前に使えるかどうかを確認しておきたい。


 セットアップ時、前面にある端子を使わないので「前面ですよ。間違いありません」と天板が主張するかのように立てて置いてみたのだが、頭部(本当は背面)からケーブルがニョキニョキ出ているのがせわしない。


 やむを得ず、ケーブルさが目立たないように、おとなしく寝かせてWindows 11 Homeのセットアップを実行した。


 電源を入れると、おなじみの「こんにちは、コルタナです」は聞こえず、何かしら中国語でAM01が1回だけ話しかけてくれたが、音声案内をオフにするまでもなく、自動的に無音になった。


 言語や地域、キーボードレイアウト、ネットワーク接続、Windowsライセンス契約の確認、デバイス名の設定、Microsoftアカウントへのサインインを済ませると、「最新の機能をインストールしています」と表示される。「30分ほどかかる場合があります」とのことだったが、20数分で“更新は”完了した。


 セットアップがある程度進み、デスクトップ画面が現れた。「Hello」と言いそうなアイコンが天板にデザインされていたが、デスクトップにちゃっかり「hello.」とどこかで見たようなロゴが表示されていた。


●小ぶりだけどキビキビと動作


 利用していると、地域を日本に設定しインターネット接続もしているのに、表示されている時刻が合っていないことに気づいた。


 どうやら、タイムサーバーへの同期が必要らしい。そこで、設定内「時刻と言語」「日付と時刻」にある「追加の設定」で「今すぐ同期」をクリックしたところ、すぐさま正しい時刻に設定された。これまでもGPDやOne-NetBook Technologyなど、海外の超小型PCを使ってきたが、どれも自動的に正しい時刻を取得していたので、ちょっと新鮮だ。


 後はハードウェアキーボードのレイアウトを日本語109配列にし、かな入力をオンにし、ディスプレイ表示を175%から100%へ変更。プリインストールされているMicrosoft Edgeに嫌味を言われながらWebブラウザChromeをインストールして、セットアップは完了した。


 「見た目がレトロなら、CPUも古い」(2021年12月発売)という評価をSNSで見かけることもあったが、キビキビと起動するので、今のところ遅さを感じることはない。Officeソフト(Microsoft 365のデスクトップアプリケーション)を操作したり、Chromeで大量のタブを開きっぱなしにしてGoogleドキュメントで文書作成したり、PCゲームをしたりすると、評価が変わるのかもしれない。


 次回は「使ってみてどうよ?」というところをレビューしていこう。


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