2024F1ニューマシン&ドライバー紹介 角田裕毅はビザ・キャッシュアップRBで正念場の1年

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2024年02月26日 17:31  webスポルティーバ

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2024シーズンF1参戦10チーム ニューマシン&ドライバー紹介(後編)

◆前編>>「レッドブルの牙城を崩すのはどこか?」

 2024シーズンのF1選手権シリーズは、3月2日にバーレーンで開幕。史上最多24戦のカレンダーが組まれ、日本GPは4月上旬の第4戦に予定されている。

 新シーズンに向けて、2月初旬から続々と各チームのニューマシンが発表された。バーレーンで行なわれた開幕前テストではサーキットを走る姿がお披露目となり、大きな注目を集めている。今年はどんな特徴があるのか、全10チームのうち、昨年のコンストラクターズランキング6位〜10位チームの2024年版マシンを紹介する。

◆F1参戦10チーム「2024年型」ニューマシン・フォトギャラリー>>

【アルピーヌ】

 2023年は3度の3位表彰台を獲得したアルピーヌ。今年もエステバン・オコンとピエール・ガスリーの布陣で戦う。

 今シーズンのマシン『A524』は、再設計のうえで導入されたシャシーをはじめ、サスペンション周りも大幅に見直し、排気システムについても新しいものが導入されている。外観では前年度のマシンと比べるとフロントノーズが太くなっているほか、サイドポンツーンの形状も変更された。

 テクニカルディレクターを務めるマット・ハーマンも「A524は完全に新しいマシン」と言うほど。昨年からガラリと変わったモデルとなっている。

 カラーリングも特徴的で、チームカラーでもある青を基調としたものから黒ベースに変更。BWTのピンクを基調としたカラーリングも用意され、今年もシーズン中に2パターンのアルピーヌF1マシンを楽しむことができる。

 昨シーズンは、チーム首脳陣が相次いで離脱するなど、バタバタした影響もあったのか、第14戦オランダGPでの3位を最後に表彰台から遠ざかった。今年はブルーノ・ファミンが正式にチーム代表となり、上位進出を目指して新たなスタートを切ることとなる。


<No.31/エステバン・オコン>
1996年9月17日生まれ(27歳)。フランス国籍。F1経歴=マノー(2016)→フォースインディア(2017〜2018)→レーシングポイント(2018)→ルノー(2020)→アルピーヌ(2021〜)。優勝=1回。2023年ドライバーズランキング12位。

<No.10/ピエール・ガスリー>
1996年2月7日生まれ(28歳)。フランス国籍。F1経歴=トロロッソ(2017〜2018)→レッドブル(2019)→トロロッソ(2019)→アルファタウリ(2020〜2022)→アルピーヌ(2023〜)。優勝=1回。2023年ドライバーズランキング11位。

【ウイリアムズ】

 ここ数年は下位に沈むことが多かったウイリアムズだが、昨年はアレックス・アルボンが8度(スプリント含む)の入賞を飾る活躍を見せ、チーム合計で28ポイントを獲得。コンストラクターズ7位で2023年シーズンを終えた。

 2月5日に発表された2024年型の新マシン『FW46』は、チームカラーをメインにするのではなく、黒色の部分を増やしたカラーリングになっている。

 なかでも話題となったのは、サイドポンツーンに描かれている日本の建設機械メーカー『KOMATSU』の大きなロゴだ。実は、1980年代から1990年代にかけてもウイリアムズとパートナーシップを結んでいた歴史があり、今季から再び強力な関係を築くこととなった。

 昨年の『FW45』は、丸みを帯びた形状のフロントノーズが印象的だった。今季の『FW46』はその部分が変わっているほか、各部分も細かく変更を施されており、さらなる戦闘力向上が図られている。

 2024年もドライバー体制は変わらず、アルボンとローガン・サージェントがレギュラーを務める。サージェントは昨年ルーキーイヤーで苦戦する場面が多かっただけに、その経験を糧に今年の活躍に期待したいところだ。さらに、ウイリアムズの育成ドライバーとして13歳の日本人女性ドライバー松井沙麗(まつい・さら)が選ばれ、今後の動向から目が離せない。


<No.23/アレクサンダー・アルボン>
1996年3月23日生まれ(27歳)。タイ国籍。F1経歴=トロロッソ(2019)→レッドブル(2019〜2020)→ウイリアムズ(2022〜)。最高位=3位。2023年ドライバーズランキング13位。

<No.2/ローガン・サージェント>
2000年12月31日生まれ(23歳)。アメリカ国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2023〜)。最高位=10位。2023年ドライバーズランキング21位。

【ビザ・キャッシュアップRB(レーシング・ブルズ)】

 唯一の日本人F1ドライバーである角田裕毅が所属するビザ・キャッシュアップRB。昨年までのチーム名は「アルファタウリ」だったが、今年から名称が変わって「ビザ・キャッシュアップRB F1チーム(通称:レーシング・ブルズ)」として参戦することになった。

 カラーリングも一新。昨年までの白と紺の基調から、スクーデリア・トロロッソ時代を彷彿とさせる配色となった。

 今季の新マシン『VCARB01』ではあらゆるところを見直し、サイドポンツーンは他チームでも採用が進んでいるデザインに。また、サスペンションに関してもフロントはプルロッド方式を採用するなど、大幅な変更が加えられている。

 ドライバーはF1参戦4年目となる角田と、ベテランのダニエル・リカルド。昨年途中からレギュラードライバーになったリカルドがオランダGPでクラッシュして一時離脱するなど、チームは難しいシーズンを送った。それでも、後半戦は角田が粘りの走りでポイントを積み重ね、最終的にコンストラクターズランキング8位で終えた。

 角田にとって、今季はさらに結果を求められる正念場の1年となりそうだ。一新したチームで開幕戦からの快進撃に期待したい。


<No.3/ダニエル・リカルド>
1989年7月1日生まれ(34歳)。オーストラリア国籍。F1経歴=HRT(2011〜)→トロロッソ(2012〜2013)→レッドブル(2014〜2018)→ルノー(2019〜2020)→マクラーレン(2021〜2022)→アルファタウリ(2023)→ビザ・キャッシュアップRB(2024〜)。優勝=8回。2023年ドライバーズランキング17位。


<No.22/角田裕毅>
2000年5月11日生まれ(23歳)。神奈川県相模原市出身。F1経歴=アルファタウリ(2021〜2023)→ビザ・キャッシュアップRB(2024〜)。最高位=4位。2023年ドライバーズランキング14位。

【ステーク(キック・ザウバー)】

 昨年までは「アルファロメオ」として参戦したチームが、今季は「ステークF1チーム」と名称を変更。チーム運営に関しては、1990年代からF1に参戦を続けるスイスの名門ザウバーが務めている。

 マシンのカラーリングも黒と緑に変わり、注目を集めている。ただ、ドライバーは昨シーズンから変更なく、バルテリ・ボッタスと周冠宇(ジョウ・グアンユー)の布陣で戦う。

 今季のマシン『C44』は再設計された空力パッケージが導入されて、各部のパーツも細かく変更。フロントのサスペンションシステムも見直し、昨年までのプッシュロッド式からプルロッドに変更されたのも特徴だ。

 昨年は10月のカタールGPでダブル入賞を果たすも、終盤戦はライバルチームの躍進に屈する形となり、最終的にコンストラクターズ9位。今シーズンは新たな試みがふんだんに盛り込まれているマシンで、中団グループの激しい争いで優位に立ちたいところだろう。

 また、2024年は久しぶりに中国GP(第5戦)が復活。周にとっては念願の母国レースとなるので、こちらも目が離せない。


<No.77/バルテリ・ボッタス>
1989年8月28日生まれ(34歳)。フィンランド国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2013〜2016)→メルセデスAMG(2017〜2021)→アルファロメオ(2022〜2023)→ステーク(2024〜)。優勝=10回。2023年ドライバーズランキング15位。

<No.24/周冠宇(ジョウ・グアンユー)>
1999年5月30日生まれ(24歳)。中国国籍。F1経歴=アルファロメオ(2022〜2023)→ステーク(2024〜)。最高位=8位。2023年ドライバーズランキング18位。

【ハース】

 全10チームのなかで今年最初に2024年型のマシン『VF-24』をお披露目したハースF1チーム。昨年は正面から見ると白がベースとなり、サイド部分が黒いカラーリングとなっていたが、今年はフロントノーズも黒色のデザインとなっているほか、チームの国籍であるアメリカ国旗が描かれているのも特徴だ。

 ドライバーはニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンという経験あるふたりを継続して起用。ただ、チーム体制の部分では大きな変更があった。

 長年にわたってチーム代表を務めていたギュンター・シュタイナーが退任。後任には、昨年まで同チームのエンジニアリングディレクターを務めていた小松札雄がチーム代表となった。さらにテクニカルディレクターのシモーネ・レスタが離れ、アンドレア・デ・ソルトが就くこととなった。

 昨シーズン前半戦のハースは、トップ10圏内に進出する走りを見せた。最上位は第10戦オーストリアGPスプリントレースの6位だったが、後半戦は下位に沈むレースも多く、最終的にコンストラクターズランキング10位でシーズンを終えている。

 小松新代表の率いるハースが今季どこまで追い上げてくるのか、非常に注目度の高いシーズンとなりそうだ。


<No.20/ケビン・マグヌッセン>
1992年10月5日生まれ(30歳)。デンマーク国籍。F1経歴=マクラーレン(2014〜2015)→ルノー(2016)→ハース(2017〜2020、2022〜)。最高位=2位。2023年ドライバーズランキング19位。

<No.27/ニコ・ヒュルケンベルグ>
1987年8月19日生まれ(36歳)。ドイツ国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2010)→フォースインディア(2012)→ザウバー(2013)→フォースインディア(2014〜2016)→ルノー(2017〜2019)→レーシングポイント(2020)→アストンマーティン(2022)→ハース(2023〜)。最高位=4位。2022年ドライバーズランキング16位。

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