トラックパッド付きで実売1万円台後半! 保護性能もピカイチな第10世代iPad用のUAG製Bluetoothキーボードケースを試す

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2024年02月22日 16:21  ITmedia PC USER

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UAGの第10世代iPad用キーボードケース

 「URBAN ARMOR GEAR」(UAG)から、第10世代iPad用のトラックパッド搭載Bluetoothキーボード付きケースが登場した。キー配列は日本語JISではなくUS配列ベースだが、高い保護性能を備えつつ、実売価格1万6980円(原稿執筆時/税込み、以下同様)というリーズナブルさが光る一品だ。国内代理店より製品を借用したのでレビューをお届けする。


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●高い保護性能も重量増加は最小限 接続はBluetooth


 本製品の初見での印象は、とにかく「ゴツい」ということだ。前回紹介したロジクールの「Combo Touch」と同様、iPad本体をはめ込む樹脂製のケースがあり、その前面と背面をプレートでサンドイッチする構造になっているが、それぞれかなり厚みがある。実際に米国防総省の「MIL-STD-810G, Method 516.6 Procedure IV」規格にも対応しており、耐衝撃性を重視した製品と言える。


 本製品はCombo Touchと同様、iPadは側面も含めて保護される。同種のキーボード一体型ケースでは、側面がガラ空きになっていることもしばしばだが、本製品はポートやスピーカーなどの開口部を除けば、側面もきちんと覆われている。こういった点からも、保護性能の高さが伺い知れる。


 また珍しい仕様として、背面のキックスタンドをたたんだ状態では、アウトカメラもカバーに覆われることが挙げられる。キックスタンドを展開することで、カメラが初めて外部に露出する構造だ。アウトカメラ部のキズを気にする人にとっては、利点の1つということになるだろう。


 接続方式はBluetoothで、それゆえSmart Connectorを採用したモデルと比べてバッテリー残量を気にする必要があるのは、やや不利なポイントといえる。ちなみに側面の前方には、給電用のUSB Type-Cポートが1基隠されている。バッテリーの残量は、「Fn」+「B」キーを押した際の電源ボタンのLEDの点滅回数で見分ける仕組みだ。


 重量は実測で654g、iPadを含めると1132gとなる。見た目には重そうなのだが、ほぼ同じ構造のロジクールのCombo Touchとの差はそれぞれ100g弱と、極端に重いわけではない。保護性能を重視して本製品を選ぶユーザーは、ある程度の重さは織り込み済みなはずで、それを差し引けば、むしろ軽量に感じることがあるかもしれない。


 ちなみに、樹脂製カバーにiPad本体をはめ込む構造はロジクールのCombo Touchと同様だが、本製品は用いられている樹脂が柔らかめで、着脱は比較的容易に行える。Combo Touchは、iPadを着脱するたびに本体が曲がってしまうのが心配になるほど固めで、頻繁にiPadを着脱するユーザーにはお勧めしづらかったが、本製品であれば許容範囲だ。


 それでは、iPadを装着してみよう。


●キックスタンドを使って立てる一般的な構造


 利用にあたっては、背面のキックスタンドを開いて立てた後、画面を覆っているキーボード面を開くことで、キー入力に適したスタイルになる。極めて一般的な構造だ。


 特徴的なのは、背面のスタンドの開き方にある。一般的にキーボード一体型のケースでは、背面を覆っているプレートの下半分を広げてスタンドとして使うが、本製品はプレートの上半分を180度近く折り返し、スタンドの役割を担わせるという珍しい構造になっている。


 この構造は、スタンドの強度がある程度あってこそ実現できるもので、見方を変えると本製品の頑丈さを示しているとも言える。その一方、画面を垂直寄りに立てるのは苦手で、どちらかというと画面がやや天井を向いた角度の方が自然な形ということになる。


 今回は試用期間が短いため長期的な耐久性までは検証できていないが、本製品を長く使い続けた場合、可動範囲が広いこのスタンドがどのくらい持つのかは、少なからず気になるところだ。


●US配列でキーピッチは17.5mm、珍しいマルチペアリングに対応


 続いてキーボードについて見ていこう。キーはUS配列ベースで、最上段のファンクションキー列も含めて6段構成だ。キーはアイソレーションタイプで、ストロークは実測1.5mmと、この手のキーボードとしては優秀である。バックライトは搭載していない。


 一般的にiPadの本体カバーと一体化しているキーボードは、本体の横幅があらかじめ決まっていることから、10型クラスの製品だとキーピッチは狭くならざるを得ない。本製品のキーピッチは実測で17.5mmと決して広いとは言えないが、うまく折り合いをつけた結果ということになる。


 ちなみに利点として挙げられるのは、Returnキー回りの文字キーも幅を詰められることなく、同じキー幅を確保していることだ。例外となるのは、上から2段目の左端にある「\」キー、上から3段目の右端にある「む」のキーで、これらを含めた記号類のキー配置は、やや独自色が見られる。


 キーボード回りでユニークな機能として、マルチペアリングキーの存在が挙げられる。キーボード左上に配置されたこのキーを使えば、iPadだけでなく、ペアリングしたもう1台のデバイスについても、切り替えつつキーボード入力が行える。筆者は具体的な用途があまり思い浮かばなかったのだが、他にない機能だけに用途がハマれば重宝するかもしれない。


 最後に、トラックパッドを試してみよう。


●タッチパッドは広めで操作性も良好


 また、本製品はトラックパッドも搭載している。幅は実測で101mm、高さは59mmと面積はロジクールのCombo Touchよりも一回り大きく、操作性は良好だ。


 ただし、このトラックパッドがあるぶんキーボードに奥行きがあり、本体背後のフリップの長さに加えて、設置にかなりの奥行きを必要とするのは、本製品をカフェなどの狭いテーブルで使おうとした場合はややネックとなる。これらについてはロジクールのCombo Touchとも共通する、トラックパッド採用ケース付き一体型キーボードならではの問題だ。


●実売価格1万6980円というリーズナブルさは大きなポイント


 以上ざっと使ってみたが、耐衝撃性を重視した製品ながら、重量もそこまでヘビーではなく、使い勝手のよい1台だ。キー配置およびキーピッチは、競合となる製品と比べてやや不利なところもあるので、そのあたりで好みが分かれる可能性はあるが、マルチペアリングのように競合製品にはあまりない機能に意義を見いだせれば、面白い存在だ。


 一方で、他社製品のようにキーボードとケース部が分離できないことから、例えば動画鑑賞時にスタンド機能だけを使ったり、あるいはキーボードを外して普通のケースとして手に持って使ったりする用途には不向きだ。こういった使い方が多くを占める可能性があるならば、そのような使い方に対応した製品を選んだ方が無難だろう。


 ちなみに本製品のもう1つのメリットは価格で、実売1万6980円と、iPadと一体化して持ち歩けるトラックパッド付のキーボードケースとしては、かなり安価な部類に入る。Bluetooth接続であること、前述のキー配列などに支障がなければ、コスパを優先するユーザーにとって、よい選択肢と言えそうだ。


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