子どもたちが眠ったのを確認してリビングに行くと、帰宅した夫がテーブルの上に置いてあった手紙を眺めていました。そして私の話をさえぎるように言います。「運動会、今年は観覧4人までに増えたんだな」
「なんでミカの親なんだよ」いきなり不服そうに言われ、私は戸惑います。「え? だって子どもたちが来てほしいって……」すると夫は大きなため息をつきました。「まただよ……いっつもそうだよ。いつもミカは自分の親を優先するよな」
「こういう行事の参観はウチの親に譲ってあげてくれよ。ウチの親だって孫の成長は見たいと思うんだよ。ミカの親は、普段の子どもたちの成長を間近で見られているだろ? なら別に行事に参加する必要ないじゃん」
「ちょっと待って? 日ごろの触れ合いって……。そもそもテッペイの両親は足腰が悪いから、頼みたくても頼れないでしょ?」義両親はうちの両親よりも年代が少し上です。子どもたちのことを可愛がってくれる優しい人たちですが、とても育児のフォローができるような状態ではありません。
「ウチの親は、私の代わりに手伝ってくれるのよ? 普段迷惑をかけているからこそ、こういう行事に呼んでお礼をするんじゃないの?」「お礼なんて、また別にすればいいだろ? 食事に招くとかでもいいし」夫はどうしても自分の親を運動会に呼ぶべきだと主張して譲りません。
いつも私が実家の親にどれだけ助けてもらっているか。夫には本当の意味で伝わっていないのでしょう。今はウチの親がいないと成立しない私たちの生活なのに、子どもたちの行事を見せないどころか、義両親にその席を譲れと……? まるで「いいとこどり」をされているかのように思えて納得することができません。私たちの話し合いは平行線のままでした。
【第3話】へ続く。
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